表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/10

Scene 2-5:片鱗を見せ始める“影”

2週間ちょい振りです。お待たせしました。


アーク

「読者数4桁突破!…で?だから何?」

ミント

「うわ、ふてぶてしい!」

 

↓本文ごー

 


 ‐ACT8‐




 

「「「…はぁぁ……。」」」


 力無く溜め息を吐くのは、ミント、ウェニー、リトルの三人。

 三人ともしっかり目に隈をつくっている。


「なんだ、皆元気ないね。どした?」

「「「あなたのせいでしょうが!!」」」


 そうなのだ。

 結局、アークとミントの騒動(?)は夜が明ける直前まで続けられ、皆が皆(何故かアーク以外)寝不足なのだった。


「…嬢ちゃん達、大丈夫か?」

「大丈夫でしょ。」

「「「あんたが言うな。」」」


 様子を心配してくれた棟梁の言葉も、アークの前では水泡に帰してしまう。棟梁も呆れて物が言えないようだ。

 そんな棟梁を他所に、一人元気なアークを先頭に宿を、街を出るのだった。






 一行が目指す場所は、大陸の南東に位置する洞窟“ポリダ=ケイヴ”。その洞窟の前には谷があり、橋が一つだけ架かっている。

 しかし、ここ最近誰かがこの橋を占拠し、洞窟に近付く者を追い払っている、と言う。

 以上が街で得た情報である。


「どうします?交渉したり出来ないでしょうか?」

「多分無理ッスよ。その占拠してる奴らっていうのは、恐らくあいつの仲間ッス。オレ達の事は既に知られてる可能性があるッス。」

「そうだね。十中八九、あたしらの邪魔をしてくると思ってた方がいいね。」

「まあ、そん時は正面からぶつかればいいじゃん。とりあえず、大陸の反対側に吹っ飛ばせば大丈夫だろ。」

「…どうやって大陸の端まで吹っ飛ばすつもりですか?」

「アー〇パーーンチ!で…」

「吹っ飛びませんよ?そんな簡単に人間吹っ飛びませんよ?」

「大丈夫、きっと出来る!」

「どこからその自信が来るんですか!?」

「勘!!」

「アバウト!!」


 周囲の目など、何のその。今日も二人はコントに勤しみます。

 残り二人は、当然の如くスルーである。


「って置いてかないでくださいよ、二人とも!」

「あ、放置プレイか。」

「いや、違いますよ!!」


 そんな漫才をしながら、ようやく街を出るのであった。






 ポリダ=ケイブまでの道程はさほど険しいものではない。ものの数時間で辿り着く。

 その道中、一行は魔物に全く出会わなかった……否、人間や動物などの『命の気配』すら感じられない。

 それは、何者かの意図によって動かされているかのように……。

 

「静かだな。」

「ええ…。すごく、不気味です。」

「奴らが何か仕掛けて来てる可能性があるね。皆気を引き締め……ッ!!」


ザザッ!


「…囲まれたッスね(気配が感じられなかった……、あの時と同じ…?)。」

「チッ、面倒だね。」


 今まで誰もいなかった彼らの周囲を、十人程が囲い込んだ。皆、一言も発しない。

 それよりも不気味なのは、その十人が全員『死んだような』目をしていることだ。虚ろな眼差しで四人を見据えている。


「…やーな感じ。さっさとブッ倒しちまうか。」

「賛成だね。」


 四人は各々、戦闘態勢に入る。

 




「フッ!ハッ!ヤッ!セイヤ!!」


 迫り来る攻撃の雨を、アークは最小限の動きで受け流していく。そして、攻撃に失敗した為に隙が出来た敵の胴に、掌低を叩き込む。

 後方に吹き飛ぶ男達。しかし、すぐに受身を取って態勢を整え、再び向かって来る。掌低故に、その身にあまりダメージは無いようだ。


「ハァ、しょうがねぇ。魔術も使うか。」


 出来れば後に控える戦いのために魔力を温存したかったアーク。しかし、そうはいかないと悟った彼は、その掌に魔力を込めていく。

 一人の男が彼に斬りかかる。それを受け流し、そして…


追雷掌破(ついらいしょうは)!!」


 …男の胴に掌低が叩きこまれ、距離が開いた瞬間に電撃の塊を放った。

 技を喰らった男は、かなりのダメージを負ったようだ。

 他の男達が、再びアークに攻撃を仕掛けようとしている。


「雑魚四人ぐらいで、俺を倒せると思うなよ?」


 アークは、残り三人の男達と対峙する。




 

