Scene 3-1:洞窟大探険(笑) その1
小説と言えば?
ミント
「…ファンタジー小説?」
リトル
「ミステリー、ッスかね。」
ウェニー
「…文字の羅列…。」
アーク
「っていうか、ぶっちゃけ俺?」
うん、アークはある意味正解。でもそれはいっちゃダメ。
アーク
「なんでよ?」
あの、上からの指示でちょっとNGらしくて…。
ミント
「上って誰ですか!?」
あ、はい…あ!本番ですか!?分かりました!
では、本文どうぞ!
ミント
「上から指示でた!!」
‐ACT9‐
「…これは……。この、感じは………。」
――大丈夫かい?
「…どうだろうな。嫌な予感しかしないな。胸糞わりぃ。」
――もしかしたら………隠しきれなくなる、かもね。
「…それならそれでいいさ。『力』、使わせてもらうぜ“ ”。」
「…さん?アークさん?アークさーん!」
「………ん?」
自分のことを呼ぶ声に、アークは目を開く。
「どうしたんです?いきなり瞑想始めたりして…。」
「ん、ちょっと考え事ー。」
「考え事、ですか?」
「『マジカル☆ミント第23話!迫りくるデビリートの刺客たちに絶体絶命のピンチ!?その時、ミント☆ステッキが光を放つ!果たして、この光は!?そして、ミントの運命は!?』っていう話がちょうどクライマックスを…。」
「何考えてるんですか!?っていうか、ちょっと前に似たようなこと言ってましたよね!?話進んじゃってるんですか!?しかもピンチですか!?敵の本拠地で、何妄想してるんですか!!」
長々とツッコミ、お疲れ様である。
ちなみに、Scene 1-3あたりで似たようなことを言ってるので、忘れた人は再確認していただきたい。まあ、確かに彼女のローブには可愛らしいフリルがついていて、幼い容姿と相まってそれっぽく見えなくはない。が、敵地でボケっと考えることではない。
「あの二人、ホント仲良いッスね〜。」
「まず、敵地なのに緊張感がないんだよね、二人とも。似た者同士なのかもねぇ。」
遠巻きに眺めているのは、ウェニーとリトル。
二人のやり取りを止めようという素振りすら見せないのは、なんだかんだでそのやり取りを楽しんでいるからである。緊張感のなさは、この二人も大概である。
「それにしても、さすがに洞窟だけあって暗いね。」
「ええ…。ただ、魔物達が襲ってこないのが気になります…。」
「得体の知れない『力』に恐怖してるんじゃねぇか。奥に行けば行くほど、増して来てやがる。」
「ホントだよ。禍々しくて嫌になるね…。」
「あの男…何を考えてるんスか…?」
「心配すんな、リトル。そんな悪戯ッ子は、俺がデコピンであの世と『こんにちはっ♪』ってさせてやる。」
「デコピンじゃさすがに無理でしょう。」
ミントがさらりとツッコむ。確かに、絶命させられるデコピンがあるなら、見てみたいものだ。
ただ、グリズリーを正拳突きで突き飛ばすアークなら出来そうな気がしないでもないが。
「ん?ありゃ、宝箱か?」
「何だって!?」
洞窟を奥に向かって歩いていくと、何故か宝箱が。RPGよろしく行き止まりらしき所に鎮座しているが、中々に怪しさレベルMAXである。
「何で宝箱がこんなとこに……。」
「かなり怪しいッスね。」
「今まで無かったもんなー、っておーいウェニー?」
「あ、行っちゃった…。」
宝箱の存在を認知した途端駆け出したのは、ウェニーだ。彼女は金銭関係に弱いのかもしれない。
「あー、でもこういうのって大抵敵の罠で、直前辺りに発動スイッチが仕掛けてあって、ヒューって落ちたりすんだよなー。」
カチッ
『えっ?』
明らかにスイッチ的な何かを踏んだ音が響く。よく見ると、ウェニーの足許が少し沈んでいる。
「…………え、えへっ(*^_^*)ヾ」
ガチャン!
