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VAMPIRE STREAMING  作者: 未羊


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429/444

第429話 ぴょこらの嫉妬?

「おはようございます」


 Vブロードキャスト社に足を踏み入れたマイカは挨拶をしている。

 スタジオフロアの控室には、ぴょこらの姿もあった。


「おはようございます」


 マイカとふぃりあの姿を見つけたぴょこらは挨拶を返してきた。


「ふぃりあさんと一緒とは、なんとも不思議な組み合わせね」


「えへ、えへへへ」


 ぴょこらに指摘をされて、なぜか笑っているマイカである。


「ふふふ。このVブロードキャスト社から通える範囲にいますから、どこかで出くわしても不思議じゃないですよ、ぴょこらちゃん」


「まあ、それもそうですね」


 ふぃりあがにこにこと言葉を返していると、ぴょこらも納得しているようだった。


「というか、今日はふぃりあさんも配信なんですか」


「いいえ、私はASMRの収録ですよ。本当は新学期の前に録りたかったんですけど、私が忙しくて時間が取れませんでしてね。今日ようやくといったところです」


「そうなんだ。いいわね、ASMRの販売ができて」


「ぴょこらちゃんもそのうちできますよ。早く成長しませんとね」


「ぐぬぬぬ……」


 ふぃりあとのやり取りで、最後にちょっと引っかかることを言われて、ぴょこらはついムキになってしまっているようだ。

 今回ふぃりあが収録するというASMRはPASSTREAMERの規約によって、未成年者の利用が制限されてしまっている。Vブロードキャスト社も配信ではPASSTREAMERを利用しているので、当然ながらASMRでも同システムの規約に則っているのだ。

 つまり、未成年であるマイカとぴょこらの二人には、まだまだASMRの許可が下りないというわけである。

 そのことによって、先程のふぃりあとぴょこらのやり取りが生まれるというわけなのだ。未成年者にはまだまだ世知辛いのである。


「はあ、あと4年かぁ。長いわよ」


「我慢だよ、ぴょこらちゃん」


 ぴょこらは頭の後ろに手を回して、つまらなさそうに天井を見上げている。

 マイカはその姿を見て、つい笑ってしまっていた。


 二時間後、マイカとぴょこらは無事に配信を終えて控室に戻ってくる。

 新学期ということもあって、簡単なトークと歌を披露してと終わりという、ちょっと短めの配信だった。


「いやぁ、歌うとは分かっていたけれど、緊張しちゃったな」


「それは私もよ。アイドル路線だから割り切ってはいるけれど、歌うとなるとまだまだ慣れてないからね」


「お疲れ様。はい、ジュースよ」


「ありがとう、ふぃりあさん」


 控室に戻ってきて軽く反省会をしていると、ASMRの収録を終えたふぃりあが入ってきた。


「大変ね、歌って踊るっていうのも」


「ええ、体力を結構使いますよ」


「楽しいからいいんだけどね。でも、やっぱり失敗したらどうしようっていう心配はしちゃうかな」


 ふぃりあが声をかけると、マイカとぴょこらはそのように答えていた。


「あら、ぴょこらちゃんは自信ありげな感じだけど、そんな心配してたのね」


「そりゃ、私だって普通の女子高生ですからね」


「ふふっ、そうなのね」


 ふぃりあの感想を聞いて、ぴょこらは頬を膨らませている。まだまだ子どもっぽいその仕草に、ふぃりあはつい笑ってしまう。


「そういえば、ふぃりあさんはなんでマイカと一緒に来たのかしら」


 拗ねていたかと思うと、ぴょこらは急に話題を変えてきた。これにはマイカがちょっとびっくりしているようだ。


「たまたまご近所だということが分かってね。それで、マイカちゃんのお母さんに許可をいただいて私が送ってきたのよ。帰りも私が送っていくから、安心してちょうだい」


「うげっ。個人情報を押さえちゃってるのね。怖いわぁ」


 ふぃりあが話をすると、ぴょこらは露骨に嫌な表情をしている。


「うふふ。どうしてそのようになったかは、ご想像にお任せするわ。でも、私としては仲の良い二人を見ている方が癒されるから、今まで通りでいてほしいけどね」


「まあ、そうさせてもらうわよ。なんといっても私たちはぴょこまいなんだからね」


 ふぃりあがお願いするように声をかけると、ぴょこらは胸を張ってしっかりと答えていた。


 配信後の雑談もほどほどに、マイカとふぃりあはVブロードキャスト社から帰宅の途に就く。

 この瞬間から、マイカとふぃりあではなく、香織と打波先生に戻る。

 車に乗り込み、自宅へと向かって走らせ始める。その最中、打波先生は香織に話しかけていた。


「ぴょこらちゃん、ずいぶんと踏み込んできましたね」


「そりゃそうでしょう。先日まであそこでしか絡みのなかった私たちが、こうやって一緒に行動しているんですもの。ぴょこらちゃんはマイカちゃんの相方でしょう? だから、あちらからすれば取られたように感じるのよ」


「そ、そういうものなんですかね」


「ええ、多感な頃なら、同性同士の関係でもある話よ。ふふっ、あなたたちみたいな関係はちょっとうらやましいかしらね」


「ちょっと、先生ってば何を言ってるんですか?!」


 打波先生がちょっとからかい気味に話すと、香織は少し赤くなりながら抗議をしていた。


 今まではブイキャスの同期としての付き合いだった二人だが、高校の教師と生徒という新しい関係ができ上がった。

 はたしてこの関係が今後にどのような影響を及ぼすのか。現段階では誰にもわからないことだった。

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