4・兄の土産話
両親との挨拶が終わった後、約束通り兄は妹のナターシャも連れてサロンにて学園の話をしてくれた。
「えっ、ハイエルフが学園の理事長なんですか? 凄いですねー。
僕亜人って初めて聞きました!」
ハイエルフ、正にファンタジー!!
心が高鳴る。
ってことは獣人やら竜人、ドワーフやホビットも居るのかなぁ~、凄いや!
「理事長は色白ですらりとした美人で居るだけでなんとも言えない安心感のある人かな?
ハイエルフと言っても少し耳がとがってて、僕達と寿命が違う位しか変わりないよ?」
いや、兄貴。 それは種族的に結構違うと思うよ?
「それでそれで、兄様。学友も魔法が使えるのですよね!?
もう、実技授業は始まったんですか?
課外授業はやったんですか?
兄様も魔法が使えるのですよね?
見たいです、見てみたいです!」
好奇心に駆られて聞きたいことが一気に溢れだしてしまった。
ひょっとして兄様引いてる?
でも大事なので二回言った。
言葉が途切れた合間を素早く突いて妹のナターシャも挙手を上げる。
「アディーにーさまばかりずるい。 ナターシャ、ナターシャも聞きたい!
召喚獣とか居るって本当ですか?」
「一気に問いかけられても僕は一人だからね、少しずつしか話せないよ?
まず、アディーのへ答はその通り。 僕も学友も魔法は使えるよ。
実技授業は魔法の系統を調べて少し出来るようになったけど事故が起きやすいからね、指南できる大人の居ないところでは使用しちゃいけないことになっている。
課外授業はこの長期休暇が明けてからなんだ。
父様か母様がいれば魔法を見せてあげれると思うよ?
だけど今は我慢しようね?」
しゅん、と肩が落ちる、見れるのなら魔法が見たかった。
「ナターシャの返事だけど召喚科の生徒は召喚獣を持っているらしいよ?
有事の時以外は出さないらしくて僕もまだ見たことは無いんだ、ごめんね」
ナターシャはガッカリせずに満面の笑みだ。
居ること自体が解って嬉しいらしい。
正に天使の笑顔。 僕らの妹様である。
夕食の時間まで兄様は好奇心旺盛な弟妹の質問攻めで拘束された。