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トゲエルフの朝はときどき早い。
リアラが目を覚ました時には、既にファリナが起きていたので朝の挨拶をしてから尋ねた。
「おはようございます。どうしたの?ファリナ。朝からぐったりして。」
「ん~、今朝早くね、知人が尋ねて来て、叩き起こされたのよ~。」
「お知り合いの方ですか?」
リアラは思わず周りを見渡すが、該当する人物はここには居なかった。
こんな早朝から人を訪ねて来て直ぐに帰ったとすれば、ずいぶん忙しい客人だ。
「ふぁ~~~、まだ寝たりないぃ~。」
「知人って風竜ですか!?」
宿の朝御飯を食べながら、リアラとジルに今朝の顛末を語る。
「ん。以前、風の精霊界に行った時に契約した風の上位存在ね。」
「それって、もしかして、ファリナはドラゴンライダーってことですか!?」
話題に喰い付いて来たのはジルでした。瞳が輝いてます。
「ドラゴンライダー?」
わたしは風竜の『イチゴショート』を思い出す。
本竜が好きな名前で呼べと言うので、乳白色の身体、お腹はカスタードクリーム色で、
首から頭部にかけて赤い鬣を生やしていたから思い付きでそう付けた。
本竜は割りと気に入ってたみたいだった。
契約したとたん、寿命で死んでしまったので、今の姿は生前とは似ても似つかない。
竜の魂は不滅。死んでしまった今でも立派(?)に存在している。
今の姿からはイチゴショートの名前こそ笑い話だろう。
「あ~?そう言われれば、あんなのでもドラゴンライダーなのかしら、ね?」
竜を駆る人、竜に乗る人、一応間違っては居ないのかな?
どっちかと言うと、ドラゴンドライバーって感じだけど。
「すごい、すごい、まさかドラゴンライダーがこんな身近に存在していたなんて!!」
なんだろう?ジルの異様なこのノリは。
わたしはリアラに目を向けると、彼女は苦笑いを浮かべつつも説明してくれた。
「ジルが冒険者を目指すきっかけとなったのが、子供の頃に読んだ童話なんです。
その本は『竜に乗った魔法剣士』という題名で、内容は、まぁ題名通りなんですけどね。
で、その主人公に憧れて、今ここに至る。という訳なのです。」
「ははぁ。」
ジルに目を向けると、真っ赤に染まった顔でプイと横を向き。
「いいじゃないか。きっかけなんて何でも。」
「ええ、素敵なきっかけじゃない。」
わたしはジルへそう感想を述べる。
とたん、ジルはこっちを向き、
「ホントに?ホントにそう思う?馬鹿にしない?」
「ええ、馬鹿になんてしないわよ。わらっちゃうけど。」
そう言ってエルフ・スマイルをジルに贈るわたし。
そうして、ひとしきりジルを弄ってから宿屋を後にした。
ちなみに『イチゴショート』の真実はジルの夢を壊さない様、沈黙を守ることにしました。
そもそも自前で羽を持ってたヤツが、ピッチ角、ヨー、ロールと言った航空機の専門用語
を覚え、回避機動やら要撃角やらを学習しテールスライドが得意だとか、最近は高AOA
の動的減速機動法に凝ってるとかでプガチョフコブラを早朝から披露するようなヤツに夢
を持ったらイカンと思うのはわたしだけだろうか?
なんで死んで頭蓋骨だけになったヤツがあんなに元気なんだ。。。。
精霊使いとして上に行くほど、奇妙な上級精霊達との付き合いが広まり、時々今朝の様に
こっちの都合お構いなしに押し掛けられ迷惑極まりないのが、精霊術の欠点かも知れない。
朝っぱらから浅角スピンと急角スピンの違いなんてどうでもイイではないか!!
