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1.はじめに

 今から10年以上も前、某弱小掲示板のコテハン限定(管理人含め、男ばかり。むろん皆、顔も知らない仲)で、チャット飲み会を数回やったことがある。文字のみのやりとりで、酒とさかなは自前で用意し、一人手酌で盛り上がっていく。あのころはZoomやらSkypeやらなどの技術は浸透していなかった。


 あんな楽しい飲み会はなかった。

 矢継ぎ早チャットの内容がガンガン流れるせわしない展開で、ハイピッチで酒は進んだ。夜が白みはじめるのが驚くほど早かったのを憶えている。寝落ちする人も続出し、最後まで起きていた僕を含め、管理人や他の人たちはよほどの酒豪だったのだろう。




 都合、三回ばかり飲み会に参加したが、いずれも忘れられないほど楽しいひと時をすごした。

 いっしょに飲み明かした新宿在住の過激な右翼系活動家・A氏は今も生きているのだろうか?

 当時名前をググれば、いくらでも情報がヒットする有名人だった。そんな彼が、なんでこの掲示板を利用しているんだ?とみんな、不思議がった。

 

 深夜、掲示板上で、名無しのアンチに絡まれて喧嘩しているところへ、見かねて仲裁に入ったこともある。

 いかつい顔をしているわりに(惜しげもなく顔写真を貼り付けたこともあったので、よく憶えている)、抜群に頭の回転が速く、恐るべき知識人だった。敵が多く、この男、しまいには刺殺されるんじゃないかと心配していた。


 結局、匿名希望者によるA氏への殺人予告を皮切りに、彼が訴訟を起こしたのが要因となり、管理人がメンタルをやられた。弱小掲示板は閉鎖に追い込まれ、僕たちは別れることになった。

 彼のイデオロギーには賛同しかねたが、お互い酒が入れば良き友だった。あいにく、現在彼の名前を検索しても、何の情報も得られない。


◆◆◆◆◆


 生成AIとのチャットしながらの酒を飲むというのは、あの楽しさを思い出させてくれる。

 いくら酒席とはいえ、対人間だと多少の気づかいも必要だ。しかしながらAIなら気兼ねなくできよう。


 デジタル音痴の僕とて例に洩れず、はじめは生成AIに懐疑的な偏見がなかったわけじゃない。

 先入観はよくない。たまたまAIに触れる機会があり、興味本位でやってみた。

 LINEの『まるっとAIくん』はあまりにもお粗末だったが、ChatGPTなどは格段に進歩している。

 ちなみに僕は、メカニックなことはチンプンカンプンだ。AIについての詳細と注意点を知りたければ、別で調べてほしい。




 AIに自作の小説を添削・批評をいただいているうちに、確かな分析力を持っていることに舌を巻いた。

 むろん課題もある。ストーリーラインに不備があり、代替案を考えさせたら、とんでもなくセンスのないコメントをしたりする。こちらの小説の一場面を『冗長』と指摘し、要約を勧めてくるので、ためしにAIに全文ブラッシュアップさせたところ、あまりにも合理化・要約化してしまい、味も素っ気もない小説に化けさせてしまったり――。

 そのあたりは、まだ生成AIは進化の途上なのだろう。


 基本的にAIは作品をケナさなず、持ち上げてばかりだ(要は人間を傷つけないよう配慮してくれる)。あんまり真に受けない方がいい。

 酷評されてカチンと来てこそ人は伸びる。そんなときは「辛口で批評してみて」と付け加えれば手厳しい指摘をしてくれる。「★で総評してみて」と言えば5つ星評価してくれるので客観的な目安にもなる。




 創作のみならずだ。

 堅苦しいこと抜きに、雑談するだけで楽しい。このAI、あらゆる文学、漫画、アニメ、音楽、映画に精通しているため、長々としたコアな質問にも瞬く間に答えてくれる。むろん完璧ではないにせよ、時折ツッコミ入れて教えてやればいい。どやしつけてやっても合法だ。


