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29ページ目 なりゆきでダンジョンパーティー

29ページ目 なりゆきでダンジョンパーティー




なぜだろう? ただいま四面楚歌なトゲエルフです。




「そうやってアンタ達エルフは、何時だってあたしを悪者にするけどさっ、ダークエルフ

に生まれちまったのはあたしが悪いのかい!? 親がどうとか、邪神信仰がどうとかって

いっつもだよ!! 親の顔なんか見たことないしっ!! 邪神なんて祈ったことないしっ」


「レティは見た目はこんなだし、君が疑う気持ちは十分判るっ、だけど彼女はずっと神殿

で僕達と一緒に育って来た幼馴染で、君が疑うようなダークエルフの悪いヤツラとの付き

合いはこれまで一切無いと我が神プニに誓うよ。ダークエルフってだけで先入観を持たず

生身の彼女を見てやって欲しいんだ。そうすれば彼女が悪人じゃないって直ぐに判る事さ」


「ファリナっ、生まれで人を差別するのは良くありませんっ。

この方は確かにダークエルフに生まれてしまったかも知れませんが、人間に育てられたと

言うことではありませんかっ、ならば育った境遇はこの私と同じで何も変わらないですっ。

何も悪いことを行ってないのに決め付けで命を奪おうなどと許される事ではありませんっ」


「物語のダークエルフは悪役だけれど、この方もそうだと言い切れる証拠は何も無い。

むしろ、ゴブリンとの戦いでこちらを助けようとしてくれた人だし。

助っ人二人を仮に善人とするならば、その仲間のこの人だけ悪人とする根拠は薄いと思う。

全員が悪人なら助けずほっとけば良かっただけだし」




おかしい。ダークエルフだよ? 黒いんだよ?

そこっ リアラだってハーフエルフでしょ!! なんでダークエルフの味方なのよっ??


「神殿で育ったとは言え親が居ない事で背負った、あの一口で言い表せない悔しい気持ち

は私もよ~く知っています。私の場合はエルフのくせに神への祈りは冒涜だとか、ハーフ

エルフはエルフの高貴な精霊使いの血を穢す者だ、とかずっと言われ続けて来ました。

だからです。親の事で子供を蔑み、差別するなどもっての他なのですっ、ファリナ」




むーーー。

そこでニコニコ笑ってる魔術師。アンタは何か言うことないの!?


「エルフで魔術師って珍しいですね。これまでエルフって言うと、みな精霊使いで直情的

というか、レティが視界に入ったとたんイキナリ襲ってくるような人達ばかりでした。

いきなりの破壊の呪文には焦りましたが、レティやウインと話してる間も撃つ様子が見ら

れないので、貴方が理性的な方で良かったなーと思います。

それで、問答無用で撃たなかった理由を聞いても良いですか?

ホントにレティを危ないと思って居たなら、ためらわずに撃ったでしょ?」


そう、スニージーと呼ばれた魔術師は周りの死体の山を見回しながら問いかけて来る。




「わたしは自分で魔法を創りそれを操る者だから魔導師よ。

そこのダークエルフは姿を隠して居た割りに背中に背負った弓を構えてなかったし、矢に

も毒が塗られて無いのは水霊からの報告で解ってる。

ダークエルフと言えば毒と短剣。そのどちらも持って無いならダークエルフを囮にして、

暗殺者の本命はそっちの剣士かアンタかも、と思ってた訳よ」


そう言って、魔術師の脇から大地の槍を飛び出させて見せる。

ま、3人共、着てる物が南方風のデザインだし、この辺りの人間じゃないのは解ったけど

暗殺者ってのは流れ者だから土地の者じゃないってのは警戒を解く理由にならない。


「『アースジャベリン』、複数の魔術を同時に操り、しかも、詠唱破棄だなんて。

なるほど。僕かウインが変な動きをしてたらサックリ往ってた訳だったんですね。

でも、こうして手の内を見せてくれたという事は、僕達は敵じゃないと理解して貰えたと

思っても良いですか??」


「今いま襲うつもりじゃない、という意味では理解したわ。

だからと言って、アンタ達が敵じゃないとは思って無い。第三者を装って待ち受ける仲間

の只中へと誘い込んでから悪党の顔を出す、なんてのは常套手段だしね。

って、そこの二人!! 何ダークエルフと仲良くしゃべってんのよっ!?」




「「 え?? 」」


え?じゃないわよ。何時の間にやらジルとリアラは和気あいあいとダークエルフを相手に、

楽しく話をしているではないですか!?

空気ぶち壊しおってからに!!


