Scene 1-1:色々と元気なようで
2話目投稿。
こんな内容で大丈夫かしらん。
あ、本文へどうぞ。
‐ACT1‐
金色の髪に銀色の瞳を持った青年が、鬱蒼とした森の中で眠っている。
「…zzz」
全く起きる気配がない。
「…ぃ。」
どうやら、誰かが彼を呼んでいるようだ。
「…ぃ、起きろって!」
声色からして女性のようだ。
しかし、彼は目を覚まそうとしない。
「起きろ!!」
「ふふぇ?」
若干怒鳴られ、ようやく目を覚ます。
「ふわぁ〜…よく寝た。おやすみ〜。」
「こらこら、また寝ようとするな。」
再び夢の世界へ入ろうとした青年を彼女は止める。
「なんだよ〜、二度寝くらいさせろよ、ケチ」
「とりあえず場所選びなよ。こんな森の奥深くで寝るなよ。」
「んぇ?森?」
女性の言葉に、彼は辺りを見回し、自身の状況を把握する。
「なんで俺こんなとこで寝てたんだ?」
「あたしに訊くなよ(-_-;)
ってことは何?あんた、記憶喪失かなんか?」
「…ぽい」
「マジか。じゃあ、自分の名前は分かるかい?」
「うむ…、あ、“アークライト”かも。」
「断定しろよ(-_-;)
じゃあ、まぁとりあえず今はアークライト…長いからアークでいいか…って呼ぶよ。とにかく、先ずはこの森をでるよ。」
「ん?なして?」
「ここら辺は魔物が多くて物騒だからね、世間話するには向いてないんだよ。」
「なるへそ。」
わかったのか、わかってないのか、曖昧な返事をして二人は森の入り口へと向かっていく。
「あ、そういや名前訊いてなかった。アンタ誰?」
「初対面に砕け過ぎでしょうが。まあ、話し易くていいけどね。あたしは“ウェンディア”。ここら辺でハンターやってる人間さ。」
「ハンター?」
「なんだ、知らないのかい?しょうがないね。ハンターってのは、町の人から出された魔物の討伐依頼やら物捜しやらを受けて、その報酬で喰ってる人間のことさ。まぁ、所謂『何でも屋』だね。」
「ほぇぇ、知らなんだぁ〜。」
「なんだい、その言葉使い。」
ふと、ウェンディアの動きが止まり、表情を引き締めた。
背に担いだ武器を手に取り、構える。
どうやら、魔物の気配を感じたようだ。
「どしたの、おっかない顔して。」
「シッ!……其処か!」
ザザッ!
ウェンディアが目を向けた先には、狼のような魔物が三匹と凶暴さを身に纏う熊のような魔物がいた。“ウルフ”と“グリズリー”だ。
「チッ、面倒なのに出くわしたね。」
「へ〜、あれが魔物。普通〜。」
「呑気だね、アンタ(汗)」
あくまで、アークはマイペースである。
ウェンディアは呆れつつも、魔物の方へ目を向ける。
「とりあえず、アークは動かず此処にいな。あいつらはあたしが仕留める。」
そう言い残し、ウェンディアが駆け出すのと、ウルフが駆け出すのとはほぼ同時であった。
「ハッ!」
掛け声と共に武器――片手の長剣を横に薙ぎ、先頭の一匹を斬り裂く。
「セィッ!」
続いて、横に薙いだ長剣を今度は右から左へ斜めに斬り上げ、一匹目の影に隠れて跳び駆ってきた二匹目も斬り裂く。ウルフ二匹はその場に横たわる。
「ハッ!」
更に襲い掛かってきた三匹目を跳躍して避け、空中で何かの『力』を集中させる。そして…
「水圧!」
突如、ウルフの頭上から高圧の水撃が襲い、ウルフの息の根を止めた。『魔術』を使ったようだ。
「ふぅ…あとは、グリズリーだけか。あんたはちょっと下がっときな、アーク…」
ウェンディアがアークの方に振り返る…
…が、其処には誰もいなかった。
「!?」
慌てて、グリズリーの方へ目を向ける。すると、いつの間に移動したのか、グリズリーの足許にアークがいた。
そして、ファイティングポーズのような型を取ると…
「そいやぁ!」
ズドォォォォオオン!!!
「!!!???」
物凄い効果音と共に、グリズリーが吹っ飛んでいった。
アークはというと、正拳突きを放った形で留まっている。
「グ、グリズリー一頭を、パンチ一撃で…。並のハンターでも一人じゃ倒せないのに…。」
「WIIIIIIIIIINNEEEEEEEEEER!!」
ウェンディアは今の光景に唖然。対して、アークは勝利の雄叫びと共に決めポーズ。
「…アーク、あんた一体何者だい?グリズリーを素手で倒すヤツなんて、聞いたことないよ。」
「知らん。体が勝手に動いたんよ。」
目の前で起こった現象にただただ唖然とするウェンディアであった。
そうこうしている内に、無事森の入り口に辿り着いた二人。
ここで、アークが尋ねる。
「因みに、森出たら何処に行くんだ?」
「ん?ああ、今あたし『達』が取ってる宿さ。」
「『達』?」
「そ。あたしの仕事仲間が一人。と言っても、まだハンターになったばっかりの新人だけど ね。」
「ふーん。男?女?両生類?」
「…最後のは真っ先に除外するけど、会ってからのお楽しみさ。」
そんな話をしつつ、森の側にある町――“ヘヴンズルータ”へと向かっていった。
はい、主人公と仲間1の名前出ました。
さらに、もう一人次の回で登場しますよ。
さぁて、書けるかな♪(え
小説って難しいと思う、喜劇作家でした。