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『呪われし勝利の魔剣』
ジェラルディが持つ魔剣はそんな風に呼ばれてリーベフェルマ家に伝わって来たという。
「私は怖いのです、あの魔剣は人の魂を喰らって力を発揮すると言われています。
私も一度だけ見たことがあります。ジルがまだ赤ん坊だった頃です、ジルを亡き者にしよう
とする賊が、リーベフェルマ家へ押し入った事がありました。
あの時は、ディアーヌ様があの魔剣の力を使って私達を助けてくれたのですが、
あの時の恐ろしさは今でも忘れられません。魔剣から何か触手の様な物が飛び出して、
ディアーヌ様の腕に絡み付き、ドクンドクンって何かを吸い出すのを確かに見たのです。
ディアーヌ様は賊を追い払いましたが、直後に体調不良を訴えられ、翌朝お亡くなりに
なられました。
その時、リーベフェルマ家に代々伝わるこの武具の継承者は皆短命だったと聞きました。」
「そのこと、ジルは知ってるの?」
「はい、ジルもこの事は承知の上で、でも、魔剣の力を解放しなければ大丈夫だと言って
聞かないのです。ファリナは鎧の魔神と話が出来るのでしょう?
魔剣と対となって伝わって来たあの鎧、取り憑いている魔神もまた有名なのです。
これまで誰もあの魔神と会話が出来た者はおりませんでした。
名だたる精霊使いをわざわざ呼び寄せて試したりもしたそうですが、反応無かったと聞い
ています。でも、ファリナが会話出来るなら、魔剣の呪いに掛からないようにする方法を
聞きだす事が出来るのではありませんか?」
「あー、言いたい事は判ったけど、アイツとの交渉にわたしが間に入ったら、まとまる話
もこじれそうな気がするなぁ。。。。さっきも言ったけど敵対関係なのよー。
でも、それなら、鎧と魔剣を検分すれば何か判る気もするかなぁ。」
「なるほど、そういう事であれば遠慮無く見て欲しい。」
「「 えっ? 」」
いつの間にか、ジルは寝台から少し身を起こしていました。
途中から目を覚ましてわたしとリアラの話を聞いていたようです。
「ジル、起きてたの?」
「いまさっきね。私も魔剣に取り殺されたい訳じゃない。呪いを受けないで済むならそれ
に越した事はないしね。」
リアラとジルの話を横に、わたしはと言うと、
「それじゃ、呪いの識別させてもらうわね。」
魔剣と鎧の傍に立ち、そう宣言した。
「はや。。」ジルの言葉を聞き流し。。。。
本命を後に残して、先に鎧を手に取り、検分を始める。
触れただけでイケメン魔神が何か言ってくるかと思ったけれど、特に横槍もなく。。。
重いだろうと予想して力を入れて持ち上げて見ると、
「なにこれ、軽っ!!」 まるで発泡スチロールを持ち上げた感じのように軽かった。
「元々、その鎧を贈られた人物は女性だったんです。その女性がアイゼンワード帝国の
外征で功績を立て、我がリーベフェルマ家を興したと聞いてます。
贈り主はその女性の母上で、魔術師だったと聞いてます。
だからなんです、呪われた武具だって言われてますけどそんな危険な物を娘に贈るハズ
が無い。それにこれはその鎧を着用した者しか解らないと思いますが、その鎧を包まれ
ているととても安心出来るんです。戦いの場で自分が傷つくことなどないって。
贈り主がどんなに娘を愛していたか、私は疑っていません。」
魔力反発を考慮して、まずは『術式解析』無しで鑑定眼による検分をしながらジルの話を
聞くわたし。
「ただ、その武具に何かあるのも間違いはありません。というのも、最初の持ち主だった
リーベフェルマの初代当主だったその女性の、肖像画が我が家に飾ってありますが、