移動日二日目、今日もひたすらテクテク歩きます。
今日の話題はジルが持つ剣が主役だ。
「剣に秘められた魔力の効果については?」
ジルが当然のことながら、自分の魔剣に籠められた力を聞くので、判った所を伝える。
「一つには、極限まで軽く作られた素材から繰り出される神速の斬戟ね。
二つには、素材の軽さを補うための衝撃力による直接ダメージの追加効果。
三つ目に、魔剣の素材となった生物が固有で持つ、強化毒による継続ダメージの追加効果。
四つ目に、魔剣の素材となった生物の種族が持つ、特殊な補助魔法効果。
五つ目に、魔法陣として蓄えられた戦略級魔術による、夢幻界を召喚しての敵殲滅ね。」
「ずいぶん多いんだね、特殊な補助魔法効果って?」
「攻撃速度上昇効果よ。わたしが使っている同じ効果の魔術式と同時に2つの効果を発揮
することが可能ね。あくまで理論上は、だけど。」
わたしが使っている攻撃速度上昇効果は、精神の精霊である、悪戯精霊の力を借りて極度
の緊張状態を作り出し、その結果、いわゆる『走馬灯効果』によって脳神経の反応速度を
上昇させて作り出している。身体も無理やりその反応速度で動ける様にしてるのがミソ。
最大限の『ヘイスト効果』で掛ければ反射速度は18倍と言ったところだ。
実時間にして10秒間程度。体感時間にして3分間のウルトラマンとなれる。
もっとも、翌日死ぬほど筋肉痛になるのは請け合いなので、ヘイストを最大効果で自分に
掛けたいとは露ほども思わない。
ましてやヘイスト状態での駆け足なんて論外だ。
『体力セット』や『パーティーセット』の攻撃速度上昇効果は、魔力コストの都合も在る
けれど、1.5倍程度である。経験上これくらいなら身体に無理が来ない。
ついでに何度か話に出てきている『加速』との違いであるが、こちらは怒りの精霊の力を
借りて発揮する『火事場の馬鹿力効果』で脚力を上げている物なので、速度上昇と言葉の
上では一見同じ様でも効果は全く異なっている。
そしてジルの魔剣のヘイスト効果だが、こちらは夢幻界の生物を素材として使っており、
サソリの尻尾を経由して使い手と一心同体となることで、使い手も夢幻界の生物であると
この人間界の物理法則を騙し、物理を越えた力を発揮させる事で効果を得ている。
一体化を深化させればさせるほど物理法則を無視出来る様になるみたいだが、一定レベル
を越えて深化させようとするとセーフティが働く様になってるので、ヘイスト効果以外の
補助効果については全くの未知数だ。
ネヴィアシータとしても、夢幻界の生物に深入りするのは精神的に宜しく無い、と考えて
いたのだろう。わたしもそう思う。いくら"逆流"を防止しているとは言え、魔獣と一体化
したいと考える人間がどれだけ居るのだろうか?
