表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/1

偽聖女視点前編

誤字報告ありがとうございますm(_ _)m

やめて!


「「「ゴヴゥ、ゴヴ、ゴブ、ゴヴゥ」」」


やめて〜!


「「「ゴヴゥ、ゴブゥ」」」


 やめてやめてやめてやめ‥‥私は聖女よ!

ギルバート王国では英雄扱いの私が‥‥・せっかく邪魔な剣士も勇者の元婚約者もいなくなったのに!

全て私の思い通りだったのに‥‥

何で私が‥‥ゴブリンなんかに‥‥


 偽聖女はゴブリン達に連れていかれ強姦されている。魔王を倒した英雄、全ての傷付いた者を癒す聖女と国では言われているがゴブリンには関係ない。ただゴブリンの繁殖の為、弄ぶための物として扱われている。もう勇者は助けに来ない。なぜなら勇者はゴブリンに倒され食べられているから。だから偽聖女は助けを呼んでも誰も来ない‥・

彼女は死ぬまでゴブリンの子を産むだけの存在として生きていくだろう。回復師のスキル自動回復があるせいで簡単には死ねない。しだいに精神が破壊され、最後には壊れた人形になるだろう。偽聖女は意識が薄くなり今までの人生が走馬灯のように巡った‥‥



◆◆◆

「お父様!私勇者パーティーの一員になりたいわ」


「駄目だ!ユリアそんな危ない所にはいかせん!」


「私英雄になりたいの!英雄になればお父様だって、もっと偉くなれるわよ!」


「うぬぅ‥‥願いを叶えてやりたいんだがな。ユリアは回復魔法は優秀だし、王に頼めば入れられるがな‥‥あっ!‥‥いい方法を思いついたぞ!奴隷商からユリアと背格好で同じ回復魔法の使い手を買ってくればいい!魔法で顔も変え、逃げださないよう奴隷印の魔法をかけよう!そしてユリアの代わりに勇者パーティーの一員として潜り込ませる!それで魔王を倒したらユリアと交換すれば危険じゃない!これでユリアは英雄になれる」


「さすがお父様ね!最高だわ!」


「5日前に勇者が誕生したから、早く同じ回復魔法の使い手の人間を探さないとな!じきに王は勇者の同行メンバーを探すだろ。おい!話は聞いたな。ダン!孤児院から連れて来い。金貨一枚あれば足りるだろう」


「御意!」


公爵家の影が金貨を受け取り部屋から出た。

今日中には連れてくるだろう。


「ふふふ!何もしなくて英雄の称号を貰えちゃうわ!だって私はユリア・アズール公爵令嬢ですもの!」

ユリアは公爵家の三女として生まれ何不自由なく暮らし、何でも欲しい物が手に入った。お金で買える物は全て手にいれたユリアはお金で買えない称号が欲しくなった。父に相談すれば危険な目に遭わずに英雄の称号が貰えると。


そして数時間後、ダンが戻って来た。私と同じ背格好の人間を。


「あなた回復魔法は使えるのよね!レベルはどのくらい」


「‥‥はい‥‥初級の回復魔法しか使えません」


ユリアは金貨一枚で売られて来た女に質問した。


「初級!回復師なのに!平民だからしょうがないわね。たぶんお父様にお願いすれば大丈夫ね。私の願いなら何でも叶えてくれるんだから。あなたの名は?」


「‥‥サリーです」


「その名は捨てなさい!次からはユリアと名乗るのよ。私の替え玉なんだから」


「‥‥はい」


「物分かりがいいわね!魔王を倒し入れ代わりに成功したら、あなたを自由にしてあげるわ。ふふふ、私を裏切らなければね。ダン、変装魔法と奴隷印魔法をかけなさい。奴隷印魔法を解くには主人の私が解除の命令するかダンが死ぬかよ!だからあなた1人では解除できないの。

さぁ、ダンやってちょうだい」


ダンは無言で無詠唱で二つの魔法を行使した。サリーは光に包まれ徐々に顔がユリアに変わっていった。腕には奴隷印が刻まれた。


「わぁ!私そっくりだわ!」


サリーは自分の顔をペタペタと感触を確かめ鏡で自分の顔を見て驚愕していた。


「私じゃない‥‥」


「ふふふ!これなら大丈夫そうね。あなたはこれからユリアとして私の代わりに勇者の一員として頑張りなさい!くれぐれも死なないように。あなたは自分の命だけ守りなさい。わかったわね」