その武具も一緒に描かれています。そこに描かれている鎧はブレストアーマーでした。
今の様に完全に肌を露出しないスーツアーマーではなかったのです。
剣も腰に吊られた形でもっと小さく、ブロードソードとして描かれています。」
「つまり、昔に比べて鎧も剣も増殖しているわけね。
素敵ねぇ、成長する魔法武具なんて。」
わたしは鎧をコブシで殴りながらそう言った。
『ぽこっぽこっ』と鎧の反響音が聞こえて来る。
「どうやらこの鎧は、おそらくそっちの剣も、元は生物のようね。
いえ、今も生物なのかも。魔法生物ってヤツね。外骨格を持つカーナをイメージして貰う
と判りやすいかな。」
カーナとはこっちの世界で言うところの蟹です。身が美味しいのは一緒。
精霊使いの目で見ても、鎧と剣から精霊力は感じません。
なので、普通に生物とは言えないでしょうけれど。
「どうやらこの鎧と剣はカーナの外骨格の様に、魔術で極限まで固く強化された生物が元
になっているようね。緑や青に近い七色は昆虫なんかのキチン質を彷彿させるわね。
トンボの羽って言うの? あ、トンボって言っても知らないか。」
「トンボ・・・というか、ファリナが言ってる事が半分も理解出来ないけど、
すると、私はカーナの殻をかぶっているわけなのですか。」
思わず蟹の着ぐるみを着たジルを思い浮かべた。
身長175cmの美少女、顔の周りには蟹の足が小さく髪の毛の様に出て、
手は大きなハサミで、『ふぉっふぉっふぉっふぉっ』と笑い。。。
「やだーーーーっ(笑」
ツボ、ツボに入った。
「あははははははは。」く、くるしい。。。。。
「この鎧や大剣が元は生物だったなんて、魔術ってこんな事まで出来るんですね。
でも、いまのファリナの話で私は確信しましたよ。
この武具を創ったネヴィアシータ様は、そこまでの手間隙を掛けてまで愛娘を助けようと
したのだってね。だってここまでの物を創り出せる魔術師ならば、単に呪い殺すだけなら
もっと簡単な魔法が在ったハズだもの。」
「そうね、呪い殺すなんて簡単だし、ここまでの武具を創るの、は大変。。。って、え?
いま何て言った?」
「??・・・単に呪い殺すだけならもっと簡単な魔法が在っただろうって?」
「いえ、その前。誰が創ったって?」
「この武具を創ったのはネヴィアシータ様と言う女性魔術師で、我が家の御先祖様です。」
「ネヴィアシータ!! マジで?」
うわー、うわー、ここに来てネヴィアシータ関係者と魔道具に逢えるとは。
抱いてる七色の鎧を見ながら、しばし感動。
「むむむむむ、キタキタキタ、気合入ってキターーーー。
ごめんっ、ちょっとマジで解析するから、会話途切れるよ。」
『デバックモード、術式解析』。
わたしは『術式解析』を一気に全部を起動するのではなく、起動シーケンスをバラバラで
一つずつ確認しながら起動するようなモードで詠唱し発動させた。
解析されるくらいならトラップを発動させて、もろともに。。。。なんて可能性もある。
一つ一つ順を追って確認しながら、怪しい点を見つけて必要があれば『術式解析』を起動
途中でキャンセル出来るようにするためだ。
『魔術解析を阻害するトラップが存在した際のセーフティーとして術者保護膜の生成。』
OK。
『対象となる物を確認・術式の対象物として目標を固定する。』
OK。
『対象物へ魔術式を掛け反発力が発生しない様、目標物の対反応速度を極限まで低下。』
OK。
『対象物へ解析魔術式を展開する。』
OK。
普段は目にすることの無い輝く魔法陣が鎧の周りに突然発生し、驚くジルとリアラ。
デバックモードでは、可能な限り可視状態にするので、普段は不可視とする魔法陣も目に
する事が出来るのだ。
『解析魔術式と目標物の魔術式の融和性検証開始。』