「夢幻界の召喚、って具体的には何がどうなるの?」
「おそらくは物理法則が異なる世界を、この世界に重ね合わせることで魔剣の使い手だけ
が得をする何かがあるんだろう。くらいにしか判ってないの。
魔剣の素材となった生物の特性を利用しているから、魔術式として解読出来る様な物でも
無かったし。使ってみるまで正確な所は解らないわね。
判っているのは、夢幻界が召喚されると、夢幻界の魔獣達まで一緒に召喚される事になる
から、同じ夢幻界の魔獣である魔剣とその使い手以外はそれらの魔獣達によって皆殺しに
されるだろう、ってことね。」
「それって味方も殺しちゃうってこと?」
「うん。使い所を選ぶ魔術よね。」
「それじゃぁ、使い様が無いな。」
「ファリナ、魔剣を使いこなすための鍵が何なのかは判りましたか?」
魔剣の使い方、効果に興味があるジルとは対照的に、リアラは魔剣の使い手が受ける脅威
を減らす方が切実らしい。
「うん、それは最初から判ってるよ。魔剣の柄に嵌め込まれている宝玉が持ち手を選んで
居るのね。対応策として考えているのは、宝玉を丸ごと取り替えてしまおうかと。」
宝玉が何を持って持ち手を選んで居るのか詳しい説明は避けた。
ジルにチューニングを合わせてしまえばお家騒動の証拠の一つを隠滅出来るし、一石二鳥
よね。
そうして、わたしとリアラとジルの3人は魔剣のあれこれや、わたしの補助魔法効果やら
お互いの得意とする所、希望する戦い方や連携についてを確認取りながら、次の宿場町へ
向かって歩いた。
言うまでも無いけど、女性3人旅だから『風の護り』と『探知』は常時展開している。
街道には時折商人のキャラバンも通るけれど、油断は禁物よね。
次の宿場町は海沿いの小さな港町。
町に入ってすぐの広場で騒ぎが起きていた。大勢で囲んで独りを甚振っているようである。
わたしは関わり合いたく無いので、気付かないフリして通り抜けようとしたのだが、
しかし、夢を追い駆けて冒険者にまでなったお方は別だったようだ。
「待ちなさい。たった独りを大勢で殴る蹴るの乱暴。恥ずかしいと思わないのですか!?」
そんな恥ずかしいセリフを堂々と述べたのは他でもないジルだった。
「よそもんは口を出さねーでくれ。これはこの町の問題だ。」
片目が大きな傷で潰れている中年の親父が、強面の顔でそう睨み付けて来る。
あらら、これはちょっと困った事になったかな?わたしはそう思った。
"町の掟"なる物をジルに説いて納得するくらいなら最初から口を出さないだろう。
かと言って、掟に従って行動しているなら理は町人にある。事の経緯も知らないよそ者の
言う事など、彼等が聞き入れてくれるとは思えない。
だがしかし、それはただの杞憂で終った。
ジルの一言で注意がこちらに向いた時、囲まれてた人の合間から倒れている人物が見えた
からだ。少年だった。
最初その少年を見た時、あれ?どこかで見たな、と感じた。
大勢の荒くれ者に囲まれた少年。。。。あ、思い出した。
『雷球』
わたしが起動した魔術式によって生み出された雷の球体が、わたしの手の平の上、2m程
の上空に留まる。
周りでは突然の物騒な魔術に驚いたようだ。少年を囲む荒くれ者、野次馬の商人や町人達
が一斉に息を呑んだ。
「あっ、お、おまえはっ。」
片目親父がわたしを見て気付いたようだ。
「思い出してくれて嬉しいわ。出来れば平和的に行きたいし。
じゃないと、この町に取って良くない話をぶっちゃけちゃおうかな~?」
「うぐぐっ。」
片目親父こと、海賊親父が大手を振って自分は町の者だと言うなら、この港町こそが海賊
の拠点ということなのだろう。地元では善人で通し、一歩町の外に出れば海賊となる。
商人が大勢集まる中で暴露されたくは無いだろう。
「く、くそがっ、おいっ、行くぞ!」
そう言って去ろうとする海賊親父とその仲間達。異論が出なかった所を見ると他にも何人
かはあの時にわたしの攻撃魔法で脅しを受けた海賊メンバーが居たらしい。
去ろうとする海賊親父達へ手を伸ばし、何かを言おうとする少年。
だが痛めつけられたせいで声が満足に出ないらしい。
あら~?これはもしかして。。。
「待て。男の子の物は返してから行きなさい。」
おっとぉ、わたしが言う前にジルから切り出しました。
やば!ヒロインの座が奪われるっ!!わたしもナンカ言わなくちゃっ。
「へっ、そいつの物なんざ持ってねーや。元々この村のモンを取り返したまでよ。」
「あっそう。海の男の屁理屈なんて聞きたくないわ。出るトコ出ても良いのよ?」
あれ?わたしのセリフはなんでだか悪人っぽい?ヒロインっぽくない?
