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初級魔法しか取り柄がない!!  作者: なるっち
1章 ハルトシュタイン辺境領編 ― 初級魔法の少年
30/81

第30話 冒険者の仕事

森から街に戻って、まだ一日も経っていない。


それなのに、ギルドの中は、

昨日までとは、まるで別の場所みたいだった。


張り紙が減り、人の動きが速い。

笑い声が消え、低い声が響き渡る。


「子どもは全員、砦の外には出すなってさ」


「新人も、前線は禁止だとよ」


「スタンピード、ほぼ確定なんだろ?」


断片的な言葉が、耳に入ってくる。


カウンターに近づくと、リナがすぐに顔を上げた。


「アレンくん。通達、聞きました?」


「はい、俺の戦闘参加は禁止ですよね」


「うん。領主様とも話がついたみたい」


「ギルド的にも、うちの責任になるから絶対ダメって」


「……そうですか」


分かってはいた。


でも、

森でリュシュアと一緒に歩いて、

ようやく「自分の立ち位置」が見えかけていたところ——

悔しさに唇を噛む。


もう、ポーターとしても前線に立つことはないのか。


……いや


それはそれで、正しいんだろうな。


そんなことを考えていたら、

カウンターの奥から、低い声が飛んできた。


「おい、坊主」


ギルド長のバルドさんだ。


「ちょっとこっち来い」



いつものカウンターの端。

書類と地図が積み上がった机の前で、

バルドさんは腕を組んでいた。


「リュシュアの件の報告を受けた」


「昨日リナさんに話した、森の揺れのことですか」


「ああ」


「マナの流れが一方向に偏ってること。

 魔物の向きと数がおかしいこと」


「……はい」


「リュシュアさんからは、

 お前はお前のできることをしろって言われました」


「そうか」


バルドさんは、ふっと息を吐いた。


「で、だ」


「子どもを前線に出すな、というのはその通りだが——」


そこで、ぐっと身をかがめてくる。


「前に出れない=用済みじゃねえぞ」


「え?」


思わず、顔を上げた。


「お前は冒険者登録してるだろう」


「はい。一応、見習いですけど」


「なら、他にも冒険者の仕事ってやつはある」


「今のお前は、何ができる」


真正面からの言葉だった。



「えっと、まず——」


指を折りながら答えていく。


「《ヒール水》と、《高級美容水》《美容ドリンク》と、《浄化石》」


「それから、《光り石》《重ね掛け光り石》《時間差光り石》」


「《悪臭石》《悪臭石袋》《時間差悪臭石袋》」


「《眠り石》も作れます」


「《偽装落とし穴》は、

 《小さな穴》《アース》《スコーチ》をまとめて一回でつくれます」


自分で言いながら、

なんか生活魔法屋さんみたいだなと思う。


でも、バルドさんは真面目な顔のままだった。


「前に出て、剣を振るうことはできない。

 オーク一体を、正面から斬り倒すこともできない」


「だが、今言ったこと全部、前に出る連中を支える道具だ」


「そういうことをできるやつが、この街に何人いる?」


「……多くはない、と思います」


「だろうな」


バルドさんは、ぐいっと顎をしゃくる。


「だったら、それを正当な理由にしてみろ」


「前に出してくれじゃなくて、前線を支えるためにここにいるってな」


「……はい」


少しだけ、胸が熱くなるのを感じる。



「で、具体的な話だ」


バルドさんが、机の上の地図を叩いた。


「森と砦の間に、広場みたいな場所がある」


「そこに、軍と冒険者の主戦線を張る」


「問題は——」


森寄りの位置をとんとんと指で突く。


「ここに、何もないことだ」


「ただの平地ってことですか?」