OK。
『融和性検証終了。目標物に解析トラップおよび検証阻害ウィルスは存在せず。』
OK。
『目標物の魔術式を可視化。可視化術式の起動。可視化出来ず。』
『エラー処理起動。目標の魔術式の可視化を再実行。可視化術式を吸収する魔術式を検知。』
『術式解析エラー終了。戻り値『可視化術式を吸収する魔術式を検知』。』
さすがにそう簡単に解析させてはくれないようです。それならそれでっ、
わたしはポシェットから予備の宝珠を取り出して右手に握りながら、
左手を胸鎧の中央にはまっている宝珠に置き、
『簡易儀式』魔術式を起動する。
『風の宝玉』『水の宝玉』『闇の宝玉』『光の宝玉』『火の宝玉』『土の宝玉』そして、
胸から『創造の宝玉』が飛び出し、わたしを中心として空中で輪となって回転する。
鎧と剣の七色とも異なる輝きが部屋を照らす幻想的な光景にジルとリアラがさらに驚く。
目標物の魔術式を含めたこの空間に存在する全魔術式を丸ごと予備宝珠へとコピーする。
鎧の妨害術式を含めた全魔術式は見えないだけでここに存在しているのだ。
空間ごと転写してしまえば、例え隠蔽されてようと関係無い。
後はコピーした宝珠の中にある『ネヴィアシータの魔術式だけ』を解析すれば良い。
そして宝珠の中はわたしの創造空間である。
例えて言うなら、白背景で白文字なら見えなくとも、背景を黒くしてしまえば見えるよう
な物だ。わたしの支配空間の中では隠蔽魔術式は意味が無い。
見えない魔術式が"色抜き文字"の様に浮き上がって来るのが見て取れた。
同じようにコピーされた大剣の魔術式も見える形にする。
そうして、鎧と大剣の魔術式を診ながら、わたしはリアラとジルに声を掛ける。
「主となる魔術式部分まではまだ解析終らないけど、というより、数日掛かりそうだから
先に、最初のリアラから言われた呪いの部分から言うね。」
リアラとジルは姿勢を正して耳を傾けて来る。
「この鎧と大剣はやはり予想通り魔法生物だったわ。そして今も立派に"生きて居る"。
力を解き放つには装着者の血肉が必要なのね。」
そう言うと、リアラは「ひっ」と言って顔が引き攣った。
ジルも少しビビッタようだ。
「鎧と剣は一組で、吸い上げた血肉を元に攻撃用"魔法陣"として鎧と剣に蓄えられるの。
元がブレストプレートとブロードソードだった物が、いつ頃からかは解らないけど、
攻撃用"魔法陣"が使われずに蓄える一方になったみたいね。
そのため、鎧と剣はオデブちゃんになっちゃった。と。」
「「 ええっ!? 」」
「って事は何?、攻撃魔法だかを使えば元の小さめの鎧と剣に戻るわけ??」
「そうなるわね。そして問題は、オデブちゃんとなった鎧と剣は、体を維持するために
必要以上の血肉を得る必要があったみたいよ。そのために最近の継承者は力を解放すると
鎧と剣に生命維持不可能なほど吸われてしまったようね。
力を解放しない限り、魔法生物は寝てるようなものだから血肉を吸われる事もなく、唯の
武具として使えるわ。
ねぇ?ジルはこの武具を継承するにあたって、魔法陣を行使するためのキーワードを教え
てもらった?」
「いえ、そんな話は聞いたことも無いです。」
「変ねぇ。そんな重要なことが伝わらないなんて。というか鎧と剣にもそんな重要な事は
注意事項として書いてあっても良い様な物なのに。。。あっっ!!」
「「 なっなに!? 」」
わたしは精霊語に切り替えて鎧に話し掛けた。
『こら!アンタ。アンタなんじゃないの!?鎧の継承者へ注意を与える役目は。』
反応は無かった。なのでさらに言う、
『精神の精霊も堕ちた物よね、契約も守れないなんてさー?精神論とか無縁なのね?』
