7・適性検査と魔力量弊害
僕はついに念願の魔力適性の検査を受けることになった。
あれかな、水晶に触るとペカーっと光って「おおっ、これは凄い逸材だ!」とかなるのかな?
ワクワクが止まらない。
早く、魔力適性検査早く!
「ではアイザック様、これをお持ちになってください。
魔力紙です」
「はい?」
なんだろう、この一見普通の紙は?
魔力紙? これでどうするの?
頭の中にクエスチョンが沢山増えていく。
「暫くお持ち下さい、直に現れますので」
「…………はい」
えー、凄い地味。
リトマス試験紙? なんなのコレ?
あ、なんかグラフみたいな線が出て来た。
色つきの線がにょきにょき伸びていく。
「おおっ、これは凄い! 全属性に適性有りです。
しかも魔力量が多い!」
「……………………」
あー、聞きたかった台詞だけど何か感動が薄い。 凄さが伝わらない。
この紙まだ持ってないと駄目かな?
多分、今の俺しょっぱい顔してるんだろうな。
むー、水晶とかが良かった。
確か神様が属性魔法は精神に根付くエレメンタル魔法とか言ってたな。
光、水、風、土、火、闇、空間だったかな?
全属性持ちってロマンだよね、外せないよね!
適性検査の後、魔法師の人に手を握ってもらい魔力を流して貰って体内の魔力の流れを知る事が出来た。
魔法師の人は出来れば綺麗なお姉さんが良かったけど、シワシワのお爺さんだった。
リアルなガンダ○フ。
お爺さんの左手から魔力を流して貰い、身体を何かが流れて右手から出ていった。
ガタッ、バタンッ!!
「えっ!!?」
お爺さんが痙攣して倒れた!
一瞬、「殺っちまったかっ!!」と焦ったよ。 俺からの魔力の返しで大量の魔力が流れた為に気絶してしまったらしい。 気絶で良かった。
俺の心臓にも悪いよ、若い人にしようよ。
魔法師のお爺さん指導の下、安全な水の初級魔法を少しやってみることになった。
ちょっと教えて貰って直ぐに出来て「おおっ、これは凄い天才だ!」とか言われちゃうのかな?
どうかな?
ワクワクしながら手のひらを上にして水の流れに丸い球をイメージして魔力を出してみる。
パーーーーーーーーーン!!
ばっしゃああぁぁっ!!
「オッフっ!」
凄い圧が来てひっくり返ってしまった。
何? 何がどうしてどうなった?
ずぶ濡れだよ、大量の水を顔正面から結構な勢いで浴びたよ。 鼻に水が入って痛い。
魔法師のお爺さんも部屋の端で見学してた両親もずぶ濡れになっている。
魔法師のお爺さん曰く、普通の人が直径20~30cm位の水の球を作るところを、俺だと注ぐ魔力が多くて大量の水を出してしまったんだとか。
あれか、少しの水を出そうとしたのに水道の蛇口をいきなり大にしちゃった感じか?
まずは少しの量を出す練習をしなくてはならないらしい。
うえーーーー、チートって何さ?