悪魔
ふう。ちょっと目立っちゃったけど、やっぱり聖地なだけあって個性が強い奴が多い。
そして、そういう奴に限って強かったりするから達が悪い。
ちなみに、なんでこんなことを知ってるのかというと、俺が遊びに来てたからだ。
まあ、元々は遊ぶ用に創った世界だし。
一旦それは置いておいて、今、俺は大陸の南側にある聖地から、ちょうど反対。大陸北側の、『永久地獄』に来ている。
名前の由来は、まあお察しの通りS級の魔物が居るからだ。
しかも、その強い魔物に群れて本来は国家消滅レベルの悪魔鬼が大量に飛んでいる。
そして、少し離れたところでも、毒持ちの劣等悪魔鬼
そして、その最強と謳われた魔物の情報を纏めた紙を見る。
そして、そこに書かれているS級の魔物の詳細は、こうだ。
個体情報
個体名 悪魔の上位種。災害級として過去に名付けられた悪魔王とする。
被害 今のところは、返り討ちにされた冒険者、召喚者のみだが、その気になれば無数の悪魔を連れて地の果てまで追いかけるという。
能力 その姿を見たものは全員もれなく行方不明になっているため定かではないが、前例を考えるに、統率系の能力と深淵魔法、その他物理攻撃手段、超上位能力の獲得を最低限と考えるべきだ。
危険度 上位精霊でさえ勝てなかったという点を評価し、災害級つまりS級の魔物とする。また、天災級までは成長していないと考えられる。あくまで推論の域を超えないため真偽は不明。
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という訳で、こいつは、まあ最強ではないけど、今存在する悪魔種の中では最強だ。
じゃあ、早速さっきから俺の事を嗅ぎまわってる奴に説教でもするか。
そして、この世界で獲得したスキルを行使する。
「まあ、最初は『詠唱破棄』!!」
魔法行使に必要な魔力が2倍になるが、その詠唱は破棄され、その効果は約1.1倍になるというもの。
まあ、持ってたら使う奴の方が多いだろう。
ちなみに、これはバフなので持ってるだけじゃ発動されない。
魔力を3時間使わないと効果は消失する。
「次に、『ステータス上昇』」
よし、これも一応魔法だから、効果にボーナスがついてるぞ。
「じゃあ、お前らを殺してやるよ」
奴らは念話の効果できちんと俺の話が分かるようだ。
だが、残念ながら俺の話をただの戯言だと思っているらしい。
見てりゃ分かる。
さらに、俺が何かやると分かってながら、クスクス笑ってやがる。
「随分と舐めてるな」
そういい、手始めに暗殺魔法、ソウルブレイクを発動する。
自分のステータスとスキルを対象者と比較し、対象者が格下の場合は確実に死に至る。また、対象者が格下でなくても、実力差が縮まれば縮まるほど、膨大な魔力が必要になる。
「ほう、これだけの魔力を持っていくか」
一応、この世界では2桁の数に入るぐらい、魔力保有量は多いはずだが、それでも1割くらい持ってかれた。
ということは、こいつらは俺の実力に近しい存在という事か。
まあ、それで10体くらいいたゴミは殺せたのだが。
でも、こんなけ削られたって事は、舐められてなかったら面倒だったかもな。
じゃあ、早速お目当ての王を探しますかね。
魔力探知
おっけー。あっち方向か。
…………ん?なんか、弱った人間の気配がするな。
もう、消えて強いそうだ。
まあ、どうせ瞬間移動できるし、助けるだけ助けてみるか。
そう思い、瞬間移動する。
そして、そこで目にしたのは、女冒険者?かなんかが雑魚相手に死霊魔術を使おうとしていた場面だった。
死霊魔術とは、自分が殺された場合、殺した相手を呪い殺すという一種の呪術だ。まあ、名目上は魔術という事になっているのだが。
ちなみに、自分に死霊魔術をかけたらある程度の魔力を持つ奴なら殺すだけで死んでしまうという超諸刃の剣だ