ジャパン・ストロンガーズ
ジャパン・ストロンガーズ計画は、日本の国防を担う子供のオモチャから軍事兵器までを開発・生産する超一流企業フゴウ・コーポレーションのCEOフゴウ・タカラが立案した魔法少女に代わる新たな日本のヒーローを生み出す為の計画――。
その日本の新たなヒーローを生み出す為の計画のパイロット版、実験体に選ばれたのは、5人の死刑囚である。
ジャパン・ストロンガーズ1人目――。
堂田林 猛。
パンクロッカーのようなつんつんと尖らせた髪型、身長188cm体重100kgの筋肉質な体つきの彼は、いわゆる半グレ組織の頭だった。
表向きは、MMAの格闘家だったが、試合で三人の対戦相手を殴り殺してしまい、いずれも事故扱いでそれで起訴される事はなかったが、メジャーの格闘技団体全てから出場禁止くらってしまい、地下格闘家になる。
が、そこでも、試合中に対戦相手を殺してしまい、やはり、試合に出れなくなる。
と同時に自らが設立した半グレ組織の金庫番が裏切り、犯罪で儲けた金を全て持ち逃げされてしまう。
生活苦になった堂田林 猛は、知り合いの闇金業者から100万円を借り、返済期限が来ても、金を払わず、
「100万出せよ」と暴力を使って、恐喝――。
闇金業者が断ると、「いいから、テメェは、金だけ俺に払ってりゃいいんだよぉ!!」と言って、殴り殺してしまう。
当然、殺人罪で逮捕されたが、その時点では、死刑にはならず、無期懲役が言い渡される。
が、服役初日に看守を「シェフを呼べ。飯がまずいぞ」と言って、三人殴り殺し、死刑判決を受ける。
死刑執行免除と釈放を条件にフゴウ・タカラに絶対服従の契約を結び、ジャパン・ストロンガーズ計画に加入――。
フゴウ・タカラからの指令でジャパン・ストロンガーズの他の四人と共に新大阪都庁に銀色のダイヤモンド繊維の特殊全身スパッツ姿で来た堂田林 猛は、クラーケンマン久保田 和也のイカの触手の一薙ぎで新大阪都庁の壁に叩きつけられ、戦闘不能となる。
ジャパン・ストロンガーズ2人目――。
荒巻 則夫。
身長2m体重200kg越えの巨漢で年がら年中SLUMPのロゴのついた羽付きの赤い帽子とオーバーオール姿の彼は、親の金で生活するニートであり、魔法少女ヲタクだった。
彼の推しは、ピクシースパイスで彼は、ある日、ピクシースパイスコラボの限定スマホを購入しに街へと出かけた。
発売日前日の夜からブルーシートを敷き、徹夜で列に並び続け、彼は、限定30台のそのスマホを手に入れた。
が、帰宅中の公園で転売目的の不良達に囲まれ、金属バットで襲撃され、ピクシースパイスコラボ携帯を奪われてしまう。
その時、彼の人生には、今まで起こらなかった不思議な事が起こる。
金属バットで殴られ、不良達に散々、蹴られ、踏みつけられたのに、ちっとも痛みを感じなかったのである。
根っからのいじめられっ子で中学生時代、不良達に毎週のように暴力を受け、カツアゲされ、それが原因で不登校になり、エスカレート式にニートになった荒巻則夫は、それまで弱者だった。
が、長年の引きこもり生活の不摂生と暴食でついた全身の脂肪とピクシースパイスコラボ携帯を理不尽に奪われた怒りによるアドレナリンが彼をモンスターへと変えた。
気づけば、彼は、生まれて初めて暴力をふるい、不良達を血みどろになるまでボコボコにし、ピクシースパイスコラボ携帯をその手に取り戻していた。
脂肪が鎧となり、攻撃の圧力となり、そのうえ、大人になって、身長も伸びたこともあり、彼は、いつの間にか、知らず知らずのうちに強くなっていた。
それから彼は、タガが外れたようにヲタク狩りをするヤンキーを見つけては、タフネスになった己のわがままボディのフィジカルを存分に使い、ヤンキーを狩る自警行為を始めるようになる。
それは、中学生時代にイジメてきた不良という存在全体に対する復讐心と大好きな正義の味方の魔法少女に対する憧れから来る行為だった。
結果、彼は、警察が把握してるだけでも16人の不良を素手で殺し、それでも飽き足らず、6体の魔人を一人で葬った。
逮捕当時、彼をヴィジランテとして、称賛する者もいたが、判決は、当然、死刑――。
その後、彼もフゴウ・タカラと契約し、死刑を免除され、釈放され、ジャパン・ストロンガーズ計画に加入する。
