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VAMPIRE STREAMING  作者: 未羊


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第435話 再会したと思ったら

 なんということだろうか。ゴールデンウィークの後半初日に、満の家をルナ・フォルモントと小麦が訪ねてきた。

 事前のお知らせはルナ・フォルモントからのメールだけだったので、満の驚きはすさまじかった。


「いやぁ、驚かせることに成功してよかったよ。気付かれているんじゃないかってひやひやしたからね、にしししし」


「もう、小麦さんも人が悪いなぁ……」


 白い歯を見せながら笑う小麦に、満は文句を言っている。


「いやぁ、こういうのはドッキリさせるもんでしょ。さすがにパパには連絡を入れてあるけどね」


「それはそうと、小麦さん、車買ったんですね」


「うん。私のこれまでのバイト代とアバ信のスパチャの稼ぎを頭金にしてね。購入に際して、わざわざパパに来てもらったもんなぁ。ほら、初めて買うとなると分からないことが多いからね」


「そ、そうだったんだ……」


 どうやら小麦は短期集中合宿で免許を取得した後に、その勢いで車を買っていたらしい。軽のボックスカーで、小麦らしく可愛らしく内装が飾り付けられていた。


「もちろん、法律は遵守だよ。安全運転が一番だね」


「まったくだぞ。妾に代わる前の小麦の運転は、ちょっと危なっかしかったからな。あのグラッサの娘であるなら、もうちょっと安全運転を心がけておくれ」


「了解!」


 ルナ・フォルモントにまで苦言を言われてしまい、小麦はびしっと敬礼をしながら返事をしていた。


 家の中に入った小麦たちは、食事ができるまでの間、リビングでくつろいでいる。


「満くん、今日は女の子なんだね」


「あっ、うん。自分の思うように変身できるようになったんだけど、配信のある時はこっちの姿にすることにしたんだ」


「どうして?」


 女の姿になっていることを指摘された満は、正直に小麦に答えている。そしたら、小麦にさらに踏み込まれてしまう。


「あ、うん。実は僕、声変わりが起きちゃってね。以前みたいな声が出なくなっちゃったんだ。だから、この能力が残ったことを利用して、配信のある時は女の姿でいるようにしてるんだよ」


「そうなんだ。もしかして、配信の曜日を絞ったのもそのせい?」


「うん。高校受験は男の状態で行ったから、女の方だと高校には入れないからね。それに、変身をすると結構苦しいから、なるべく回数を減らすために配信日を週末に集中させて、変身する回数を減らすようにしたんだよ」


「ああ、なるほどね。満くんは元々普通の人間だったもんね。変な能力を身につけちゃって、その副作用みたいなのが起きてるってことなんだ。なるほどなるほど……」


 満の話を聞いて、小麦は何度も首を縦に振って納得しているようだった。

 ところが、ルナ・フォルモントの方はちょっとなんとも言えないくらいに表情を歪ませていた。


「変身する際に苦しくなるか……。さすがにそれは聞き捨てならんのう」


 満が苦しんでいるということを聞いて、どうも心配しているようだ。


「確かに、気になることだよね」


 小麦も同意はしているようだ。


「もちろん、体の組織が大きく変化するゆえに、それに伴う苦痛というものはあるものだ。ゆえに、どのくらい苦しいかということが重要になってくる。満、現状はどのくらいの苦しさなのだ?」


「えっと、変身中は立ってられなくなるし、呼吸も苦しくなるよ。それこそ胸が締め付けられるような、そんな感じの痛みかな」


 満から詳しい話を聞いたルナ・フォルモントと小麦は、なんとも困った表情を浮かべて、互いの顔を見ている。


「……うむ、それはちょっと退治屋に相談した方がいいじゃろうな」


「あっ、私もちょっと前に舞お姉ちゃんに相談したらって話をしたよ。満くんから連絡がなかったから、私は連絡を入れてないんだけど」


「なんともまぁ……。これはちょっと相談しておいた方がよいぞ。妾たちよりは、退治屋の方が対処法を知っているからな。妾たちは基本的に自分以外に興味を抱かぬのでな」


「わ、分かったよ。イリスさんに相談をしてみることにするよ」


 二人の思わしくないというような表情に、さすがの満も怖くなったらしい。話を受け入れて、相談をすることに決めたようだ。


「うん、その方がいいよ。もしかしたら、手遅れになるかもしれないからさ」


「て、手遅れ?!」


 小麦から飛び出した言葉に、満は表情を青ざめさせてしまう。

 手遅れってことは、最悪のこともあり得るということだからだ。まだ高校生になったばかりだというのに、さすがの事態に満も慌てているようである。


「人間から怪異というパターンは少ないからな。妾のように憑依したとなると、もっと事例は少なくなるだろう。だが、頼れるものは頼っておいた方がいい」


「は、はい。よ、よろしくお願いします」


 ルナ・フォルモントの発言を聞いて、満は何度も頭を前後に振っている。相当怖くなったものと思われる。


「みんな、食事ができたわよ」


「あ、ありがとうございます、おばさん」


 話がちょうど終わった頃に、満の母親がリビングに入ってくる。

 その声に驚いた小麦が慌てて返事をしていたのだが、料理に集中していて気が付かなかった母親は、リビングの様子を見て何があったのだろうかと首を傾げていた。


 ルナ・フォルモントと小麦の話からして、満の状態はどうも思わしくない可能性が高い。

 小麦が連絡を取り、イリスと環の二人と会うことになった満なのだった。

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