わたしが見たところ、ヤツは精神の精霊のくせに、精神面が打たれ弱い。
顔マッカにして反論してくるタイプだ。
『ふんっ俺がネヴィアシータと契約した内容は、ネヴィアシータの子孫に使い方を教えて
やる事。鎧に加護を与える事の二つだけだ。それ以外は知らないな。』
一瞬だけイケメン魔神の気配が現われて、そう返事が来るとまた気配が消えました。
待ってもそれ以上何も返答は無かった。今の返事が全ての回答なのだろう。
あー、って事はもしかして。。。。
リアラの顔を見ると、さすがにハーフエルフだけあって今のイケメン魔神の精霊語による
返事の内容が判ったようです。一方、ジルはなんだか解らない様子。
『ねー?リアラ?リーベフェルマ家の血脈って途絶えたとかで、今の家系は養子の家系が
継いでいるとか、そういう話は聞いた事ある?』
わたしは何も知らないジルに伝えるべきかは先送りするために精霊語でリアラに話掛ける。
リアラも魔神の返事からリーベフェルマ家の過去のスキャンダルが理解出来たのだろう、
精霊語で合わせてくれた、
『いえ、少なくとも私は聞いた事が在りません。』
『と言うことは、リーベフェルマ家の歴代奥方の誰かが浮気して、血脈がそこで途絶えた
ってことかな?そしてそうと知らずに継承され続けていると。』
『血脈が途絶えたという事は無いかと思います、リーベフェルマ家を興した初代当主は
子沢山だったとかで分家が多いですから。でも、そうなると、』
『お家騒動の元だわね。』
先日のダークエルフがお家騒動に絡むとなったら、この件が公になると、相手の決定的打
となるに違いない。キーワードが在る事を証明すれば良いのだから分家の娘に着せるだけ
で済む、立派な検察側の証拠物件足り得る。
『ま、わたしには関係無い話だし忘れる事にするわね。
この武具に良い印象を持ってるジルがこの事実を知る必要も無いでしょう。
お家騒動の元になるならば、知る人間は少ない方が良いし。
ただ、この武具が奪われたりしない様には注意しないとね。』
『ありがとうございます。ファリナ。私も黙っている事にします。』
そうして、わたしとリアラが対応を簡単に協議している間、ジルはじっとわたし達の話に
割り込みもせず、じっと待ってたようだ。
「それで?何か判ったんですか?」とジルが切り出す。
「武具の継承者が精霊使いの素質を持っている事が重要だったみたいね。
リーベフェルマ家の人間は長い歴史のどこかで精霊使いの資質を喪ったようね。
そのため、武具の使い方を教えてくれる精霊の声が届かなくなっちゃったみたい。」
事実をボカしつつ、織り交ぜながら伝える。
「それなら、この武具の継承者は本当ならリアラが相応しかったの?」
「一概にそうとは言えないわね。あくまで使い方が伝わらなかっただけで、今後はジルが
しっかり伝えて行けば済むことだし。
ただし、魔法陣として蓄えた力はキーワードで発動するみたいだけど、血肉を吸って魔剣
の力を行使するだけなら心の中で願うだけみたい。鎧には精神の精霊が棲んででて、それ
が心の願いを聞いて、魔剣と鎧に込められた魔力を発動させる仕組みとなってるわ。
対応策は考えて見るけど、さすがに今日の今日では無理よ。
だから対応策が見つかるまで、魔剣の魔力に頼らず戦ってね。それなら安全だから。
極力実戦は避けるのが正解かな。こっちでも気をつけるわね。」
「なるほど、判った。使い方を調べてくれてありがとう、ファリナ。」
「私からもお礼を言わせて下さい。ありがとうファリナ。そして重ねてお願いになって
しまうけど、出来るだけ早く対応策を見つけて下さい。」
「はいはーい。あ、それで話の流れで判ってもらえただろうけど、何も知らない人間が