「海の男?漁師なのか?」周りの野次馬からひそひそと聞こえて来ます。
海賊親父の顔は真っ赤になったと思ったら青くなったり忙しい。
結局背に腹は代えられないと気付いたようだ。「ちっ。放してやんな。」
「ルーちゃん。」
そう言って男達の影から飛び出して来たのは女の子でした。少年と同じくらいの歳だ。
海賊親父達は面白くなさそうに唾を吐き捨て、この場を去っていきました。
ジルは親父達には構わずリアラに声を掛ける「癒してあげて。」
「ミラー神よ、あなたの従僕の願いをお聞き届けください。
傷付き弱った者を癒してくださいますよう。『ヒール』」
さすがにその若さで司祭となったリアラの治癒力は目を見張る物がありました。
あっという間に男の子の傷は塞がったようです。
精霊力を見ても、鼻血が出るくらい元気を取り戻したのが判りました。
男の子の名前はルクレシオ、13歳。
女の子の名前はアーマリア、同じく13歳。
共にこの町の出だそうだが、ルクレシオがこの町を出て行くにあたって二人で駆け落ちを
する所を捕まってしまったらしい。
この世界では、町はひとつのコミュニティを形作っており、自由気まま勝手に出て行って
良い物では無い。駆け落ちで女性を連れ出そうとすれば私刑を喰らっても文句は言えない。
13歳での駆け落ちは別に不思議では無い。女の子で初潮を迎えれば次は結婚を考えるの
がこの世界での慣わしだ。
そういう意味では、16歳のジル。21歳のわたし。24歳のリアラ。
行き遅れに片足突っ込んでいるのは間違いない。
もっともエルフは、ヒトとして精神も成熟した200歳前後が適齢期なんだけどねっ。
とはいえ、これだけの騒ぎを起こしたのだ、もはやこの町には留まれないだろう。
それで無くとも、町の秘密を知るわたしが悠々と町中に留まれば必ず邪な企みを起こす者
が必ず現われるに違いない。
わたし達5人は早々と町を出て野宿する事にした。
なんでも良いけど少年!、さっきから礼にしろ何にしろジルにばっかり言うけどさ、
アンタに陶冶を与えたこのわたしは無視かいっ!!
野宿となって気付いたこと。
女の子3人のパーティーなのに、料理出来るのがわたしだけ。
いや、ジルには最初から期待してなかったさ~。
でもまさかリアラは出来るモンだとばかり思ってたヨ!!
神官って庶民への施しで料理の修業をするモンなんじゃないの!?
そう言うと、「不器用でごめんなさい。」と返って来た。
くっ可愛いじゃないですか。その顔で周り中の皆が甘やかしたに違いないっ。
当然ながら洗濯当番もこのわたし。しくしく。。。。
そうして働くわたしの隣で、男の子の事情を聞き取るジルはどんどん好感度を上げている。
なんだろう?この差は。これが世の中の厳しさなのだろうか。
真夜中。
「ヒュン」
そんな音が鳴り、離れた所に「カチン」と数回音がする。
弓矢で攻撃された際に、わたしの『風の護り』で矢がはじかれ、離れた場所へ落ちた音だ。
少年と少女は寝ているが、わたしの地霊操りでその上に球状の壁を創って保護している。
町の人間との戦いになるので、音も届かないようにしてある。
ジルとリアラには『探知』に引っかかったおそらく海賊達、11名を知らせてあったので、
寝ずに向こうの出方を待っていたのだ。
予想通り真夜中に襲ってきた。
わたしとしてはこの戦いは願ったりだった。なぜならジルの覚悟が知りたかったからだ。
ジルの戦闘力は一対一ならそこらの海賊など相手にならない。
わたしの補助魔法があれば数人同時に相手取っても平気に違いない。