「そこを、魔物の塊が突っ込んできたらどうなる」


「……止めづらいです」


「そうだ」


「だから、ここに何かを作る奴がいるといい」


「その一人が、お前だろう」


そこで、バルドさんは、ふっと笑った。


「とはいえ、俺だけで全部考えると視野が狭くなる」


《風切りの牙》も、さっき戻ってきたところだ。


「ガイルたちにも話を聞いておけ」


「今のお前で、何ができるかを一緒に考えろ」


「……分かりました」



バルドさんと別れて、

ギルドの共用スペースに戻ると、《風切りの牙》はすぐに見つかった。


ガイルが地図を覗き込み、セラがメモを取り、

ディランが落ち着きなく足を揺らしている。


フィオナは壁にもたれかかり、

イリスは小さな祈りの仕草をしていた。


「あ、アレンくん」


一番に気づいたのはイリスだった。


ディランが振り向く。


「お、アレン。久々だな」


「みなさん、お久しぶりです」


軽く頭を下げる。


「森で修行してるって聞いてたけど、無事で何よりだ」


ガイルが、短くそう言った。


「はい。リュシュアさんからいろいろ教わってます」


「いろいろ、ね」


セラはアレンの顔を一瞬だけ見て、

くすっと小さく笑った。


「前より、ちょっと頼もしい顔になったじゃない」


「で、何の相談?」



「今の僕にできるのは、

 前線に出る人の補助をすることだと思います」


「《ヒール水》《浄化石》《光り石》」


「それと、《悪臭石袋》《眠り石》《偽装落とし穴》」


「森でリュシュアさんから教わったのは、

 相手を崩すことと、止めることでした」


「《スリープ》と《エアーパレット》で、

 走ってくるイノシシやオオカミの足のリズムを崩して、

 落とし穴に落とす」


「這い上がろうとしたところを、もう一回スリープで止める」


「そうやって、一体ずつ確実に止める方向に、

 戦い方を変えました」


「でも、それは一体ずつの話です。

 スタンピードみたいに、塊で来る相手には通用しません」


「……そうね」


セラが頷く。


「《スリープ》も《エアーパレット》も初級魔法。

 どう頑張ったって数体が限界」


「《偽装落とし穴》も、

 最初に落ちるのはせいぜい一体か二体。

 それ以降はそこに穴があるって学習される」


「《悪臭石袋》も、

 場を止めるには優秀だけど、殺しきる道具じゃない」


イリスが、少し考えるように続けた。


「それに、悪臭から逃げ出した魔物が、

 どこへ走るか分からなくなりますし……」


「戦う場所そのものを、

 ぐちゃぐちゃにしてしまう危険もあります」


「前のディランの悪臭袋のときも、

 私の浄化が間に合って、

 みんなが前に出られたから何とかなりましたけど……」


「そういえば、リュシュアさんにも言われました」


思い出して口にする。


「《悪臭》は、森を汚す。

 長く通いたい場所では、安易に撒くなって」


「だから今回は、

 森の奥にばら撒くより、砦の手前で完結する仕掛けのほうが

 いいのかなと思ってます」


フィオナが、こくりと頷いた。


「匂いは、慣れない」


セラも苦笑する。


「分かる。

 いくらイリスが浄化してくれても、

 あの匂いは、思い出しただけで頭が痛くなる」


「砦のすぐ前がずっと臭くするのは、

 さすがにやめておきたいわね」



「じゃあ、どうするかだな」


ガイルが腕を組む。


「崩す、止める、って発想はいい。

 お前の石で、塊の脚をまとめて崩す方法はないか?」


「うーん……」


唸る。


「なんだよ、難しく考えすぎだろ〜。

 アレンなら《眠り石》作れるだろ?」


ディランが口を開く。


「だったら、それを魔物の塊に向かって投げ込めばいいんじゃね?