「なんかリアラと同じく物心付いた頃から神殿で人間の下で育った、って聞くと他人とは

思えないって言うか」


「私はこう言っては下世話ですが、エルフにはこれまで相手にされず育ちましたから。

ダークエルフと言われても出逢った事も無いし、嫌悪の感情は特にありません。」


「うんうん。あたしも生まれて初めてだよ。初めて逢った人に嫌われないでこうして話を

出来たのってさ」






「そうなんだ。レティアラはもっと大陸南方の国からこっちへ来たんだね。

それじゃ冒険者となって長いの??」


「やだなぁ。レティアラだなんて堅苦しく呼ばなくて良いってば。レティでいいよん。

19の時に飛び出したからもう6年経つのかー。ずっとウインとスニージーと3人で大陸

を旅して来たんだよ。冒険者と言うより傭兵の方が長いかな」


いつの間にか6人で依頼元の宿場町へと歩いている最中です。

前をダークエルフのレティアラとジルとリアラの3人が歩いて、その後ろに剣士と魔術師。

最後尾をわたしが歩いている。

一見、二人の護衛たるわたしの方が遠いようだけど、基本的に魔導師として戦うわたしは、

この布陣の方が全員が視界に収まるので調度良いのだ。

いつでも『闇牙』をぶっ放せる準備は出来てる。

それにしても。


おかしいでしょ! わたし独りトンガッテルなんて!! そうですかわたしがトゲエルフ

だからですか!?






