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第5話 私なりの戦闘巡洋艦の評価-2

 そんなことを呟けば、更なる反論が複数、挙がるのが何とも言えない現実です。


 例えば、戦闘巡洋艦は、空母機動部隊の対水上艦対策だけではなく、防空任務にも使用できるではないか、それなのに、其処までのことを言えるのか、と言われそうです。


 ですが、それはあくまでも余技ではないでしょうか。

 戦闘巡洋艦は、それこそ戦艦に攻撃力は劣るモノの、一般の巡洋艦よりも攻撃力が勝るから、という隙間を衝く目的から建造された軍艦の筈です。


 それなのに、防空任務に戦闘巡洋艦を使おう、というのは、本来の目的から外れた使用法ではないか、と私としては考えざるを得ません。


 勿論、戦闘巡洋艦が防空任務に使えない、とは私は考えていません。

 ですが、余りにもコスト等を考える程に引き合わない任務で、それこそ日本海軍で言えば、超甲巡1隻を建造するよりも、秋月級駆逐艦を10隻建造する方が、遥かに防空任務等で役立つ、と考えるのは、私の考えが偏っているのでしょうか。


(尚、超甲巡1隻と秋月級駆逐艦10隻云々ですが、単純に公試排水量から算出した数字で、実際には装備する兵器等についての費用や乗組員数等まで考えあわせた上で比較しないといけないのは、自明の理ではないか、と更に叩かれそうですが。

 単純に説明する為の方便として、平に緩く見て下さい)


 更に言えば、秋月級駆逐艦は魚雷を搭載しており、対巡洋艦戦闘も十二分に可能なのです。

 これに対しては、一時、防空を主任務とする秋月級駆逐艦に雷装は無能の長物、魚雷を搭載するくらいならば、対空兵器を更に充実させるべきで、日本海軍の秋月級駆逐艦は、中途半端な性能だ。

 とフルボッコにする意見が、かつては有力でしたが。


 私が調べる限りですが、昨今では風向きが、かなり変わっているようで。

 駆逐艦には、ある程度の汎用性が求められる以上、秋月級駆逐艦に魚雷を搭載したのは間違っていない、実際に史実でも、秋月級駆逐艦の雷装は役立っているではないか、という意見が有力化しつつある、と私は理解しています。


 そんなことまで考えあわせる程に、戦闘巡洋艦を、空母機動部隊の防空任務に使うべき、という主張に対して、私は疑念を覚えてならず。

 使えないことは無いが、そんな戦闘巡洋艦を建造するくらいならば、空母機動部隊の防空任務については、日本海軍は秋月級駆逐艦を大量に建造すべきだ、という意見に、自分は与せざるを得ない、と考えざるを得ないのです。


 後、戦闘巡洋艦の主砲に関してですが、史実において戦闘巡洋艦の主砲の口径が中途半端なのが悪かった、戦闘巡洋艦に14インチ以上の主砲を搭載して、いざという際には戦艦と砲撃戦を交わせるようにすべきだった、そうすれば、史実でも十二分に役立った筈だ、という意見が、それなりにありますが。


 これ又、戦闘巡洋艦の本来のコンセプト、戦艦とは基本的に戦わない、というコンセプトを自己否定するモノであり、更にはユトランド沖海戦等の戦訓、戦艦には攻防走三拍子揃ったモノが必要という戦訓を否定するモノです。


 そういったことからすれば、史実の1930年代に、戦艦に対抗できるように、戦闘巡洋艦に14インチ以上の主砲を搭載すべきだ、という主張を海軍軍人がしたならば、そんな戦闘巡洋艦を建造するくらいならば、真っ当な戦艦を建造すべきだ、という反論が為されるのが当然で、アリエナイ発想だと言われるのが当然の気さえ、私はしてなりません。


 そして、水雷戦隊の夜襲任務の際に、戦闘巡洋艦は役立つとの主張ですが。

 役立つでしょうが、日本海軍の態度からして、あればいいな程度だったのではないか、と私は考えます。

 本当に必要不可欠なら、建造が推進された筈です。

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