 ディラン方式2だ」


「それだと」


セラが、すぐに被せる。


「あちこちで《スリープ》が散って、

 誰がどこで足を取られるか分からないでしょ。

 そんなの、前線じゃ一番やっちゃいけないやつよ」


「それに——」


イリスも、静かに首を振った。


「そもそも、運んでいるあいだに

 本人も周りも眠くなってしまいます」


「敵の真ん中で発動させる前に、

 前に出ている人たちが削られます」


ディランは肩をすくめた。


「じゃあ、どうしろってんだよ」


「投げるじゃなくて、最初から置くのはどうだ?」


ガイルが言った。


「投げ込むから味方と混ざる」


「だったら、最初から敵だけが通る場所に、

 《眠り石》を置いておく」


「罠みたいなものですか?」


思わずそう返す。


「“レーン”だな」


ガイルは地図の上に、指で一本線を引いた。

森側から砦に向かって、細い通り道を作るように。


「オークの塊がどうせ砦に向かってくるなら、

 途中で流れは細く絞られる」


「その道に、崩す罠と止める罠を、まとめて敷き詰める」


「……でも」


一つ引っかかる。


「でも、《眠り石》だけだと、一回よろけるくらいです」


「崩すだけじゃ、

 きっとすぐにまた走り出されます」


「止めるなにかか〜」


ディランが頭をかきむしる。


「そうだ、いいこと思いついたぜ」


唐突に顔を上げた。


「前にさ、アレンの《土ソリ》を押してたときのこと覚えてるか?」


「ああ。荷物が多くてどうしても動かないときに、

《アース》で泥のレーン作ったところに、

《ウオーター》かけて滑りやすくしてたやつか」


ガイルが頷く。


「そう、それ!」


ディランが勢いよく人差し指を立てる。


「おれ、あのソリの後ろ歩いてたとき、

 あのレーンで何回もすっ転んでんの!」


「ディラン、バカ」


フィオナが即座に切り捨てた。


「うるせえ!

 大事なのはそこじゃねえ!」


ディランが顔を真っ赤にする。


「泥のレーンに水を撒くと、めちゃくちゃ転ぶってことだよ!」


「《泥石》とか《水石》とか、そこに《眠り石》も混ぜりゃ、

 崩すだけじゃなく、止めることだってできるだろ?」


一瞬、場が静かになった。


先に口を開いたのは、ガイルだった。


「……なるほどな」


「その泥罠レーンを、森と砦の間に引けばいい」


ガイルは、地図の線を指でなぞった。


「足場が悪ければ、重たいオークは

 それだけでスピードが落ちる」


「そこで足を取られて転んだところに、

 《眠り石》で一瞬でも頭をふわっとさせれば、

 起き上がるまでの時間は、さらに伸びる」


「しかも、後ろからどんどん押される」


セラが、すばやくペンを走らせる。


「泥と水と眠気の三層構造ね。

 レーンの中で、脚も心も削れていく」


イリスも、ふっと笑った。


「ディランも、たまにはいいこと言いますね」


「おい、たまにはってなんだよ! もっと褒めろ!」


「ディラン、天才」


フィオナが小さく付け足した。


ディランは一瞬固まってから、耳まで真っ赤にした。


「……お、おう!」


 