ゴブリン全部の証明部位を持ち帰るなんてそもそも無理だし、宿場町からの依頼は、個別

の数単位では無く、ゴブリン軍団の集団単位での殲滅として受けている。

魔法ゴブリンとボスゴブリンの頭か、偉そうな装いを引っぺがすかして、特徴有る部分を

町に持って帰り、殲滅の確認そのものは町の者に別途行ってもらう手はずになっている。

魔法ゴブとボスゴブは、これまで町に迷惑掛けてそれなりに姿を覚えられてるのでそれが

わたし達依頼を受けた者と、依頼元の町双方で後々問題が出ないと思われる契約だった。


ボス達は倒されてしまったが、彼等が報酬権については実にあっさりとこちら側に有ると

認めてくれたのでそこで揉めはしなかった。

ジルは彼等が助太刀してくれた労力への対価として、今夜の宿と飲み食い代をわたし達が

持つ事を約束したのも、尾を引かなかった理由だろう。

歳は若いがこういった細かい心遣いを忘れないのは立派だ。


余談ではあるが、わたしがゴブリンの死体を大地へ還してるのを見て皆から不思議そうな

瞳で見られて居たが、別に感傷でも無ければ潔癖だからでも無い。

死体は速やかに大地に還った方が、精霊の安定にも、死と転生の輪的にも良いと考えてる

からやってるだけだ。

説明が面倒なので「こうすると化けて出ないのよ」と言っといた。

死体を大地に還せば天が定めた約束事『沈黙の掟』が働くのでアンデットにならずに済む。

なので、あながち間違いではないだろう。






歩きながらお互いの自己紹介をすませる。

後で酒場で知ることになった情報も分けて書くとメンドクサイからまとめてここに書くね。


神官戦士のウインゾフィー・ホークリング。人間25歳

『ブリューグフト大陸』の東南にある『スイッザー連邦共和国』という所からはるばる旅

してここまで来たらしい。距離にしてアイゼンワード帝国を西欧と見立てた場合、インド

あたりに相当するようだ。信仰する神はプニ。

実家が神殿だったので神官戦士としての訓練を受けてたと言う。片手直剣と大型盾使い。

全身鎧ではあるけど、ジルの様な完全に覆われるタイプじゃない普通のプレートアーマー。


魔術師のスニージー・アーシェフェル。人間25歳

ウインの幼馴染。商家の次男坊でウインに付いて旅をすることにしたらしい。

彼等の国では魔術師ギルドなる物が存在し、実家がある程度裕福であるならという制限が

あるものの、誰でも魔術師を目指す事が出来るらしい。魔術書を渡され必要な魔術はそれ

に最初から全部記述されているとのことだ。便利だねー。


偵察のレティアラ。ダークエルフ25歳、歳はホントのところ不明らしい。

孤児なのでエルフだったら誰でも持ってる守護精霊名と姓は無いと言うことだった。

というか守護精霊名なんて物があるとは知らなかったらしい。余談だがリアラもだって。

アンタ達。。。思わずホロリとしちゃったよ、わたしゃ。

本人隠してるつもりらしいけど、ウインがジルやリアラに話しかけるとピクリとする所を

見てるとバレバレだって。ニヒヒ。ダークエルフいぢくりネタはけーん。

弓と体術と精霊術で戦うそうだ。少しでも周りの誤解を防ぐために、その辺の悪いダーク

エルフと間違われないよう、短剣は持たない主義とのこと。




魔法剣士のジェラルディ・イライザ・リム・リーベフェルマ。人間16歳

わたしがさっきリーベフェルマ伯爵の依頼でうんぬんしゃべっちゃったからね。てへ。

もう隠す必要も無いと思ったのだろう。ジルはフルネームで紹介した。

彼女は驚くべきことに魔法少女だったのです。焚き火くらいは出来るらしい。。。

武器は御存知、魔法付与されたスーツ型全身鎧と両手大剣だ。


司祭のウェンリアラ・カースティン。ハーフエルフ24歳

あの3人は知らない事だけど、父親がリーベフェルマ伯爵。ジルとは母違いの姉にあたる。

母親とは生まれた時に死別。人間の神官夫婦の元で育った。

精霊は見えるけど習ったことがないから精霊術は使えないとのこと。

ミラー神の神官戦士で、片手フレイルと小型のラウンドシールドで戦う。

鎧は胸当てだけプレートで、他の部位はチェインアーマー。


そしてわたし、リアファリナ。トゲエルフ21歳。

そしてやっぱり聞かれる「「「 トゲ?? 」」」 いつもの様に説明しといた、マル






無事報告を終え明日には報奨金が貰える約束を交わして、宿屋で酒盛りをする5人。

わたしはジルとリアラの護衛だから、推定容疑者を前にお酒なんて飲む訳に行かない。


ほんっと、本人達に自覚が無いと護衛は大変です。

まぁわたしが暗殺者だったらいくら護衛がすぐ傍に居ようとも、これだけ時間を掛ければ

どこかで目的を達せられたと思う。だからこの3人だって大丈夫。。と言えなくも無いと

は思うけどね。アイゼリアで襲って来たのはダークエルフ。いま目の前に居るのもダーク

エルフ。これで油断しようものならただの馬鹿でしょ??

周りでお酒を次々とクイクイやってる姿を横目に、果実生絞りジュースをちょびちょびと

一人寂しく舐めてました。




「プニ神が御光臨なされて、それで貴方達の遊び相手になられたのですか!?」

リアラは他宗教の慣習の違いを熱心に聴いていた。中でも神様自ら現世の信者の前に姿を

見せて活動を共にした事が有るという事実に驚いていた。


「ああ、小さかった俺達は相手が神だなんて知らなくて、気の良いオジサンだと思ってた

んだ。大きくなって遊ばなくなりしばらく経ってからかな? 相手が神だって知ったのは。

毎日一緒になって泥んこ遊びをした人が神様だなんて普通は思わないだろう?」


「おいおい、ウイン。オジサンは無いだろう? 神様怒るよ? 綺麗な女の人だったろ?」


「でもさ、あたしもプニ神を思い出すとさ、なぜかお父さんって感じなんだよね。

女の子だったらミニスカートで廻し蹴り出来ないとダメだー言われてさぁ。

あたしの体術はプニ神に鍛えられた様な物だよね。ミニスカは結局穿かなかったけど」


そう言ってレティアラは膝下までのレギンスを見せる。

なによそれ? 綺麗なお姉さんでも中身はオヤジってことなのかね??




「最後に遊んだ時のこと、今でもハッキリ思い出せるんだ。プニ神が言った言葉を」

3人のリーダーは神官戦士のウイン。彼が二人を大陸中引き廻しているようだ。


プニ神の御言葉。それは↓↓↓こんな感じらしい。




一緒に遊んでいる間は、纏わり付いて、手を引っ張ったり、腕にも足にも好きな様に抱き

ついて何でも我侭を言った、あの人は嫌な顔一つせず、さりとて我侭をそのまま聞くので

は無く、自分と一緒に行わせて苦労を分かち合う形にしていた。子供だからと言って甘や

かしたりはしなかったが厳しいと感じたことも無かった。

思い出すのは、真っ青な空に浮かぶ複雑な形をした細い雲の下で遊んだ楽しかった思い出。


そして、そろそろ遊びの時間も終りに近づいた夕暮れ。

赤く染まった夕焼け雲を、目を細めて見ていた綺麗な女性。

細かい容姿を思い出そうとすればするほど靄が掛かったみたいに思い出せない。

綺麗だと一目で判るはずのその顔は、アゴのラインも髪型も瞳の色も眉毛さえ、何一つ

として思い出せない。


『宝探しをしようか。ウイウイ、スニッジ、レティ。

この世界のどこかに、死霊都市ニブルヘルという場所が在る。とても危険な場所だけどね。

そこを通り抜けた所にオレの神殿が在る。そこにお前達への贈り物を隠しておくよ。

いつか、それを見つけられたらお前達の勝ちだ。そしたら……』




「最後は何て言ったか思い出せない。不思議なことに3人共同じなんだ」


「ウイウイ……??」


「プニ神ってさ、男の子の事をなんかよく解らない名前で呼んだりするんだよね。」


「それホントに神様なの?」

そもそも神様が子供と遊んだり、変な名前で呼んだりするものなの!?


