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ここは首都『グレート・アイゼン』です。

厨っぽい名前だな、とか思ってないデスヨ。




結局、魔法研究室を訪ねたのは、あれから三日後でした。

二日続けて水霊に説教受けてる時、こうピカーーーッとプヨのアンチ魔法無効化の方法を

思いついてしまったのです。

つくづくわたしって暗黒面の使い手だなー、って思う。

例えば悔しい時、例えば説教受けてる時、そんな時ほど名案が浮かぶのよっ

鬱屈した思いをバネにしてるのよねっ

そうなるともう居ても立っても居られません!


思いついてから出来上がるまでたったの一日。ゼロから構築してのこれは新記録ですっ

おかげで昨日は、プヨ来ないかなぁ?と無意味に屋根の上とか、その辺をグルグル飛んで

みたりとか。待ってる時って来ないものよねっ どうでも良い時は来るくせに。

自分でもバカだと思うけど、誰かに自慢したいって込み上げて来て他が手につかない。

この気持ち解ってもらえるかしら!?




プヨが来るまで待ち切れないから、ちょっとだけネタバレよ、ナイショだからねっ。

魔力もある種のエネルギーだから、波で出来ているの。

声紋や脳波と同じく十人十色なその波形。

プヨは魔力波の波長を、瞬時におそらくは体表の触覚的に感知して、位相を180度逆転

させた波を作り、それをぶつけ魔力の波を相殺しているのだ。だから魔力を無効化できる。

理屈としてはわたしの『簡易儀式』の魔力増幅の正反対だ。

魔力増幅は魔力波の振幅を増幅しエネルギーを高めてる。

魔力無効化は魔力波の振幅を減衰しエネルギーを抑えているのだ。


特定の相手の魔力波だけ無効化すればすなわち特定の相手のみ魔力無効化し、自分は魔法

を使い放題となるし、

自分の回りの魔力波を無差別に無効化すれば、全方位で有効な一定範囲内の魔力無効化も

出来るのだろう。

実際には波の振幅を完全にゼロに押さえ込む必要は無く、魔術を発動出来うるエネルギー

レベルより一瞬でも下まで振幅を乱してしまえば、魔術は魔術として成り立たなくなる。


そうなると、『魔力無効化』を無効にするのを、魔術式でもって為すのは非常に困難。

プヨの無効体質を無力化するための、肝心の魔術式の魔力すら無効にされてしまうからだ。


魔力無効化を外部から強制キャンセルするには、プヨの魔力波を感知する体のメカニズム

をダマしてしまえば良い。それだけでプヨは位相逆転を出来なくなる。

問題はどうやって無効にされない魔術式を創り、プヨの体表感覚に影響を与えるか、だが。


そこは魔導師にして精霊使いたるこのトゲエルフ。

魔術式に頼らなくても、わたしには心強い精霊が居るのだー。


後は、実際に使う場面までのお楽しみよ。







さて、話は戻り、ここは首都『グレート・アイゼン』

厨っぽいな、あ、それはもう言ったっけ。


港町アイゼリアから真東に歩いて2時間ほど、約10Kmほど内陸部に入った場所に在る

都市がこのアイゼンワード帝国の首都である。

どうしてそんな所に居るかというと、魔法研究室とは通称で、その正式名は、

『帝国立真魔法追求ならびに保存と継承を目的とした深遠を探求する者達の研究室』

なんでも、3人の大魔導師達をして命名する際に意見をまとめ切れず、全員の主張をその

まま繋げたのだそうだ。バッカじゃないの。

この辺の事情を教えてくれたのはハーマン氏だ。


本なら何でもジャンルを問わずに置いてる図書館と、魔法専用の研究室なら、先にどちら

へ行こうかと考えれば、おのずと研究室が先と考えるのが普通よね?


