Scene 2-3:忍び寄る、悪の影
更新一週間以上遅れたゼ、Yeah!!
ミント
「いや、ちょっとは反省しましょう!?」
反省なんて必要ねぇ、Say!
アーク
「必要ねぇ!必要ねぇ!」
ミント
「乗るな!!」
嘘です。遅れてマジスンマセン。
僅かながら覗いて下さってる方々、申し訳ない。
この畜生めの首を斬り落としてくだせぇo......rz
本文GO!
‐ACT6‐
「じゃあ、また今度連絡してくれッス。無理はするなッスよ!」
「…うむ。」
此処は西の大陸“レーベ・サンライト”北部、北の大陸“アルティマ・スーリ”に船を出す唯一の港がある町“パサール=パーソン”。二ヶ月程前にリトルは昔馴染みの戦士と別れることになった。
彼ら二人は、リトルの研究の為に各地の遺跡を探索していた。リトルは調査に専念できるよう、友人の戦士を護衛につけていた。
その調査の中、リトルは不思議な『石』を発見した。
それは、何かの力を秘めているようだが、自然のエネルギーとも、魔力とも違う異質なオーラを放っていた。
リトルは、この石について詳しく分析するため、一度自分の研究所に戻ることにしたのだが、その戦士は『北の大陸へ行ってみたい』と言った為、この町で別れることになったのだ。
寡黙な戦士は、短い返事を返し、漁船のような小さな船に乗り込んで行った。
それを見届けたリトルは、少し心配そうな顔をしながら、東の大陸にある自分の研究所を目指すのであった。
「それにしても、何なんスかね、この石は?なんか禍々しいオーラを放ってるッスね…。」
誰かに問いかけるでもなく、リトルは一人呟く。
一般の人間が見ればわからないだろうが、魔力を有する者ならばその石が不気味な力を感じさせることに気付くだろう。それほどに異質な力のようだ。
「不可触の物って訳じゃ無いッスよね…。とりあえず、調べないことには解らないッスね。」
そう言って、歩を進めようとしたその時、彼の前に男が立ちふさがった。
「ッ!!」
気配が全く感じられなかった為に、身構えるのが遅れたリトル。護衛が居ない今は、彼自身が己を護らねばならない。
男はゆっくりと語りだす。
「『その石を渡せ。さもなくば、命は無いと思え。』」
「(…?声が二重に聞こえるッス…)」
リトルの耳は二つの声色を拾った。
一つはその男のものであろう声。もう一つは、この世のものとは思えない雰囲気を持った異様な声。
たった一言だが、その身をすくませるほどの威圧感を放っていた。
「『選べ。生き永らえるか、それともここで息絶えるか?』」
「アンタを倒して、ここを過ぎるッスよ!!」
言うや否や、左右の銃をとり、“魔弾”を放つ。
しかし、突然男の姿が目の前から消え、弾は外れた。驚き、辺りを見回すリトル。
「『何処を見ている?』」
「ッ!?」
声がしたのは、彼の頭上。なんと空中に立っていたのだ。
「なッ…!?」
「『どうやら、すぐに死にたいようだな。ならば、この場で死んでもらおう。』」
そう言って、男はその手に力を込める。それは、魔力とは異質で禍々しい、そう、リトルが見つけた『石』に似た力。
「『散血之雨。』」
静かに技の名を唱えた男の手から、赤黒い棘状の突起が彼を頭上から襲う。
瞬時にバックステップを決め、反撃に出ようとするリトル。しかし…
バシィッ!!