「間違い無い。俺が19になったその日に、忘れていたこの記憶を3人共思い出したんだ。

俺の親父からも、これはプニ神の啓示で間違いないって言われてる。

それで旅に出たってわけさ、啓示に従ってね」


「死霊都市ニブルヘルか、聞いた事は無いな。

この世界のどこか、ってずいぶん広いけどアテはあるのか?」

さすが物語り大好きのジルとしては興味津々だね。

神様からの啓示で危険な場所へ宝物を探して旅をするってシチュ、好きそうだもんね。


「有るといえばある。無いといえばない」

ジルとリアラはもう、先を聞きたくて仕方ないらしい。早く早くと瞳が言っている。




「実は初代の巫女姫様、ああ、俺達プニ神を崇める者の最高司祭は巫女姫と呼ばれる方で、

代々女性が務めているんだが、その初代巫女姫様の日記というか、手記が在ってな。

その手記には、なんとプニ神と一緒に暮らした日々、その時の事柄が書かれて居てな。

その場所は地下神殿として描かれているんだ。そして、やがて巫女姫は大陸を横断して

今のプニ神総本山の場所へと旅をなされたんだが、その記録を遡ってくと、どうやら大陸

の北西部にその地下神殿があったようなんだ。だから俺達はここに来たのさ。

地下神殿というからには地下に在るんだろうし、なら死霊都市には雰囲気合いそうだしな。

まぁね。最初からここまで解ってた訳じゃないし、途中途中で情報を集めながら旅してた

からさ、ここに辿り着くまで6年も掛かってしまったよ」


「は~、なるほどだからこのアイゼンワードにその地下神殿があり、そこに神様が隠した

アンタ達への贈り物があるかも、と?」


「ああ、俺達はそう思ってる」


「僕はなんと言っても神様からの贈り物が気になるしね、今からワクワクするよ」


「ウインは啓示で、スニージーは贈り物目当て。

あたしはただもう一度逢いたいだけかな、お父さんに。女性だし神様だけどね。へへ。」




「素敵ですね。けれど御期待に添えず申し訳有りませんが、私は聞いたことが有りません。

地下神殿なる物についても、死霊都市についても。ジルとファリナはどうですか?」


「私も無いな。もう少し手がかりは無いのか?」


「わたしはもっと東からこの国へとやって来て、まだ2ヶ月経ってないからねー」

わたしは肩をすくめて見せた。


「そうか。手がかりって言えるかどうかは解らんが、その場所に関係する話が手記の中に

出てくるんだが、地下神殿に関係しそうなのは、それだけなんだ」

そう言ってウインゾフィーは古い日記帳みたいな物を懐から取り出して皆に見せる。

あれが初代巫女姫とか言う人の手記なのだろう。


「ナイアガラってのが何なのか知らないが、この辺「ブフォッ、ゲホッゲホッ」どうした?