「‥‥はい、わかりました」


「ダンはこの子と一緒に行きなさい。もし、変なまねをしようとしたらすぐに殺しなさい』


「御意!」

ダンは主人の命令を受けダンも勇者パーティーに入る事が決定した。

ユリアが父に頼めば叶うのだから。


◆◆◆


サリーはユリアとしての所作や言動を短期間で叩き込まれた。

そんな忙しい日が過ぎて行き、とうとう旅立ちの日が来た。


「サリー、今日から魔王を倒すまではあなたはユリアよ!ダン、後はよろしくね」


「はぁ!」


そしてダンとユリアは勇者パーティーの一員として旅立った。



「‥‥サリーは魔王を倒したら自由になれると思ってるのかしら!最後はダンに殺されちゃうのに。可哀想なサリー!

はぁ、どうしましょ!私暇になっちゃうわ!あっ、そうだ!お姉様の嫁ぎ先の国に遊びに行こうかしら。早くお父様に伝えなきゃ!ふふふ、楽しみだわ」


本物のユリアは魔王を倒すまでの間、ずっと別の国で楽しく過ごすのだった。



◆◆◆

それから3年後

ギザール国とは別の国にて‥‥


「ユリア様!魔王が倒されました」


影がユリアに報告した。


「やっと倒したのね。ふふふ、やっとこの時が来たわ!さぁ、サリーと入れ代わりに行くわよ!」


「御意!」

影に命令し、すぐに勇者のもとに出発した。


2日かけ到着したが予想外の事態になっていた。ユリアとダンがいないのだ!ダンにも奴隷印がかけてあるはずなのに、私の命令なしに逃げることは出来ないのにおかしいわね‥‥。

「リアン、ダンを探しなさい。もし、ダンとサリーが逃亡していたら殺せ」


「御意!」

影のリアンはその場から消えた。

リアンに任せれば大丈夫だろう。リアンはダンを影として育てた師匠なのだから。


「ユリア様!魔法使いのメイリンもいません。今は剣士カイザーと勇者アバンだけです」


「ふふふ、ちょうどいいわね!英雄は少ない方がいいわ。剣士カイザーも消えてくれればいいのに。たしか私は聖女と呼ばれているのよね。サリーいい仕事したじゃない。聖女の称号も手に入れちゃったわ!」


そしてユリアは勇者と何食わぬ顔で合流し、王都まで帰っていった。その間にユリアは勇者に惹かれ好きになり新たな婚約者にしてもらう約束をした。

なぜならユリアは称号を得て満足し、また次の物がほしくなったのだ。もちろんお金で買えないものだ。それはギザール王国、国丸ごとを欲しがったのだ。自分が女王になるために。勇者の力があれば余裕で掌握できる。

だからユリアは勇者が欲しかった。魔王を倒す程の力を‥‥



だが、これが破滅の始まりなのだった‥‥

ユリアの傲慢な性格、親の甘やかし過ぎのせいで国が滅びる事になるとは‥‥


◆◆◆

王都まで帰る途中、勇者はクズだった。勇者は女遊びが激しくなった!ユリアだけでは満足できずに女を数人連れて王都まで帰って来たのだ。ユリアは我慢した。この国を手に入れるまでは。手に入れた後は強力な奴隷首輪を掛ける予定だ。もう影には用意してもらっている。

「勇者様!私が婚約者になったのですから元婚約様に婚約破棄をしに言った方がよろしいんではないんでしょうか?元婚約者様はずっと勇者様を待っているはずなので早く知らせてあげましょ!」


「さすが聖女だな!そうだな、俺を三年間ずっと待ってるんだもんな!じゃあ、明日行こうか!」


「はい!勇者様♡」

これで邪魔者は1人消えるわね!‥‥もう1人の邪魔な剣士はどこにいったのかしら?

後で影にでも探させないとね。

ふふふ、明日が楽しみだわ!


短編や勇者視点に評価してくださった方々ありがとうございますm(_ _)m


完結までは必ず投稿致します


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