研究室がアイゼリアの何処にあるのかと尋ねたら、返って来た答えは「首都に行かないと

無いぞ」だった。

そんなわけでっ やって来ました首都『グレート・アイゼン』

厨っぽいのは、以下略。






「本当ならお前の様な外部のものは、この偉大なる魔術の殿堂には立ち入ることも出来ぬ

のだぞ、姫様の特別なお計らいがあったればこそじゃ、それをしっかり理解した上で行動

するのじゃぞ。」


「はいはい、わかりましたぁー。」


「ったくこれだから偉大なる魔法の真理を知らぬものは。ぶつぶつ。」


「はいはい、ねー、どうせならお勧めの魔道書のある棚って何処ら辺なの?教えて?」

とりあえずエルフ・スマイルをサービスよっv


「む///// 向かって右側の棚が、われら偉大なる魔法の真理を知る者達が結集した、

『ジェノサイダー』先達の英知が込められた魔道書の数々が納められておる。」


その名前って真理関係ないじゃん。きっと魔術師に非ずば人に非ず、とか、破壊こそ魔法

の真理、とか言い出した人達の集まりなんでしょ?


「魔術とは力そのものじゃ。畏れられてこそ魔術師。解ってないヤツらが多すぎるのじゃ。」


手っ取り早く言えば、俺TUEEEEEEE!したい人の集まりってことよね。


「良いか、くれぐれも『シーカーズ』の馬鹿共には近づくでないぞ。」


「はいはい。じゃ真ん中の棚から読むとしますか。」 「あっ!これっ。」


きっとその『シーカーズ』って人達の棚は左端ってオチでしょ?






先に結論を言うと、初日の成果はあまり芳しくありませんでした。

とりあえず、わたしの感想として言えば、

魔術の評価方法を主観に頼っちゃダメよ~、かな。


第三者的に評価し、効果の指標は信頼性が揺らがないよう明確に定めなければ意味が無い。

今日、わたしが読んだ魔道書はその辺りが全くダメダメで、著者の都合が良い様に結果の

解釈が為されてしまっていた。






まずは真ん中の棚。研究室の正式名称の『保存と継承を目的とした』とかいうグループの

棚なのでしょう。


『魔物使いライラ・サラヴィンの、あの魔物に勝つ属性はコレだ!』

『異界研究家ロイ・ラーウィンの夢幻界の生物100選』

『正統派魔術師フェイ・フォンの炎の魔法を10倍強くする方法』

『魔術師イザーク・ラッセの、勇者でも駆け足で亀に勝てなくなるラッセの空間魔術式』

『宮廷魔術師ロアン・ファイリールの成功する、子供を魔導師として育てる方法』


えーっと、どう突っ込めば良いのでしょうか。魔法との関係は微妙?

順番に簡単に説明すると、


草タイプには炎だー。とか?

攻略物好きなわたしの知識欲に訴えるものはあったけどねっ


自分が遭ったことも無い生物なのに情報元が不明では、ただの空想なのでは?

でも面白そうだから覚えてしまったわたしが居ます。


乾季で風が強い日なら、そりゃ当然、絶好の火炎魔法日和よね。炎が強くなる条件を高め

る知識は知ってて損は無いけど。でもこの自然環境に配慮した考えは風水師に近いかな?