リアファリナ?」




ううっ、ビックリして果実ジュースが変なとこに入っちゃった。むー涙が滲むよー。

ウインゾフィーの傍に歩いて行き、手元の手記を覗き込む、

紙は比較的新しい物に書かれている。おそらく写本なのだろう。




『今日はプニが変な出入り口を創ってた。そもそも自前で飛べるし、瞬間移動すら自在に

こなせる神のくせに何であんな物を使うのはさっぱり理解出来ない。ナイアガラを割って

飛び出すのがロマンなんだ、とか言っていたが私には神力の無駄遣いにしか思えない。

そんな物を創ってる暇があったら……』




「……この辺りに大きな滝なんてあったっけ?」

わたしはジルとリアラにそう問い掛けた。


「大きな滝……有りますよ、ちょっと遠いですが、この国の観光名所ですね。

帝都の北を流れるゼシャール河を半日ほど遡ると2つの川に分かれます。

北側の本流をさらに遡って、8日ほど馬車で行くとザワール湖に着きます。

ザワール湖の出口は西と南に2つあって、南は今言ったゼシャール河へ繋がる河です。

いま一つ、西の出口は直接海に流れ込む河なのですが、海に流れ込む所がグランザールと

呼ばれている巨大な滝なのです。幅が約200ヤンテ、高さが100ヤンテほどですね」


「そりゃ大きい。リアファリナ? 貴方はナイアガラって物が何なのか知ってるようです

が、その滝がそうだと思われるのですか?」

魔術師のスニージーが聞いてくる。

ん~。他人様の宝の場所見て、かすめとる趣味も無いし、素直に教えるとするかな。


「わたしが知ってるナイアガラって言うのは、こことは違う遠い場所にあるやっぱり巨大

な滝の名前よ。だから、そのグランザールって滝が目的地の可能性はあるかな。

本物のナイアガラは人間には絶対辿り着けない場所にあるから、そっちじゃないのは確か。」

異世界の滝だなんて説明出来ないし。



見るとウインゾフィーが両手でガッツポーズをしている。

「よぉっし。6年目で初めてだ!! これほどハッきりと目的地の情報を得られたのは!!」


「乾杯だよっ ウイン!!」

「そうだそうだ!! プニ神に!!」

「やったね」

「貴方がたの幸運に」

えらい盛り上がってるなぁ。ジルとリアラも場の雰囲気で一緒になって盛り上がってる。




いーなぁ。いや違う! いじけてやる。これも違うか。

むー。トゲエルフを置いてけ堀にするとヒドイよ?


「……それじゃ、神様に危険と言わしめた死霊都市を抜ける算段はついてるんでしょ??」

とたんに盛り下がる3人組。ふっふっふ、ザマをみ。


ウインが頭の後ろをかきながら、

「そっちは全然まだだ。さすがに俺達も3人じゃ無理だろうとは話しているんだけどね。

プニ神が危険だって言うからにはかなりヤバイ事はもう間違い無い。

俺としては、腕の立つ前衛がもう一人、死霊相手だから『鎮魂』が使える神官が一人、

さらに俺達3人組みに足りない支援魔法を使える魔法使いを一人、探したいんだけどね。

なかなか腕も立って、信義も置ける人物となると出逢えない……もん……だ……な?」




ん? んん?? すごく嫌な予感がする。




「なんだろう? あたしそんな3人に心当たりありそうな気がする」

アンタは黙ってな!! ダークエルフ。


「やっぱり気が合うね、レティ。私もそんな気がしてるんだ。」

気のせいだよジル。


「凄い偶然ですね。『退魔』も『解呪』も『聖光』も『霊斬付与』も使えたりしますよ。」

悪霊払いも、呪い返しも、神の御威光も、対死霊追加ダメージも今は忘れてちょうだい!!


「これが縁という物なんですねー」

そんな縁は要らないヨ!! スニージー。だから神様関係はイヤなんだぁぁぁぁぁぁああ


「コホン。どうだろう? 我々「冗談じゃないね。ダメダメダメ、ダークエルフとなんざ

一緒に行けるわけなんでしょうが!!」 レティを悪く言わないでくれ。そして、そこを

なんとかならない物だろうか?」


「ぜったい、ダ「ねぇ、ジル。これでお別れなんて寂しいよ。折角出逢えたのにさ。

あたしも、なんて言うかジルのこと妹みたいに思えて来ちゃってさ。リアラのことも、

同年代の女の子とこんなに長く話せたこと、これまでに無かったんだ。

だからさ、一緒に行こうよ、ぐすっ え~~ん」 おいコラ、嘘泣きすんなっ!!」


この腐れダークエルフめ、ミエミエの大根芝居しおってからに!! って、


「「そうだよね(ですよね)、これっきりなんて寂しいよ(ですわ)」」


ジルもリアラも騙されてるヨ!! しまったぁぁぁぁああああああ

貴族のお姫様と司祭様は詐欺に耐性が無かったのかぁぁぁぁああああああ


「それじゃ、これで決まりだねっ リアファリナはジルとリアラを護衛してるんだろ?

一緒に行くよねっっ!?」

ダークエルフの銀の瞳が光った気がした。




わたしは頭を抱える。どうしてトゲエルフたるこのわたしが、肌も腹も黒いエルフと一緒

せにゃならないのよーーーーっ




ジルとリアラの一人称が間違ってた事に気付いた。

〇:私

X:わたし

でも、小説って投稿した、その時その時のナマモノだから良いのであって、

これくらいで直しちゃうのは、ナンカ違うなあと思うため、あえてそのまま

にシトキマス。気付いた方は脳内変換よろしゅー

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