in the 聖地
今はこの世界の醍醐味、冒険者ギルド兼商業ギルドの、『聖地』ロータスに来ている。
ちなみに、瞬間移動で来たが、そういう魔法があるのか、誰も驚かなかった。
まあ、それはさておき。
ここは、元々とある神を崇める民族が住んでいたらしい。
だけどその民族が勇者を何回も輩出しているため、聖地として、冒険者ギルドを建てた。
そこには毎日大量の冒険者が来る。そりゃ、冒険者の聖地なんだから一度は行ってみたいようだ。
それに、聖地で冒険者登録をしたらめちゃくちゃ強くなる、なんて話もあるそうだ。
今までは相逸れなかった商業ギルドが、その話を聞き併設してくれないか、と頼んだそうだ。
そして、冒険者ギルドの冒険者登録の隣に商業ギルドの商業者登録の併設を条件に許可したそうだ。
だから、今では冒険者ギルドと商業ギルドが隣にある超便利場所になっている。
何故便利なのかと言うと、余分に狩ってきた魔物などを売りさばくことが出来るからだ。
そのため、毎日数百人が常に居るような場所となった。
そのせいだろうか、何故か増築工事が行われた。
既に世界最大級のデカさだったのに。
まあ、この世界の建築水準が低すぎるってのもあるだろうけどね。
以上、現地に居るいかつい冒険者さんのお話でした。
じゃあ、早速、冒険者登録と商業者登録やってくか。
いや、ちょっと待てよ。
たしか、冒険者も商業者もランクがF~SSまであって、商業者は地道にやるしかないけど、冒険者は、Sランク、つまり災害級の魔物、もしくは魔族の討伐が認められたら無料でSS級になれんだよな?
俺、目立ちたいし早速S級の魔物狩りするぞ!!!
いや、ちょっと待て。冷静に考えて、正体不明の人物が突然S級の魔物の死体を持ってきて、とかの方が格好良くないか⁉
そんなうまくいくとも限らないけど、一旦服を創造権限で作って、…………。あれ?
創造権限は剥奪されてるのか。まじか。じゃあ、複製権限は…………?
せーふ。あっぶね。
じゃあ、これで、地球で見たことのあるローブを複製して。まあ、代償は魔力でいいか。
よし、ローブと仮面、複製完了。
ふう、じゃあ、先に商業ギルドに登録して、その後にS級の魔物がどこにいるかを聞こう。
そして、商業ギルドの登録が終わる。
ローブと仮面のせいで怪しまれたが、なんとか登録で来た。
次は、S級の魔物についてか。よし。隣に移動してっと。
「すいません、今いい?」
「はい、大丈夫ですよ!どうなさいましたか?」
「ああ。S級の魔物が、今どこにいるのかを知りたくてね」
「はあ。なるほど。失礼ですが、冒険者カードをお持ちでしょうか?」
「持っていない。金がないからだ。いいから、S級の魔物について教えろ」
「はい。ですが、もし貴方がその魔物のせいで怪我や死亡などしても、冒険者ギルドは責任を負いかねますので、ご了承下さい」
「ああ、大丈夫だ。死ぬことはない」
その言葉は、本当だ。
神は、完全に肉体に囚われているわけじゃない。
だから、神に死を与えるには、魂の真核部を完全消滅させなきゃいけない。
だけど、俺はそんなことを出来るスキルは創ってない。
だから大丈夫だ。
「承知しました…………。では、ここから一番近いところに巣くっている魔物について…………」
「いや、一番強い奴を頼む」
「え?いや、S級の魔物は、ただでさえ強いんですよ?一番だなんて絶対に…………」
「黙れ。俺の話が聞こえなかったのか?」
感情権限で、その受付嬢に安心感を与えさせる。
少しむかついたが、その程度で怒っては神の面汚しになりかねない。
「あ、わわわ、かりました。一番、いち、一番強い魔物の情報は、これでででででで…………」
あちゃちゃ、少し加減を間違えたかな?
まあ、いいや。自分の裁量でギルドの鉄則の掟、見た目で判断してはいけない、というのを破ったんだからな。
「ありがとな」
そういいながら、その紙を貰い、去っていく。
ただ、もちろん感情権限による操作は終わらせたが。
じゃあ、少しばかり暗躍?ではないけど、遊ぶとするか!
まあ、ちょっと目立ったら誰か気づくでしょ。