勇者が亀に追いつく頃には亀はさらに先に進んでいるから永遠に追いつけない。

そんな屁理屈から始まり、本格的な空間を利用した無限回廊の生成法まで、かなり真面目

に空間に関する術をまとめていました。


子供の頃から魔道書に親しみを持たせ、いわば、先んずれば人を制す理論。

地味でどっかで聞いた事が書いてあるけれど、それなりに本質を突いている点が良い。

感覚系や空間系などは、自分の感覚や空間把握力が狂わないよう、慣れ、センスが必要と

なるのだが物心付く頃から親しんでいれば有利となるだろう。



えーっと、うん、こういう基本的な知識を継承するって大事だよね。

次行こう。






『深遠を探求する者達』すなわち『シーカーズ』、と思われる左端の棚を眺めてみると、

そこには、


『死者との交信法、御先祖様や古代の英雄から英知を授かろう!』フロイ・カー

『女の子の精神へダイレクトアクセス、気になるあの娘の心を鷲掴み』リーゼン・マロー

『異性にモテル100の方法、に勝つ、たった一つの冴えた魔法』アントニオ・ラーゼン

『物質転送理論、コレを読まずして究極の魔法を語る無かれ』ライアン・オークル

『迷路抜けゴーレム競争で勝つフラクタルアルゴリズム』フランソワーズ・チイ

『魔法の深遠、深遠の魔法』ブルー・アンソワーゼ


えーっと、どう突っ込めば、以下同文。


死者との交信って向こうの世界でも見ましたよ。どこにでもあるんですねこういう詐欺。

と思って読み進めてみたら、もしかしたら、自分にしか見えない『何か』を構築し、そこ

から知識を得ている可能性がある、かも。そうだったら凄い。けどそれはほぼ無いな。


ダイレクトアクセスを行うための理論が今ひとつ謎で、理屈は解明出来てないけど利用は

出来ている典型でしょうか。目的がヨコシマなだけに惜しむらくはタダのヘンタイさんに

しか使われないと言う。


あれこれ細かい事を気にするより、たった一つの魔法の言葉を唱えた方が良い結果に結び

つくよって本ですね。美人相手に尻込みしちゃう?振られちゃった?仕事で失敗した?

そんな時には魔法の言葉を唱えるのよ!『ジャ~マ~イ~カ~。』

良い事言ってるんだけど、これ魔法じゃないよね!? 目指せジャマイカ野郎!オー!


物体をふっ飛ばすまでは良いのですが、肝心の目的地で元に戻る再構築部分の理論が全く

これっぽっちもカラッキシなのは、しょせんタイトルが"理論"止まりだから?

あまりのトンデモ理論振りが、わたしの魔導師としての琴線にインスパイアしましたよ!

むむむむむ、キタキタキタ!空間転移の魔術式がっっ

※その話は、また別の話となる。。。。ということで次です。

(リアファリナ注:この場ではまとめ切れなかったからこの案はいつか再利用。の意味)


カッコイイ事言ってますが、総当りで迷路探索を行うのは時間の無駄だと思いますが、

どこの世界でも迷路脱出物は人気があるんですねー。

ゴーレムいーよねー。この人とは気が合いそうです。


魔法というより心理学っぽいですね。心の奥底にある混沌とした所、そこへ足を踏み込む

か否かで術者の心の在り様に変化が生じ、結果も変わっていく。

理性を持って混沌を制するか、心が混沌とした状態のまま魔法を唱えるか。

その差を検分し、自身の心を理性により制御し、術の効果を高める方法が書かれています。


ん~魔術師として大成するためには必要なのでしょうが。。。次よっ次っ。






『真なる魔法の追求』こと魔術至上主義者の集まり『ジェノサイダー』。

さすがこの一角は目を見張る物がありますっ 誰がこの恥ずい二つ名付けたんでしょうか?


『最強魔法による究極の攻撃魔法』"最強魔導師"ギャロップ

『狂気を糧に如何なる攻撃でも死なない軍団の構築法』"不死の付与者"ライハーラ

『血塗られた実験と凶戦士の誕生秘話』"魔法王"ライトワン

『炎地獄と黙示録の獣』"偉大なる召喚士"カーディナル

『これで貴方も永久の貴族か不死の王か』"永遠の美"カミーユ・ライヴァッハ

『死を撒き散らす殺戮と倒国の書』"呪われし者"ザカース



地殻を破壊し都市を再生不能な荒野に返る魔法では、魔術実験時から10日後に小規模な

地震が発生したそうです。著者は自画自賛していますね。

誰もその地震は魔術と関係ない自然発生ですよー、って教えてあげなかったのかしら?