ヒューーーーーーーーーー…
「「「ギャアアアアアアアア………」」」
「ハッハッハ、セオリー通りだなーーーーーー………」
ウェニーのドジっ娘アピールの後、タイミングを見計らっていたかのように地面に穴ができ落ちていった四人。
アークはこんな時でも余裕をかませるあたり、最早尊敬に価するのではないだろうか。
「あいたっ!」
「ふにゅっ!」
落とし穴という古典的な罠に掛かり、地下へと落とされた一行。光がなく、より暗い空間が広がっている。
「いたた……あれ、アークさん達は?」
「うーん、落ちる途中ではぐれたかねぇ。」
「っていうか、そもそもなんであんな簡単な罠に引っ掛かるんですか!あんなの先ず真っ先に疑うものでしょ!?」
「……あ、あはは(*^_^*;)ヾ
まさか箱入りっ娘に怒られるとはねぇ。」
「勝手に妙なジャンルを作らないでください。」
段々天然ボケ度が進行しつつあるウェニー。ホントにやり手のハンターだろうか?
「さて、ここは行き止まりって訳じゃあなさそうだね。」
「とりあえず、他の人達と合流しましょうか。何処かで道が繋がっているかもしれないですし。」
「そうだね。それじゃ、行こうか!」
「ええ!」
斯くして、ウェニー・ミント組は行動を開始した。
「ヒギャッ!」
見事に脳天落下し、頭頂部を強打したリトルは、普段言わない…一般人でも言わない…悲鳴をあげる。
「うう…背が縮んじゃうじゃないッスか……。」
とても大人とは思えない、下手すれば小学生より小さい彼の身長が縮んでしまえば、それは最早憐れみの対象にしかならないだろう。
しかし、頭に大きなこぶができた今なら逆に身長が伸びているのではないだろうか?
「…ここも怪しい匂いがプンプンするッスね〜。」
そう思うのも当然だ。壁のいたるところに意味ありげな穴が開いていたり、地面にうっすらと線が見える。怪しさは先程の宝箱にひけをとらない。
「ウェニーみたいに考え無しに進まないよう、慎重に行ったほうがいいッスね………。」
そして、一歩を踏み出した時…
カチッ
「え゛。」
ズズーン
ゴロ……ゴロ…ゴロゴロゴロゴロゴロ…!!
「初っ端ッスかああああああああああ!?」
…第一歩で見事にスイッチを踏んでしまった。いらん奇跡である。
後方から大岩が現れ、リトルの方へ転がってくる。
直ぐに逃げ出すリトル。だが、この状況では仕方ないのだが、それがいけなかった。
カチッ
ガコン!
バキッ
ガシャン!
ジャジャン!
ピンポーン!
「全トラップ発動したああああああああああああ!!っていうか変な音混じってたああああああああああああ!!」
ド〜レミ〜ドミ〜ド〜ミ〜♪
「ドレミの歌ああああああああああああ!!」
ふざけたトラップである。必死に逃げる間もツッコミは忘れないリトル。条件反射だろう。
「ヒュー、クルクル、スタッ、っと。」
わざわざ効果音を口で言いながら降り立ったアーク。落ちる時冷静だったためか、尻餅つくことなく地面に立っている。
ただ、彼はよくてもその場所はよくなかった。
『!!!?』
「ん?…おんやまぁ、コウモリやらモグラやらがいっぱい…。」
正しくは、コウモリの姿をした魔物“ビオレス・バット”と、モグラの姿をした魔物“トポ”の群れである。
そう、『群れ』である。
「えーっと、これは俗に言うあれだな、
『モンスターハウス』だな。」
『キシャアアアアアアアアアアアアアアア!!』
アークが状況を把握したと同時に、突然の闖入者に戸惑っていた魔物達が襲い掛かってきた。
「うんうん、その闘争本能は見事だよ。でも向かってきたが最期、お前ら全員、
俺の獲物じゃああああああ!!ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァッ!!!」
笑いすぎである。普通は己一人で魔物の群れに置かれたら逃げると思われるのだが、アークはやはり何処か一般人と思考回路が違うらしい。
斯くして、四人は三つのグループに分けられてしまった。それぞれの戦いが幕を開ける。
「何にもないね。」
「そうですね。」
訂正。
ウェニー・ミント組は到って平和であった。
分割しました。
次回はそれぞれの戦いを描けたらなぁ…。
ミント
「なんで既に諦めモードなんですか!?」
だって、自分、不器用ですから。
文章力、皆無ですから。
じゃあなんで小説書いてんだ…orz
ウェニー
「堕ちるなよ。」
よし、頑張れ私19歳。
感想、評価、バッシング等々お待ちしております。
遅めの梅雨がうざい、喜劇作家でした。