「派手にやってるねぇ、アークは。」


 迫る敵の攻撃を長剣で(さば)きながら、ウェニーはそう呟く。

 相手にしているのは、三人の男。それぞれが短剣で攻撃を繰り出してきている。


「チッ…こっちも魔術使うしかないね!」


 三人から距離をとり、左手に魔力を込める。そして…


「不気味な奴らは吹っ飛びな!水撃(アクアスマッシュ)×3!!」


 …ウェニーの掌から三つの水球が敵に向かって飛んでいく。直撃した男達は、後方へ吹き飛び木に背中を打ち付ける。

 すぐに起き上がれない様子を見ると、かなりダメージがあったようだ。


「(…?何かが違うね。人間や魔物を相手にする時と何かが…)。」


 ハンターとしての経験からか、男達に違和感を感じ取ったようだ。ウェニーは、その朧気(おぼろげ)な感覚に顔をしかめる。


「…っと。今は倒すことに集中しないとね。」


 気合いを入れ直し、態勢を整えた男達に再び対峙する。




 

「クッ!しつこいッスね!」

 

 そう怒声を張るのは、リトルだ。魔弾を乱射し続け、傍らのミントに攻撃の手が回らないように動く。召喚詠唱が必要であるミントは、どうしても接近戦が苦手だ。前線に立つ二人に代わり、リトルがフォローに回っているのである。

 彼が声を荒げるのも仕方がない。魔弾により肩が、腹が、額が撃ち抜かれても、男達は攻撃の手を止めないのだ。


「化け物にも程があるッスよ……焔装、破弾!」


 リトルは、銃に魔力を込める。そして、炎の弾丸が放たれる。敵に着弾すると、その弾丸が破裂した。

 爆撃を至近、もとい零距離で受けた男の一人は、爆発により肉体が四散する。

 後には、何も残らない。しかし、攻撃を受けなかった残り二人が迫って来る。


「まだ来ます!」

「怯みもしないッスか、人形みたいッスね!」


 非人間染みた敵の行動に辟易しつつも、残り二人と対峙する。







「…ふう、終わったね。」


 およそ一時間後、ウェニーは三人の男達を退けたようだ。起き上がる様子がないところを見ると、戦いは終わったことが分かる。


「そっちも終わったッスか?」

「なんとか、ね。それより、こいつら…。」

「ええ…、『生き物』らしい感じが全くないですね…。」


 リトル達も戦いを終え、ウェニーに合流する。お互い、同じ印象を抱いたようだ。


「ところで、アークさんは?」

「ああ、あいつはあっちにいるよ。四人も相手にしてたけどね。」

「相変わらず、無茶な人ッスね〜。」


 そんな言葉を二、三交わしつつ、アークの許に向かう。


 

 


「……………。」


 アークは体を洞窟がある方へ向け、沈黙を保っていた。その背中からは、普段のおどけた雰囲気は読み取れない。


「アーク、どうだい?そっちも終わったか…。」


 ウェニーが全てを言い切る前に、左手を横に出しそれを制する。すると同時に、倒された男達から『何か』が這い出てくる。


「これは…!?」

「…ヒッ!?」

「どうしたッスか、ミント…ッ!?」


 リトルやミントが見たもの、それは『何か』が抜けた男達の体が、急激に腐っていく様であった。

 後には白骨だけが残る、不気味な光景だ。


「…どういうことだい、これは…?」

「さぁな。ともかく、敵さんにはもう気付かれてるし、邪魔もされるってことだ。」


 四人は気を取り直し、目的の場所“ポリダ=ケイヴ”へと向かう。




 

 十分ほど歩いたところで、目的の洞窟についた一行。洞窟は何の変鉄もなく、佇んでいる。


「…いるな、この奥に。」

「ええ…『残り香』が漂ってますね。魔力と違う『何か』が…。」

 

 そう、洞窟そのものになんら不思議なものはない。しかし、その奥から放たれる『何か』が、四人に恐怖のような何かを感じさせるのだ。

 敵は、間違いなくこの洞窟の奥にいる。そう確信させるだけの空間が存在する。

 

「よし!じゃあ例の男とやらを倒しに行こうか!」

「勿論ッス!」

「ええ、行きましょう!」

「………………。」

「…?アークさん?」

「…ん?…ああ、悪い。そんじゃそのおいたが過ぎる奴の許に急ごうか。」

「え、ええ(どうしたんだろう、いつもと様子が違う気がする…)。」

 

 アークの態度をミントは不思議に思いつつも、二人は先を歩くウェニー達とともに、洞窟の中へと入って行く。

 

 

 

 

 

 これから始まる戦いがアークに変化をもたらすことを、彼自身もまだ気付いてはいないのであった…。

いやー、内容が思い付かないし、個人的に大地殻変動があったりで更新出来ませんでした!

次はなるべく一週間以内に投稿する!


アーク

「約束は破るためにある!」

ミント

「こらー。」

 

今度はきっと大丈夫!保証します!

 

 

家の中より外のほうが涼しいってどうなんだろ、と思う、喜劇作家でした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