《泥石》用の統合。

《水石》用の統合。

《眠り石》用の統合。


これを完成させなければならない。

俺にできるだろうか。


——いや。

俺にしかできないからこそ、やるしかない。


「新ディラン方式だな」


ディランが得意げに胸を張る。


「名前はともかくとして——」


ガイルが苦笑する。


「この泥んこレーン、悪くない」


「起き上がりにくくしてくれることで

 魔物の勢いを削げる」


「そこを、俺たちが遠距離から撃ち、

 最後に砦の手前で止める」


「そういう形に持っていけるなら、

 スタンピードでも、まだ勝ち筋はある」


「アレン」


ガイルがこちらを向く。


「お前の目から見て、

 《泥石》《水石》《眠り石》、どこまで現実的だ?」


「作るのは可能です。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

 どれも、《ストーン》を媒介にした統合で

 《光り石》とかとやることは同じですから」


考えてたら、別の可能性が浮かんだ。


「……《泥石》《水石》《眠り石》を、まとめて一つにすることもできます」


「全部入りの罠石?」


セラが眉を上げる。


「はい、作ったことはありませんが

多分、4つ統合もできると思います。」


最初に声を上げたのは、ディランだ。


「新ディラン方式・完全版だな!」


それで行こうと口々に声が上がる。


そのとき。

カウンターを叩く、派手な音が響いた。


「それで行こうじゃないです、ってば!」


リナだった。


みんなの視線が、一斉にそっちに向く。



リナは両手を腰に当て、

珍しく真顔でこちらを睨んでいた。


「アレンくんの負担が大きすぎます!

 分かってますか? まだ五歳なんですよ?」


「しかも、全部入りの罠石なんて作ったら、

 作戦の中心としての責任まで、背負わせることになるんですよ!」


「いえ、僕は大丈夫です」


思わず口から出る。


「これだけに専念すれば、

 百個以上は作れると思います」


「ダメです〜〜!!」


リナの声がひときわ大きくなった。


「三つの統合は、集中力がいるでしょ?