だが、『人を斬る』『殺し合い』の覚悟を、若干16歳の女の子が持ち得ているだろうか。
この戦いでジルの覚悟が見れるに違いない。
わたしは普段ならこういう場面で使う『闇牙』をあえて使わず、手持ちでもっとも残酷な
殺傷力を持つ水系魔術式『破裂』を準備した。
人体の65%は水で出来ている。この『破裂』を受ければ水で膨らんだ風船が破裂するか
のごとく、とっても悲惨な光景が見られるだろう。
その光景でジルが戦意を失うならそれで結構。人殺しになる前にお嬢様は家にお帰り願う
のが良いに決まってる。
風霊が離れた場所に居る敵の言葉を伝えて来る。
「ちくしょう、矢が通じねー。あのエルフ女の仕業だ。オメーら、相手は女ばっか3人だ。
ルクレシオの小僧は昼間あれだけ痛めつけたし、マリアは戦力外だ。
こっちは10人以上居るんだ。舐められんじゃねーぞ。」
どうやら片目親父では無いようだ。知らない声だった。
どうせ弓矢は通じないし、焦れて姿を見せた時がアイツらの最後よ。
わたしがそう思って悠然と構えてた時だった。視界の端を何かが突っ込んでくのが見えた。
「え?」
「ジル!?ちょっ」
ジルはリアラの制止を無視して突っ込んで行く。
ええええ~~~!? 多勢を相手にする場合は接近する前に魔法を撃ち込むのがセオリー
だし、そう打ち合わせして念押ししておいたハズ。
「もう、どうしてそうなるかなー?」
わたしとリアラもそれぞれ武器を構えてジルの後を追い駆ける。
支援魔法を全て掛けてあるジルの足は速く、敵の中にあっという間に突っ込み、片端から
次々と切り伏せて行く。
夜の暗闇の中、魔法と魔法具の加護があるジルの動きは海賊達には追い切れなかったよう
で、何が起きているのか知る前にさらに数人が切り倒された。
「ちくしょうー、何なんだ?クソっ ぐがっ。」
最後尾で指示を出していた男は最後まで言うことが出来なかった。
ジルが右手で投げナイフを男の喉に投げつけ倒してしまったからだ。思わず目を見張る。
明らかに男が指揮を取っていることを知り、ナイフを投げたのだ。
以外と冷静じゃん。
『闇牙』
魔法の影響範囲まで近づき、残りの全員を倒した。
戦いが終り、リアラは生き残りが居ないかを探したようだが直ぐに終えた。
ハーフエルフのリアラにも精霊力が見えるのだろう。死者を弔う神への祈りが響いた。
そして、野宿の場所を移動するため、ジルとリアラはキャンプ場所へ戻っていく。
わたしは11人の遺体を見渡し、全員見覚えが全く無い事に気付く。
だからだろうか。魔導師への攻撃にしてはお粗末過ぎた。以前わたしの攻撃魔術を受けた
人間ならもう少し慎重であってしかるべきだ。
単なるよそ者の口出しに腹を立て、その勢いでここまで来たのならコイツらに取って軽率
な判断こそ命取りになったのだ。
わたしは、このまま遺体を放置して町の遺族へと引き渡すべきかと少し悩んだが、やはり
大地へ還す事にした。
遺体が在れば遺族は満足するだろうが、復讐心も燃やすに違いない。
遺体が無ければもしかしたら生きているかも?と、在りもしない幻想の為に復讐心も半減
するだろう。保身もあるが遺族の為でもある。襲われれば返り討ちにするしかないから。
死者を弔う歌を詠い、11人の遺体を大地の奥深くへ還した。
先ほどまで野宿していた場所へ戻ると、リアラがジルに説教していた。
わたしはジルの連携違反を咎めるのは明日にすることにして、気付かず寝ている少年少女
を地霊に頼んで次の野宿場所まで運んで貰った。
ジルの覚悟は見れたし、そもそも遠距離魔法を手控えて味方をあえて危険に晒したのは、
わたしも同罪だしね。てへ。