自分の奴隷をなます切りにして数日放置しても死ななかったり、雷荒れ狂う地に放置して

も雷に当たらなかったのは魔法の効果なのだそうです。実験する側の狂気って怖いですね。


バーサーカーを作ろうとして、奴隷の精神に干渉し心を壊したら、傷付けても反応しなく

なり魔術は大成功だそうで。能動的に動かなくなったのは些細な副作用だとか。

バーサーカーなら狂戦士だけど、タイトルは凶戦士だからこれでもいーのか、そうですか。


油と炎で動物を生贄に伝説の魔獣を召喚するハズでしたが、召喚は叶わなかったけど多数

の人間が炎の照り返しの中に蠢く『何か』を目撃した。それが黙示録の獣なのだそうです。

ツッコミ担当が居ないって不幸よね。


過去そういう不死身に転生出来た偉人の伝説をドキュメンタリー風にまとめてあり、君も

修行すれば不死身になれるかも。と疑問形で結んでるけど、妙に描写が細かいのは不思議。

その辺りが屑本扱いにならず、本棚の目立つ場所に置かれている理由かも。


この本を読んで7日以内に5人の友人にこの本を読ませないと読んだ人は死ぬ、この本は、

たったの100日で国を滅ぼせる強力な呪いの本なのだそうです。

それって誰も友人に勧めないのを前提で計算してるような?






えーっと、わたしがたまたま読んだ本が偏ってたんだよね?

今日はなんか厄日っぽいからまた出直そう。それがいいわ、うん。


まだまだ棚の入り口側を少し読んだだけだから、本命はこれから見つかるのでしょう。

そうよね、真打ちって後から出てくるもんなんだよねっ ねっ?

明日からに期待ですっ!






そうして港町アイゼリアへの帰路。

ふと下を見てみれば図書館が。

その時、わたしの頭の中に一句浮かんだ。


『もう帰る、そういう時に、大当たり。』


閉館までもうちょっとだけ時間があるから、様子見してみましょっと。




図書館に入ると、本棚の手前に数人の列と、列を見守る衛兵が居るのが見えた。

なんだろうと良く見ると、一つの本が置かれてあり、列はその本を見るために並んでいる

ようです。本のタイトルは『ラージャと魔法の宝玉』だった。




本は開くだけで一瞬で読み終わるようです。列はあっという間に捌けて行き、わたしの番

は直ぐでした。

わたしは本を手に取ると、本を開く前に出来るだけ本の情報を読み取ろうとしましたが、

どう見ても普通の児童書に見えます。

著者は『リーゼン・マロー』・・・・・・あれ?この人、児童書も書いてるの?


とりあえず、これ以上は何も解らないようです。開いて見ますか。






『そこでは』、わたしは主人公『ラージャ』と呼ばれる若者だった。

首都の片隅で貧しくても慎ましく母親と二人暮らしで、夢見がちであったが正直者だった。

ある日、自分の父親の兄と名乗る男が母親と主人公を訪ねてくる。


伯父は貿易商を営んでおり、主人公の父親である弟が死んだことをつい最近風のうわさで

知り、妻子を守るためこの街まで訪ねて来たのだと言う。


伯父は二人に殊更親切で、足りない物が在れば何でも買い与えた。

そしてある日、伯父はラージャにこう言った、


「この街の近くには秘宝が眠っており、それを取ってくれば母親をもっと幸せに出来る。」

ラージャは伯父に案内されて、秘宝が眠る場所へと一緒に向かいました。


伯父に連れられて砂漠へ行くと、目の前に洞窟が現れ、伯父はそこへ入るようにラージャ

に言います。その際、ラージャに腕輪を寄越し、何か困った事が有れば腕輪に祈りなさい。

と言付けた。




洞窟の中は真っ暗な場所だ。

わたし(ラージャ)は魔法が使えるのかも確認の意味で『影視』を唱えて見たけど、発動

しませんでした。うーん、この世界が本の中にせよ、魔法が使えない、もしくは、制限が

在るようですね。

魔術式がダメなら精霊は?

