彼は死体愛好者??
「はぁ」
「えーと、ってなわけでどうしよう?」
あれから私たちはファミレスへと移動しました。
私はともかく弟君まで叫んで、更にそれを同級生に聞かれてたからね。問い詰められてファミレスへ。
「どうでしょうじゃないわ!!」
メロンソーダを一口飲んで叫んだ。
あらら、突っ込まれちゃったね。
「大体、なんでそんなこと私に聞くのよ。」
「いや、俺はそういう恋?みたいなのは良くわかんないし。てか、兄さんが何を持ってそんなことしたのか…」
変なことを聞くのね。
「祐樹君が死体愛好者だからでしょ??」
「兄さんをなんだと思ってんのさ…」
ことの発端は、私の元・旦那 祐樹君が私の遺影に花を添えたことです。
あぁ、元っていうのは私が死んじゃったからだね。階段から落ちてポックリと。
で、遺影に花を贈るというのは全然普通のことなんだけど、送ったのが白い…見覚えのある花だったの。
ーーそれは、スノードロップでした。
まさかとは思いましたよ?でも、聞いてしまったんです。
『君にスノードロップを贈るよ』 って…
驚きました。
だって、スノードロップの花言葉は【君の死を望む】だもん。それに、明らかに【君】は私…。私の遺影に贈った花だったから。
それで、思ったんです。
彼は…死体愛好者なんだって!だから、きっとそんなことを言ったんだって。
びっくりして、衝撃的で、なんだかもう聞いてられないと思い、私は家を飛び出したんです。
「…あんたには悪いけど、それってあんたが嫌われてたんじゃないの?」
「ちょっ」
「だってそうでしょ。普通好きな人にそんな花贈る?」
確かに…嫌われてたのかな?
心の中で私は私を嘲笑う。
どうしてきずかなかったのか不思議なくらい簡単で、残酷な答えを教えられた。
というか、なんで私は彼が死体愛好者だなんて思ったんだろう。
普通、嫌われていると思うだろうに。馬鹿だな…。
「…でも、兄さんはそんなこと思ってないと思うよ。」
そうだよ、ほんとバカ。
…祐樹君が私のことを嫌ってないって思いたかっただけじゃん。
もう、現実逃避はやめにしよう。…ん?
「俺は、義姉さんの見間違えだと思うんだ。」
「「え?」」
今、この弟君はなんて言った?私の…見間違え?
「そっか、私の見間違えか!!」
「いやいや、それはないでしょ?」
はっ!私、しっかりしなさい。
もう、逃げちゃダメなんだから!!
弟君は私をなぐさめようとしているに違いない。
だって、祐樹君は私のことがめちゃくちゃ嫌いで…あ、目から汗が。
というか、流石に見間違えは信じられないんだけど。だってはっきりと見たし…あ、目から滝が。