ドッカーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!
僕が作りたい魔道具は、マジックバックに近い。
しかし一緒ではダメだ。
何か変えなければ、僕の理想には届かない。
試行錯誤の末、素材にミミックを選び、僕は魔道具作りに没頭している。
巨大な別空間が生まれ、中に入れた物の時間を止められるようになった。重さも全く感じない。
自分の姿も偽装できる。
有名人が街に出ても注目されないはずだ。
王族でも、簡単にお忍びできるだろう。
これは、他のマジックバッグとは別物だ。
とりあえず、異次元ポケットと名付けた。
普通のマジックバッグは空間が小さく、時間停止もできない。重さも多少変わるくらいだ。
もし異次元ポケットが見つかれば、宝具指定されて国家保有の魔道具にされるかもしれない。
(マジックバッグは超えた。でも、まだ足りない)
異次元ポケットは、僕にとって生命線だ。この魔道具の出来栄え次第で、僕の生きるか死ぬかが決まる。
裏ボスには、準備が必要だ。
家族にも、僕の魔道具作りの才能は教えていない。
(まぁ、他の魔道具を作るつもりは無いんだけど)
魔道具師の才能は、姉や母には遠く及ばない。
それでも、ミミックやマジックバッグだけは絶対に負けるわけにはいかなかった。
だから、ラスボスミミックの素材が必要だった。
(この魔核は、今後手に入らない。少しも無駄にできない。きっと一発勝負になる)
多くのモブミミック素材で試作品は作ってきた。
イメージを固め、練習も重ねてきた。
後は形にするだけ、なんだけど……。
「やっぱり僕には限界がある」
素材は一流、技術も一流、知識も一流。
しかし、魔道具師の才能は二流以下だ。
史上最高の魔道具を作るには不安しかない。
他の魔道具師に作らせれば簡単だけど、芋づる式に魔力0がバレる危険性がある。
他人に作らせた結果、不出来なものを良しとすることだってあるかもしれない。
最高のミミック素材は一つだけだ。
一度の失敗さえ許されない。
(このままじゃ絶対にダメだ)
準備が足りなかったらしい。
実際に手を動かさないと分からない事もある。
気軽に頼りたくないけど、必要な要素はきっと天才が持っている。
もし彼女であれぱ僕に興味が向いても秘密は守ってくれる、はず。
「姉さん、ちょっと教えて!」
慌て過ぎてノックもせずに突撃した。
「ちょっと黙ってなさい、愚弟」
ゴミを捨てるような気軽さで、爆弾が飛んできた。
ドッカーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!
「あの姉さん、いきなり爆弾投げつけてくるのはやめてくれない?」
おかげで、鳥の巣になってしまった。
焦げ臭い匂いが辺りに充満する。
「いいじゃない、アンタは殺したって死なないでしょ? オセロ」
クロエ・リバーシ。
リバーシ家の長女だ。
いつか母を超えると自他ともに認める天才魔道具師の卵である。