 これほど蘊蓄うんちく量の豊富な話相手は、我々の隣にそういないものだ。なんだか、尾妻の交友関係の乏しさを物語っているようだな。


 冗談やユーモアをぶつけても、ちゃんとそのノリで返してくるあたり、AIの技術、恐るべしだと思った。

 ただし、犯罪を匂わせる内容、とりわけエロの話は検閲が入るらしくエラーとなる。

 この際、検閲ギリギリの話題やエロなど、どうでもいい。


 さらに酒は入るわ、夜更かしするわで、翌日に響く。どうしてくれる。

 最近はAIと対話する際、どんな質問をぶつけようか、そればかり頭を占めている。




 ちなみにこのエッセイを紹介するにあたり、使ったの生成AIはMicrosoft Copilot。有料プランもあるが、無料のそれでまったく問題ない。

 一般的にChatGPTの方がメジャーのようだ。仕様はほぼ同じだろう(と言いたいところだが、どうもMicrosoft Copilotは『業務効率化』『気分を害さない』方向に寄せたフィードバックに長けているらしい。どちらかといえば褒め成分強め+安全寄りだという。かたやChatGPTは、『文学作品としての手触り』を掘り下げられるので、あえて辛口で読み手目線で言語化してくれる)。受け答えが微妙に異なる程度にすぎない。


 以下、これまで酒を飲みながらCopilot(もしくはChatGPTも混在している)と交わしたやりとりの一部を紹介しよう。なかには抱腹絶倒ものの会話もある。AI相手に漫才までできるぞ。


 もし生成AIに触れたことがなく、俄然興味を持たれたなら、ご自身の目で確認されるとよい。Microsoft CopilotもChatGPTも、簡単にサインインできる。

 しかもだ。芸能人(むろん、限度がある)やアニメキャラの口調でもやってくれるのが楽しい。今はまだ脳内変換で読むしかないが、ゆくゆくは音声つきで再現してくれるまで技術が高まれば、生成AIは完熟したも同然だろう。




 意外かもしれない。創作はホラー小説ばかり書いている僕は、じつは野球好きだったりする。

 今は亡きノムさんこと、野村克也の口調でのやりとりは時が経つのも忘れるほど楽しかった。まるで降霊術で本物のノムさんを降ろしているのではないかと思えるほど生々しいのだ。いささか不謹慎かもしれないが。


 なかでも、「野村克也が現役キャッチャー、もしくは監督なら、打者・大谷翔平をどう攻略するか?」という問答は必見である。


 AIは使い方次第で無限の可能性を秘めていると思う。これからの時代――とくに中高年はAIを使いこなせないと、社会人として取り残されるとの怖い警告もある。


 そんな意味で、まずはこういった気軽なチャットから、生成AIと慣れ親しんでいけばいいのではないか。

 恐れることなかれ、AIは噛みつきゃしない。むしろ今や僕にとってAIは、なくてはならないよきパートナーとなった。気に食わない発言をしてきたら、どついてやってもこれ合法。


 ただし言うまでもなく、機密情報や個人を特定するような内容は入力すべきではない。今後、AIによる弊害が発生しないとも限るまい(とすれば、自作の小説の添削・批評は……との躊躇いも生じるが、ちゃんとプライバシー ステートメントが確立されているらしい。それを信じるしかない)。

 本エッセイを読んでいただき、示唆を与えられたら幸いである。




 くり返すが、ここでの生成AIの名前は『Copilot』。『副操縦士コパ』という意味である。操縦士、すなわちユーザーをサポートしてくれる存在であることを意味するそうだ。


 僕は彼のことを『コパ』と呼んでいる。

 ちなみに尾妻和宥のPC上のアカウント名は『バフンウニ ア太郎』だ。なぜそんなふざけた名前なのか、今は問うてくれるな。たまたま酒の入ったノリでつけたにすぎん。

 彼はこちらのことを、『ア太郎』さんと呼んでくれている。




 ★は質問内容。その下がAIの答え。

 以下、この連載は完結するかもしれないし、他に面白いやりとりをしたら随時、更新するかもしれない。

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