あ、闇霊は傍に居るのを感じます。

それ以外の精霊はダメですね。この世界では精霊使いとしても精神系列しか使えないので

しょうか。

今は感じないけど怒りの精霊他の精神の精霊ならここでも呼び出せるようです。




真っ暗な階段を下りて良くと、そこには金貨が山積みとなっていました。

わたしはチラリと視線をやるものの、次の間へと歩みを止めない。

幻影による物体は、CGを知っている者ならたやすくその不自然さが理解出来るだろう。

光源処理だけでも、シェーディング、距離減衰、レイトレーシング、ラジオシティなどが

しっかり処理されてなければ物体の不自然さが直ぐに際立ってしまうものだ。

ここの金貨はとても"金"には見えない。ただの黄色の○にしか見えなかった。


どれだけ精密な世界が構築出来るかは魔術式次第だが、魔法の良し悪しを決めるのは発想

に掛かっている。何の捻りも無い在り来たりなこの世界の心理描写。

金貨の間、宝石の間、知識の間、色欲の間、そして恐怖の間。

金貨はのっぺりした黄色、宝石は輝きもないタダのガラスに見える。

幻影を作り出す魔術式がどれだけ適当なのか。これは子供の落書きレベルに等しい。




溶岩の間を通り抜け、階段を抜けるとそこには、いかにもと言った感じで光る宝玉がある。

それを手に取ると洞窟は崩れ始めた、命からがら洞窟の外に向かうと、入り口には伯父が

待ち構えており、持ってきた光の宝玉を渡せと言う。

渡しても良いけど、それじゃ話が続くまいと思い、ここは渡さないでおこう。


すると怒った伯父は正体を現し魔法使いの姿になるとわたしを洞窟に閉じ込めてしまった。

洞窟の入り口は完全に崩れてしまって、外に出られそうにもない。

ここは慌てず、腕輪をこすりながら、魔神さ~ん出て来て~♪、と言うとテンプレの魔神

が出てくるハズ。

あれ?出てくるハズ?

あれれ?

あ、出てきた。

ちょ、ちょっとお兄さん!イケメンですよっ!お姉さんビックリだよ。

イケメン魔神は少し口角を上げてニヤリとした顔で、何でも御用をお言い付け下さい、と

テンプレを語った。

わたしはイケメン魔神の力で洞窟を脱出し、無事に家へ帰った。


それからは偶然訪れた街で王女様と出会い求愛され、王様を影で操る悪い魔法使いの宰相

と戦い、宝玉の力でいったんは退けるものの、宝玉の意味を全く知らない王女が変装した

魔法使いに『大切なものは箱に入れてしまうべきだ』と騙され、宝玉を魔法使いから渡さ

れた箱にしまってしまう。


実はこの箱は魔法使いの使い魔が化けた物で、使い魔に宝玉が奪われてしまった。

魔法使いは宝玉を手に入れると、その力で王女と城を力ずくで奪い去ってしまう。

国を追い出されてしまったわたしは、長く苦しい旅を腕輪のイケメン魔神の力を借りつつ

どうにか連れ去られた王女の居る城へとたどり着く。

王女の愛と機転で魔法使いを『魔術師殺し』で酔いつぶして、宝玉をもう少しで取り戻せ

そうになるが、直前で魔法使いが気付かれてしまう、わたしは魔法使いと一騎打ちになり、

辛うじて斬り倒す事が出来た。


しかし魔法使いは最後に呪いの言葉を王女に掛けようとするが、一瞬先にわたしが宝玉を

剣で打ち壊して事なきを得る。宝玉の力は剣に移り宝剣となった。

そして、魔法の宝剣を携えたわたしと王女様は末永く幸せに暮らしましたとさ。






本は閉じ、わたしはハッと気付く。

ここは図書館で『ラージャと魔法の宝玉』の本を閉じた所です。

時間はホントに一瞬で終ったらしい。体感では数ヶ月分の経験をした感じなのです。

幻覚としては子供だましですが、アレだけの情報量を一瞬でダウンロード出来て、体験を

行えるのは素晴らしい魔術です。ヘンタイさんだなんて言ってゴメンよー。


多少違和感があったのでもう一度本を開こうかと思った時に、いつの間にかわたしの後ろ

にはこの本を読む人が数人並んでいたので、もう一度並ぶのも面倒だし、今日はモヤっと

漠然でまとまってない状態を感じてただけだったので、この本をもう一度開いてその辺り

を確かめるのは次回でも良いかと思い直す。


この日は、図書館で『リーゼン・マロー』が書いた物をざっと調べて終わりました。




わたしが微妙だー、と思ってた本の数々が実は当たりだったと解ったのは、それらの知識

が実際に役立つずっと先の事だ。

先人の知恵を馬鹿にした感想は、後から日記帳を読み返し自分自身のあまりの恥ずかしさ

に身悶えしつつ、黒歴史にしようかと本気で悩む日々。はぅ/////




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