この武具を使うと危険だから、紛失したり盗まれたりしないように注意が必要よ。」
「判ったよ。」
「それじゃ今日はここまでね、最後にバタバタしたけど、おやすみなさい。良い夢を。」
そう言って鎧と剣を元の場所に戻してから、自分の寝台の上に横たわった。
ふーーっ。
リアラやジルにショックを与えないために、蟹に例えたが、わたしの予想ではこの武具の
元になった生物はもっと凶悪だ。
夢幻界に棲むサソリの形をした魔獣。メアログラプトゥスというヤツだと思う。
イケメン魔神とは夢幻界繋がりだったのかと腑に落ちた。
ディアーヌ様とやらに突き刺した触手の様な物がサソリの尻尾というわけだ。
そして、ネヴィアシータの血脈から外れて居た場合には、尻尾から血肉を吸われると同時
に神経毒を流し込まれる仕掛けが在る事も判った。
この神経毒が短命の原因なのだ。これもジルとリアラには言えなかった。
わざわざ不安がらせることを言っても、それで誰かが幸せになるわけじゃない。
それに今の魔剣では、神経毒よりも直接吸われる血肉量の方が致命的になるだろう。
ネヴィアシータが自分の血脈にだけ使用法を伝えるようにしたのは、おそらくは意図的に
そうしたのだと思う。解析して判ったが、この武具は例を見ないほど強力だ。
やはりネヴィアシータの発想力には驚かされる。
極限まで軽くした剣により剣速を高め、高い運動エネルギーによる斬撃パワーと、魔力で
発生する衝撃波による物理衝撃ダメージ効果。
この剣は、物理的に重い剣を魔法で軽く感じさせる発想とは、真逆の発想で創られている。
さらに斬られた際に魔獣が持つ強化毒による追加ダメージ効果も在る。
オデブちゃんなどと可愛らしい表現と裏腹に、物質となるほど凝縮され増殖された魔法陣
がひとたび発動すれば、剣の保有者を中心に広範囲に夢幻界を召喚、物質界に重ねるのだ。
物理法則がまるで異なる夢幻界では人間は何も出来ない、剣を振るうことも、攻撃魔法を
発動することも。そうして夢幻界の魔獣達に一方的に虐殺される事になる。
その効果範囲は、魔法陣が大きく育てば育つほど、比例して広がる様になっているが、
術者が意図的に範囲を狭めることも可能なのだろう。魔剣が育ちすぎるのを防止するため
にはどこかで適度に発散させてやらなければならないからだ。
仕様から見て、これは攻撃魔術の類では無いだろう。
おそらく、だが、愛娘が戦場で敵に囲まれた際に、そこから愛娘が死地を切り抜けられる
よう、緊急脱出法として使われる事を考慮した作りではないか。
夢幻界の魔獣は見境が無い。発動させる際に周りに味方が居てもらっては困る。
攻撃魔術なら、敵のど真ん中まで愛娘独りで辿り着いて発動しなければ使い様が無い魔術
など、娘ラブの母親からすれば論外ではないか。
また、使用者を限定し、万が一、誰かに奪われる事があったならその誰かを破滅に導く。
強力な魔法を付与した武具のセキュリティーとしては当然と言える措置だろう。と思う。
とはいえ、ジルも言って居たが、もしかしたらネヴィアシータは神経毒すらただの警告と
して用意したに過ぎないのかも知れない。殺すつもりなら即死する毒を選ぶだろう。
殺すつもりなどなく、じわじわと弱るうちに魔剣に恐怖感を覚えて手放す事を期待したの
かも知れない。
魔剣が血肉を吸う事への対応策は一応幾つか思う物は在る。明日が待ち遠しい。
明日も移動日だ。移動しながらの対応策の立案となるだろう。
そして英気を養うためにも今日はさっさと寝るに限る。
ゴブリン退治は三日後、あと二日の移動を終えて次の日に予定していたけど、対応策を
考えた後じゃないと危険だわね。最悪伸ばすしかないか。
つらつらと考えつつ、やがて意識はブラックアウト・・・・・