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ピクシースパイス ―魔法少女大戦―  作者: 弥馬田 ぎゃん


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復讐者 現る

魔法少女ピクシークラッシャーことジュリアーノ拳子は、アフリカ系の血が入っていて、肌が黒く、身長が180cmあったが、日本生まれの日本人で日本語しか話せない17歳の少女であった。

胸板が厚く、ぽわんぽわんせず、ガッチガチに硬く、全体的に筋肉質で肩幅も平均的な日本女性よりずっと広かった。腕周りは、男の太もも程太く、太ももは、もっと太かったが、ウエストは、きゅっと絞られていて、腹筋は、キレイにシックスパックに割れていた。

その体躯で普段から魔法少女の戦闘服でもないのに、ミニスカの黄色いワンピースを着用していたので、周囲から怪訝な目を向けられる事が多かったが、本人は、それを気にしたことはなく、強心臓の持ち主でもあった。

彼女は、ご機嫌な足取りで片手に缶のジンのソーダ割りを持ち、人気のない深夜の路地裏を歩いていた。

17歳の飲酒は、法令違反だったが、すでに魔法少女としての引退届けを出し、退化薬も打ち、政府の監視対象ではない為、誰も見てないだろうから、バレないだろうとタカをくくっていた。

誰がこの体躯を見て、17歳の少女だと思うのか。

多額の退職金も貰い、彼女の銀行の預金額は、17歳の少女が所得している平均的な預金額をはるかに上回っていた為、人生の中で最もハッピーな感覚を味わっていた。

そんな有頂天なジュリアーノ拳子に一人、近づいていくサラリーマン風の紺色のスーツ姿の男。

ぴっちりと紺色のネクタイも締めているその男は、ジュリアーノ拳子の進行方向に入り、彼女を通せんぼするように立ち止まる。

ジュリアーノ拳子も立ち止まり、



「なんだ? この、おっさん? 」



と上から睨みつける。

男は、名乗らなかったが、名を蝉川せみかわ 秀一しゅういちと云う。

蝉川は、ジュリアーノ拳子に



「破壊の魔法少女ピクシークラッシャーだな?」



と訊ねた。



「なに? おっさん、アチシのファンなわけ? 悪いけど、アチシ、もう、魔法少女は、やめたわけ。サインならお断りよ」



「一年前、お前ら、魔法少女が殺した女の子の名は、覚えているか?」

と蝉川は、訊ねた。



「なに? おっさん、誰なわけ?」



「なるほど、一年前は、私も被害者遺族として、ニュースにたくさん出たんだが、まるで見覚えがないと」



蝉川は、暗闇より暗い笑みをたたえて、ズボンからさっとベルトを引き抜き、それで馬を鞭打つ騎手のようにジュリアーノ拳子の缶のジンのソーダ割りを掴んでいる方の手の手首を強く打った。

缶のジンのソーダ割りは、飛んでいき、遠くの地面にカン!と音を立てた。

魔法少女ピクシークラッシャーのジュリアーノ拳子の左手首からは、血が吹き出ていた。

蝉川は、自らのベルトに人工ダイヤモンドの破片を大量に塗り込み、接着していたのだ。

ベルトのしなりに合わせて、加速した荒い人工ダイヤモンドの破片は、いとも簡単に皮膚を裂き、肉をえぐった。

酒が回っていて、何をされたかわからないジュリアーノ拳子は、左手首に違和感を覚え、視認してから、痛みが走り、



「何するだ、テメ!!」



と右拳で蝉川に殴りかかる。

蝉川は、それを薄いビジネスバッグで受け止める。

力強く打ったジュリアーノ拳子の右拳から骨が飛び出る。

異様に薄いビジネスバッグには、鉄板のような固いものが、仕込まれていた。

ジュリアーノ拳子が顔をしかめている間に蝉川は、ジュリアーノ拳子の両の膝裏を両腕でホールドし、そのまま彼女を仰向けに押し倒す。

彼女の胴の上に馬乗りになり、マウンティングポジションを確保すると、両の拳でめためたに彼女の顔面を殴りつけた。

ジュリアーノ拳子は、意識が飛び、前歯が何本も折れた。

それでも、蝉川は、



「マナの痛みは、こんなもんじゃないぞ!!」



と執拗に殴り続けた。

でも、殴り殺しはしなかった。

ジュリアーノ拳子の顔が元の面影をなくしてから、殴るのをやめ、彼女の両の手首と両の足首を結束バンドと紐を使って海老反り型に拘束し、彼女の胸にリボンで飾り付けるように時限爆弾を設置した。



「おい! 嘘でしょ!?私があんたに何をしたって言うのよ!!」



意識を取り戻したジュリアーノ拳子は、自らの胸でピコピコと光り、カチカチと鳴る時計の音に異常な恐怖を覚える。ドラマでしか見たことのない状況に自分はいると確信していた。



「マナの恐怖は、こんなもんじゃなかったはずだ……」



と言って、蝉川は、ジュリアーノ拳子を残し、遠ざかっていく。


「誰かぁー!!誰でもいい!!助けてぇー!!」



蝉川は、ジュリアーノ拳子のその叫びが聞こえない距離まで離れると携帯を取り出し、誰かと連絡をとりあう。



「ああ、今、問題なく三人目を処理した。魔法少女の中で一番、体躯のでかく、徒手空拳に優れているピクシークラッシャーを、な。この調子なら、残りの魔法少女も簡単に処理できるだろう」



蝉川の後ろで巨大な閃光の柱が打ち上がり、轟音が響き渡る。

が、市民の通報で警察が爆発現場に辿り着いた時には、ジュリアーノ拳子の身体の一部さえ、残ってなかった。

ジュリアーノ拳子の死と彼女の肉片が確認されたのは、1週間後の大阪湾――、それから、さらに引退届けを出した魔法少女二人の行方がわからなくなってる事が判明し、事態の深刻さが露わになった。

生き残っている魔法少女と元魔法少女全員にその事が伝えられるも、復讐者の手が休まることはない。

蝉川の次の標的は、退化薬をまだ打っていない現役の魔法少女であった。

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