 それが四つよ。

 横でずっと見てきたから分かるの!」


「それに統合できたとしても、

 実際に罠としてどう発動するかは、

 ちゃんと調整しないと分からないじゃない!」


「確かにそうだな。

 水の量が多いと水たまりになる。

 逆に少ないと滑らない。」


ガイルが指摘する。


「《スリープ》のかけ具合も強すぎたら、

 味方にまで足をもつれさせるかもしれません」


イリスも言う。


「今は時間がないからって、

 全部アレンくんに押し付けるべきじゃありません!」


ギルドの中が、しんと静まる。


しばらく黙っていたバルドが、短く息を吐いた。


「……確かにそうだな」


ゆっくりとうなずく。


「四つ合わせの全部入りは、本番までに調整がいる。

 今、その実験をやっている時間はない」


「石の性質を一本にまとめすぎると、

 どこまでが水で、どこまでが泥で、どこまでが眠気かも

 分かりづらくなる」


「だったら、合わせ方はこっちでやる。

 配置と順番で、泥んこレーンを作ればいい」


バルドさんは、俺のほうを見る。


「坊主。

 全部入りで一発、って考えるな。別々に作れ」


「別々……?」


「まずは《泥石》だ。

 最悪、足を止められりゃそれでいい」


地図の一点を、指でとん、と叩く。


「次に《水石》。

 レーンを完成させるためにな」


セラが小さく息を吸った。


「……数、かなり要るわよね」


「《泥石》だけでも相当数だ」


バルドさんがうなずく。


「だから、保険も打つ。

 低ランクの水属性持ちも集めておけ」


「《水石》が足りなければ、

 足りない分の水をそいつらにかけさせる」


イリスが少し驚いた顔をする。


「……前線じゃなくて?」


「高ランクは火力だ。

 だが低ランクが、水をかける係をやる分には問題ねぇ」


「魔力をなるべく削らずに、地形を作る。

 それが今回の仕事だ」


「……それでもダメです!!」


リナは、まだ引かない。


「数百個以上の仕掛け石を、

 アレンくん一人に作らせる気なんですか?」


「でもよ」


ディランが、申し訳なさそうに頭をかいた。


「こんな器用なことできるやつ、

 マジでアレンくらいしかいないんだよな……」


その言葉に、

バルドさんも小さくうなずく。


「そうだな。

 戦闘のための魔力は、

 できるだけ前線組に温存させておきたい」


「だからこそ——」


リナが、強く口を挟んだ。


「重ね掛けと時間差、両方やらせるのは、

 アレンくん一人には負担が大きすぎます」


「初級しか使えないから大丈夫、なんて話じゃありません!」


声が、どんどん大きくなる。


「何百回も撃たせるってことを、

 ちゃんと分かってください!」


「でも……」


セラが言いづらそうに、口を挟む。


「重ね掛けなしだと、効果はそこそこ。

 オークみたいな重い塊相手じゃ、正直不安よ」


「そうです」


俺も小さくうなずく。


「レーンに踏み込む前に、罠が発動し終わって、

 そのまま通り抜けられる可能性もあります」


「それに、大丈夫です」


俺は一度、息を吸ってから続けた。


「初級しか使えませんけど——

 赤子のころから、ずっと鍛えてますから」


「……むにゅむにゅ体操ってやつか?」


バルドさんが、ぽつりと言った。


「えっ、なんで知ってるんですか?」


「セバスから聞いていた」


「坊主が、気味の悪い体操を毎日続けてるってな」


セバス……


説明の仕方、

もうちょっとどうにかならなかったんだろうか。


内心で頭を抱えていると、

バルドさんは、すっと真顔に戻った。



「よし、こうしよう」


「《泥石》の量産が第一目的だ」


「そして、《泥石》は重ね掛け仕様にする」


「これは譲れん。

 ここを薄めたら、作戦そのものが崩れる」


「ちゃんと足を取る泥にならなければ、

 そもそも泥んこレーンの意味がなくなる」


「坊主」


「はい」


「しんどいかもしれんが、

 《泥石》の重ね掛けだけは、踏ん張ってくれ」


そして、少しだけ声の調子を変えた。


「その代わり——」


「時間差なしの、重ね掛け+即発動に絞る。

 《水石》も同じだ」


「置き石としてレーンに配置するとき、

 多少ぽたぽた泥や水が漏れても、それは許容する」


ガイルが、素直にうなずく。


「それくらい問題ない。

 多少靴が泥まみれになる程度なら、あとで洗えば済む」


セラも続けた。


「《泥石》と《水石》を材料として持ち運んで、

 現地で罠に組み込むのね」


「アレンくんの負担が減るなら、そのほうがずっといいわ」


バルドさんが、全体を見渡してから言う。


「これで間に合えば、

 泥んこゾーンは十分に機能する」


「敵の足を止めて、勢いを削げれば、

 前線の負担は大きく減る」



「《眠り石》は、どうするのですか?」


イリスが、静かに問いかけた。


バルドさんは少しだけ考え、

それから口を開く。


「あると、かなりいい保険だ」


「ただし、重ね掛けなし+時間差つきにする」


「そうですね」


イリスが頷く。


「レーンを作る前に発動したら、運んでいる本人が危険です」


「置いて離れてから、効き始めるほうが安全です」


「……だが」


バルドさんが続ける。


「《眠り石》については、スタンピードのタイミングに

 すべてを完璧に合わせるのは現実的じゃない」


「運搬も配置もあるし、どうしてもズレは出る」


セラが言った。


「どこかで、どれか効いているくらいでいいってこと?」


「一部無駄になるかもしれん。それが保険のコストだ。

 だが、それで十分だ」


「リナ、これで飲んでくれ」


「ダメですけど……しょうがないです」


リナは、諦めたように肩を落とした。


でも最後に、もう一度だけ俺のほうを見る。


「アレンくん、絶対に無理はしないでね?」

 

「できるところまでやる。

 できないところは大人に投げる。

 それも、冒険者の立派な判断だからね?」


「……はい」


できるだけ明るく、

でもどこか覚悟をにじませて、そう返事をした。



「よし、決まりだ」


バルドさんが締めくくる。


「アレンは、《泥石》《水石》の量産。

 重ね掛け+時間差なし」


「《眠り石》は、

 重ね掛けなし+時間差つきで、できる範囲で作る」


「《風切りの牙》は、

 レーン候補の調査と、配置パターンの検討」


「リナは、アレンの監視役兼、健康管理だ」


「了解」


「了解」


それぞれが短く返事をした。


俺は、自分の手を深く握りしめ、大きく息を吸った。

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