フゴウ・タカラの指令で堂田林と他三人のジャパン・ストロンガーズのメンバーと新大阪都庁に来た銀色のダイヤモンド繊維のはち切れんばかりの特殊全身スパッツ姿の荒巻則夫は、クラーケンマン久保田 和也のイカの触手に両足を掴まれ、ぐるぐると振り回され、脳震盪を起こし、ぐったりと意識を失い、戦闘不能となる。
ジャパン・ストロンガーズ3人目――。
桐山 美獣。
身長170cm体重54kgの彼は、医者だった。
婚約者がステージ4の癌で手術でも切除できない状態である事を知った彼は、古の武術・速鍵拳に救いを求めた。
速鍵拳は、当て字でソクケンケンは、文字がある前からあった武術で忍者の使う忍術の元となった暗殺体術だが、どの文献にも残っていない。
桐山 美獣が速鍵拳を知り得たのは、彼が記憶同調という超能力を生まれつき持っていたからである。
彼は、人や物や場所の持っている記憶をその記憶を持っている対象に触れるだけで、読み取ることができる。
歴史から忘れ去られた武術であっても、その武術が使われた戦場であった大地に触れれば、自動的にその武術を認識、理解してしまう。
速鍵拳が歴史から消えた理由の一つは、刀と甲冑の登場だった。
速鍵拳がいくら優れた殺人体術であろうと拳も足も刀には、勝てない。また、その刀の攻撃を避けたとしても速鍵拳による攻撃のほとんどは、甲冑で完全に防がれてしまい、致命傷を与えることができない。
それで速鍵拳は、歴史から一旦、消えたが、一度だけ息を吹き返した。
速鍵拳の第二の始祖を名乗る人物が甲冑通しなる甲冑の上から平手で甲冑の中の肉体の内臓を破壊する技を作り出したのだ。
が、その直後に銃が歴史に登場し、速鍵拳は、完全に途絶え、その亜流が忍術や柔道や柔術となって、生き残った。
桐山 美獣は、この速鍵拳を記憶同調で知ってから、あるイメージに囚われた。
記憶同調の能力で会得した甲冑通しの技を使って、婚約者の癌細胞だけを消滅させる事は、できないだろうか――。
桐山 美獣は、記憶同調という才能を持っているがあまり、自身の事を神に選ばれた天才だと思い上がっている節があり、その無謀とも思える悪魔の発想の実験に手をつけた。
自らの担当する癌患者の身体を使って、患者に無断で速鍵拳の甲冑通しによる治療を行い、結果、その治療は、ただの殺人になった。
癌患者の癌細胞を甲冑通しで破壊することに成功したが、周りの内臓も傷つけてしまい、患者を死なせてしまったのだ。
その数、6名――。
事件が発覚し、当然、彼も殺人罪で捕まり、死刑判決を受ける。
しかし、彼の甲冑通しの技に目をつけたフゴウ・タカラにスカウトされ、死刑執行免除と釈放と婚約者のフゴウ・コーポレーションの最新医療設備による延命治療を条件にジャパン・ストロンガーズ計画に加入する。
フゴウ・タカラの指令で堂田林と荒巻と他2名のジャパン・ストロンガーズのメンバーと新大阪都庁に銀色のダイヤモンド繊維の特殊全身スパッツを着用し、来た桐山 美獣は、クラーケンマン久保田 和也に手も足も出なかった。
記憶同調で速鍵拳の技を習得しただけの実際の徒手空拳の戦闘経験が無い桐山 美獣は、甲冑通しを当てる為に久保田 和也の懐に入る事ができなかった。
ただ技を知っているのと実際の戦闘で技を繰り出すのには、大きな差があり、戦闘素人の人間のフィジカルで魔人のフィジカルには、対抗できなかった。
彼は、背中を久保田和也のイカの触手で強く弾かれ、それが甲冑通しのように心臓と肺にまで響き、不整脈と呼吸困難で戦闘不能となる。
ジャパン・ストロンガーズ4人目――。
スライスラー(本名不明)。
身長177cm体重60kgの彼は、プロの殺し屋だった。
生まれつき緊張感が高まると左手の人差し指と中指が秒間2000万回震える持病があり、発病してる際になんでもその振動で切り裂いてしまう。
一番最初の殺人は、彼がまだ乳飲み子の頃で最初の犠牲者は、彼の母親だった。
父親に悪魔の子として、捨てられ、最終的に彼を拾い、育てたのは、悪魔崇拝の宗教団体で彼は、団体の敵対勢力を殺す為のアサシンとしての教育を受けた。
彼に生涯、友はなく、誰も彼に深く関わろうとしなかったし、彼もまたそれを望まなかった。
二十歳の頃に自分を育てた悪魔崇拝の宗教の教祖の首を自らの病とも言える切断能力で跳ね飛ばし、フリーランスの殺し屋として独立する。
三十路を迎えた頃に自らを育てた宗教団体と警察の合同作戦で捕縛され、秘密裏に死刑が執行されるところをフゴウ・タカラに拾われ、ジャパン・ストロンガーズ計画に加入し、命拾いする。
