表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

あんにゃちゃんと赤い血潮

その日はすごい晴れた日でした


そりゃあもうスゴく…


今日の天気はって?聞かれたら、ひねくれた吉岡みたいなヤツ以外は全員

「晴れだ!!間違いなく晴れだ!!」

って答えるくらい

それはもう…ものすごく、ものごっつ晴れだっt…い や、晴れやった


こんな近年稀に見るくらいの晴れた日なんかには、植物が異常な光合成をして異様な成長を成し得るかも知れない


だから日陰なんか見るはずがない

ひねくれた(わたくし)吉岡みたいなヤツ以外は日陰なんかには目もくれない


ただそのひねくれた性格のお蔭で見付けることができた


謎の植物らしき生き物…


「なん…でしょうね

これ…?」


初めは何かわからなかった

デカイ蕾みたいな


とりあえずこの時私は気付いた

これは… 後ろ姿だと!


改めて正面と思われる位置からの視認を試みました


すると


目と口と思わしき部位を確認できました

鼻は確認できません


そして、その異様な物体を目の前にし私はこう思います

(メッチャカワイイヤンケ…オイ!)


一目惚れでした…

その愛らしい生き物を、勢いや良し一思いに根こそぎブチ抜き急いで帰路へ


帰宅後、園芸が趣味である母の予備の鉢植えを物置からかっさらい愛おしいベイビーを入れ適当に土を被せた


そして部屋に入りまじまじと眺める


すると

どうしたことでしょう?

先ほどまで元気であったはずのベイビーは何故だかとても弱っています


吉岡は思いました


「水だ!!あと肥料…」


ジョッキに水を汲み急いでぶっかけました


こんなにも乱暴な扱いをされたことは無いであろうが、そうとうに危機的な状況なのか全く無反応です


加害者は思い出しました


「?:○○ちゃん

お花に直接かけるんじゃなくて

土にかけるのよ♪」


と他人の会話を盗み聞きしたのを回想し


そうか!!土にかけるのよ!!


と、もう既にビールジョッキ一杯分の水が染み込んだそこへ更なる追い討ちをかけようとした


その時!!


「ストッピングだよ!ララ!!」


突然の窓からの訪問に驚きもせずララと呼ばれたその少女は二杯目を静かに注ぎます


「へへ♪これでもう大丈ぶふっ…!?」

「なわけないだろう!」


声が届かないのなら直接体に訴えかけるしかないと思った侵入者はその考えをそのまま行動に移した


結果、もう遅かった…


「いたいよーあんにゃちゃん…」

「また学校サボってるんじゃないかと思ってきてみたら…お前一体何をしてるんだ」

「あんにゃちゃんこそ…

健全な女子高生はとっくに学業に励んでいる時間ですよ!」

「うちの学校は創立記念日で今日は休みなんだ」

「ララは今日学校に行ってなんていられないのです!

博士!!ララは今日

とても不可思議でそしてプリテェスト(prettiest)な生き物を保護(拉致)して参りマスタング!!」

「はぁ~…不気味なぬいぐるみを植物に見立てて水をやるという暴挙に出たのはそういう妄想が絡んでいたのか?」

「不気味!?ぬいぐるみ!?

あんにゃちゃん!!この子はちゃんと生きてるんですよ!!ぬいぐるみなんぞと一緒にしないでくれたまへ!!」

「はぁ…?生きてるんだとしたらこの有り様は一体なんだ?

この不気味な化け物はこんなスライムみたいにグニョグニョな土じゃないと育たないってのか?」

「スライムみたいにグニョグニョ…?」


ララはチラッと現場を確認した


そして振り向き

「ホントだ!!何で!?」

「いや、気付かなかったのか…


とにかくだ

こんな精神的に危険な遊びはやめるんだ

捨ててくるぞ!」

「だーめだよあんにゃちゃん!!

その子は…その子は私の…」

「精神を侵す危険な化け物だろ?

だから捨てるんだ

つか、何だコレ?妙に重いな…」


「あんにゃちゃん!!」

「何だ!!


って!?おい…ララ何をしてるんだ…」


「ララ知ってるんだ!!

あんにゃちゃんはララのこと…」

そう言いながらララは自分のスカートの裾を掴み静かにそしてゆっくり上げ始めた


「ララ何を言っているんだ?

やめるんだ

そんなことをしても何も…!?」


ララが大胆に太股を露出した所であんにゃちゃんは半ヘブン状態に陥り鼻から赤い血潮をこぼれさせた


「うっ…」

「やっぱり」


「なっ!?何がやっぱりだ!!」

「もう隠してもしょうがないよあんにゃちゃん

やっぱりあんにゃちゃんは私のこと…

ずっとイヤらしい目で見てたんだ!!」


「ふあぁっ!!」

「その赤い血潮が何よりの証拠だ!!」


「ララ…

違うんだ…ララ

私はララをイヤらしい目でなんて見ていない。

私はただ…ララを…

真剣に好きなだけだ!!」


「フフ…遂にゲロったねあんにゃちゃん」

「はっ!?しまった…(つい)」

「そうと分かればもうこっちのもの」

「くそ…どうしようってんだ!!」

「あんにゃちゃんその子を返して…

そうすればララを今日あんにゃちゃんの好きにしていいよ…」

「なっ!?」

(好きにして良いだと!?

これは…どうしたら良い?

私はララを全うな道に戻したいだけだ

しかし、ララは同性に興味は無いはず

いや…私もララが好きなだけで他の女なんかには…

とにかくこんなチャンスはもう一生巡ってこない

ララの肩…ララのうなじ…ララの背中の窪み…っと、ダメだこれ以上は想像できない…)


「あんにゃちゃん

今日はララとぬるぬるぐちょぐちょだよ…」

「ぬっ…ぬるぬるぐちょぐ…ブフーッ…」

「キャーっ!!

あんにゃちゃん大丈夫!?」

「ララ…寄るな…寄るんじゃない

お前が寄れば私は寿命を縮めてしまう」

「あんにゃちゃん…」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