例え、「嘘つき」と言われたとしても。 [七百文字]
君と僕とは、所謂 三角関係の仲。
君の彼氏は二人いて、 公には憎いあいつが“彼氏”っていう事になっている。
そして、隠れて付き合っていて、 絶対にバレたらいけない存在が僕なんだ―――。
だけど、先日 僕達が付き合っている事が、あいつにバレてしまった。
『まずい・・・』 そう思った時にはすでに遅く、 あいつに言われてしまった。
「俺の女に、二度と近づくな・・・」 「近づいたら、××××してやる・・・」っと。
――だから、俺は君に近づけなくなってしまった。
――誰よりも君の事を好きでいるのに、 近づけなくなってしまった。
だけど、それは君を護るためだから、 俺にはどうしようも出来ない。
例え、あいつに逆らったって、 運命に抗う事なんて出来やしないから。
だから、僕は 君との約束を守る事は出来ないんだ。 ごめん。
本当は、死ぬほど 会いに行きたいけど、 僕のエゴで君を殺すわけにはいかないから。
だから、僕は君に“会いに行く”って約束をしたけど、 それを守る事は出来ないんだ。
ごめん、 それで許されるなら、 何度だって僕は謝るよ。
ごめん、 君を悲しませるつもりなんてないんだ。 だけど、僕には。
ごめん、 僕に力がなくて。 あいつよりも僕がもっと強かったら。
ごめん、 ごめん、 ごめん、 ごめん。 ・・・本当にごめん。
――何度 謝ったところで、 僕のしてる事が許されないってことくらいは知っている。
だけど、僕にはそれ以外どうしようもできないから、 何度だって君に謝り続けるんだ。
例え、嘘つきだって思われたとしても、 例え、嫌われたとしても、 僕は十分だ。
――君を護る事が出来るなら、僕はそれ以外に何もいらない。
例え、君に二度と会えなくなるとしても。 例え、君に忘れられるとしても。。。