自らの救い主であるフゴウ・タカラの指令で新大阪都庁に堂田林、荒巻、桐山他1名のジャパン・ストロンガーズのメンバーと共に銀色のダイヤモンド繊維の特殊全身スパッツ姿で来て、クラーケンマン久保田 和也と戦闘。
イカの触手を自らの万能カッターと名付けた能力で何本か切断するも、久保田和也のイカ墨銃と名付けた高圧縮されたイカ墨の放出を顔面にくらい、吹き飛ばされ、戦闘不能となる。
ジャパン・ストロンガーズ5人目――。
童貞3号(本名)。
身長2m体重不明、握力500kgの彼は、異世界人であり、怪人である。
別世界線で悪の秘密結社に怪人として作られた彼は、ある任務で空間事故に合い、この世界線まで飛ばされ、タイムパトロールに次元崩壊未遂の容疑で捕まり、死刑になるところを異世界人や宇宙人の襲来を待ち望み、全世界を監視していたフゴウ・タカラに保護され、ジャパン・ストロンガーズに半ば無理やりに加入される。
童貞3号にフゴウ・タカラに対する忠誠心はなく、フゴウ・コーポレーションの化学技術を使って、自分の世界線に戻る為に仕方なく、フゴウ・タカラに従っている。
童貞3号は、着たくもない銀色のダイヤモンド繊維の特殊全身スパッツを来て、愛用の黒ヘルメットを被り、フゴウ・タカラの指令通りに他のジャパン・ストロンガーズのメンバーと共に新大阪都庁でクラーケンマンと相対し、戦うことになった。
童貞3号には、アポンツ能力があり、それによって、自分専用の片手撃ち式ガトリング砲・パイオIID改を召喚し、クラーケンマン久保田 和也の射殺を試みるも、クラーケンマンがピクシーブルーファイアの腕を食べる事によって、手に入れた炎殺魔法の青い炎の放射を浴び、パイオIID改の大量の銃弾の火薬にそれが引火し、その爆発で気を失い、戦闘不能となる。
「ったく、どうなってやがんだ?イカげそ野郎に透明になる能力があるなんて、聞いてねぇぞ」
戦闘不能状態から目覚めた堂田林 猛がつぶやくと他の戦闘不能になったジャパン・ストロンガーズのメンバーもむくむくと起き上がる。
ダイヤモンド繊維の特殊素材の全身スパッツの抜群の耐久性と防御力のおかげでくらったダメージ一つ一つが半減し、皆、一命は、奪われる事なく取り留めていた。
しかし、クラーケンマン久保田 和也は、捕食により、ピクシーミラージュの幻影魔法を手に入れており、姿が見えない。見えたと思えば、それは、まったくの魔法による幻でフェイントやおとりに使われ、ジャパン・ストロンガーズの面々は、見事にその策にはまり、一向に戦局に勝利が見えなかった。
戦場は、クラーケンマン久保田 和也の独壇場でジャパン・ストロンガーズは、いいやられ役となっていた。
そこに助け舟を出したのは、未だ白虎の姿のままでいるピクシータイガー白井大河だった。
「あなた達!誰かは、知らないけど、私が嗅覚で嗅ぎ分けた久保田の位置を教えたら、連携は取れますか!?」
「おい、どうする?確か、あいつも抹殺対象なんだよな?」
言って、堂田林は、ジャパン・ストロンガーズの面々に目配せする。
それに答える者はおらず、皆、無視した。
急ごしらえの実験的にできたジャパン・ストロンガーズのチームワークは、最悪だった。
それぞれがそれぞれに行動し、別の事を考えている。
それを見て堂田林は、両腕を広げて、Wを作り、やれやれと首を振った。
「余計なことは、しなくていいから、すっこんでろよ。時代遅れの魔法少女」
言ったのは、ジャパン・ストロンガーズの誰でもなかった。
声が響いてきたのは、天井の方だ。
瞬間、天井が真四角に区切られたように綺麗に寸断され、大量の瓦礫が一階に落ちてくる。
その下敷きになったのは、透明化したクラーケンマン久保田 和也だったが、彼は、すぐにそこから瓦礫を吹き飛ばして、飛び出て、天井に向かい、慟哭を上げる。
「誰だ!!?貴様!!?」
「ジャパン・ストロンガーズの諸君、時間稼ぎご苦労」
白銀色の戦闘スーツで身を包み、大量のダイヤモンドでできた仮面をつけたフゴウ・タカラが周りに鱗粉のようなものを撒き散らしながら、天使のような優雅さでゆっくりと天から降り立つ。
「この物語の主人公、ダイヤモンドダストの登場だ。きらりん✨️」
「ダッサ」
ピクシータイガーの漏れた本音にフゴウ・タカラ以外のその場の全員が同意した。