「ッ!?こ、これは、罠ッスか!!」
…彼が避けた場所から『土の手』が伸び、彼の足を固定してしまう。
物に魔力を込めることにより、その物が『魔術』となる。それが“罠”と呼ばれる“魔道具”だ。
リトルは地面に予め仕掛けてあったのだろう、“マッドハンド”の罠に掛かってしまったのだ。
「『最初から大人しくしていれば良いものを…。その石は渡してもらうぞ。』」
「くっ…!」
その場から動けないリトルから、石を奪う男。
ふと、彼の目がある一点に留まる。
「『ほう、不可思議なペンダントだな。それも頂こうか。』」
「ッ!返せッス!」
リトルが首にかけていた紅いペンダントを男は奪う。
リトルの目が血走る。彼にとってとても大事な物のようだ。
「『返してほしいか?』」
「当たり前ッス!!」
「『そうか。なら、資金を調達してもらおうか。』」
「金…?」
「『この大陸の通貨はDだったか。なら、それを600万用意しろ。』」
「なっ…!そ、そんな大金持ってる訳無いじゃないッスか!?」
「『ならば、このペンダントは渡せんな。それともう一つ。資金は人から盗め。』」
「なっ…!?」
「『もし、他のやり方で稼いだ時は、この国の人間を一人残らず殺す。それでもいいなら、真っ当に稼げばいい。』」
「くっ…!」
国中の人間を殺すことなど出来るわけがない。
頭の片隅ではそう考えている。しかし、この男ならばやりかねない、そんなオーラをリトルは感じていた。
「…分かったッス。盗賊になって、600万D稼ぐッス。」
「『それでいい。出来る限り早くしろ。このペンダントが大切ならば、な。フハハハ、ハーハッハッハッハッハ…。』」
高笑いと共に、その男は『消えていった』。
「くそ…絶対に取り返してやるッス…!」
彼は、燃え盛るような紅い瞳をギラつかせ、そう決意したのだった。
「…以上が、オレが盗賊になるまでの流れッス。」
長い独り語りを終え、リトルは口を閉ざす。
三人は、各々その話を反芻している。
と、ここでアークが質問をぶつける。
「聞きたいことが三つ。そのペンダントって何か、実際盗みをやってたのか、その男は今どこにいるのか。はい、回答どうぞ。」
「どんな訊き方ですか。」
言いたいことを言い切って丸投げしたアークに、ミントがツッコミを入れる。
「一個ずつ答えるッスよ。まず、ペンダントはサラマンダー家の『家宝』みたいなものッス。」
「家宝?」
「そうッス。フレイムがある銃と一緒に残したもので、二つとも魔力が関係する“魔道具”なんスよ。その二つを使いこなすことが出来た者が、サラマンダー家の当主になるんス。」
リトルによると、そのペンダントに魔力を込め、身に付けた状態で魔弾を放つと、通常より強化された魔弾が放てるらしい。魔力の増幅機の役目を果たしているのだ。
「あれはこの世に二つと無い、特別な物ッス。サラマンダー家の、オレ自身の誇りに懸けても、取り戻さなきゃならないんス!」
「成る程ねぇ。祖先の形見ってわけかい。」
リトルの熱い決意に、ウェニーは感嘆の相槌を打つ。
「オッケー。んじゃ二つ目よろしく。」
「はいッス。盗賊稼業ッスけど、さすがに国中の人間を殺されたらたまったもんじゃないんで、仕方なくやったッス。ただ…」
「ただ?」
「オレは『盗賊相手に』盗みをやってたんスよ。」
「え?じゃあ、ここら辺で冒険者を襲ってる盗賊ってのは、アンタじゃないのかい?」
「そうッス。他の盗賊たちだと思うッスよ、それは。」
「あれ?じゃあ、なんで私達を…。」
「…アイツにバレたんスよ。盗賊相手じゃ、余り盗れないし、一部は持ち主に返してたッスから。」
「そうですか…。」
それでも、三人を襲うまでは一度も冒険者たちに危害を加えたことは無いらしい。
盗賊を相手にしたのも、彼なりの抵抗だったのだ。
「ふんふん、なーる。で、最後。ソイツは今どこにいる?」
「確か、奴は“ポリダ=ケイブ”に居るって言ってたッスね。」
「ポリダ=ケイブ…、南にある洞穴だね…。」
「ん、成る程。分かった。」
「あの、その人の居場所訊いてどうするつもりなんですか?」
「え?どうするってそりゃあ…
ソイツ倒しに行くに決まってんじゃん?」
「「「…え?」」」
アークの言葉に、唖然とする三人。
「えっと、あの、オレ赤の他人ッスよ?そもそもホントのこと喋ってるかどうかも判らないんスよ?」
「それに、魔術と違う妙な力を使うそうじゃないですか?得体の知れないものに勝つ魂胆が有るんですか?」
「いや、別にいいよ?旅の目的はアンタのことだし、アンタがそうしたいってんならそれでも。でもさ、それが記憶の手掛かりになるかは分かんないんだよ?」「よし、その質問全てに一言で答えよう。俺は、その男が気に入らーーーーーん!以上!」
「「「それだけ!?」」」
彼の行動の基準は、自分の気持ちである。
個人の事情など知ったこっちゃないのだ。
「あとさ、その『力』のことなんだけどよ…。」
「!もしかして知ってるんですか!?」
「俺に心当たりが……あったらいいのにーーー!!」
「って知らないんですか!?」
「うん、知らないよ。俺、記憶喪失者だもん。」
「…そうなんスか?」
「こんなんだから、あたしも時々忘れることがあるよ…。」
斯くして、リトルを加えた四人は、奪われたペンダントを取り返すための旅を始めるのであった。
「っていうか、早く腕の縄をほどいてくれッス。」
「ああ、スミマセン!!」
「いいんじゃね?新手のファッションで。ブーム起きるよブーム。」
「「「起きるか!」」」
軽く、ホントに軽〜く伏線張ってます。
回収するのはいつになることやら。
タイトルにあった通り、この世界における『悪』は迫りつつあります……と思う……のはず……だといいなぁ……。
ミント
「もうちょっと自信持ちましょうよ(-_-;)」
物語の流れはイメージ出来ているので、頑張って文におこしてみます、ハイ。
サークルの新入生がイパーイ\(^o^)/
な、喜劇作家でした。
何のサークルか、は作者名で推して知れ。