25・人はソレをフラグと言う
担架に乗せられて運ばれていくケインを先生と共に見送る。
「アイザックはトリスティ・マテドゥナに交際を?」
「申し込む予定もなにも無いです」
先生の問いに即答する。
「では、この決闘は?」
「ケインに絡まれて仕方無く」
「………そうか」
そうだよ、誰も何も聞いてくれないし、学園長は決闘申込書にOKしてしまうし、僕はただ巻き込まれただけなんだ!
「まあ、なんだ…これでケインは絡む資格も失ったわけだ、良かったなアイザック」
気休めか肩をポンポンと叩かれた。
良い…のか? あんまり嬉しくない。
でもこれで言い掛りから始まった決闘騒動は終わったようだ。
「災難だったなアディー」
体術訓練場から出ると、野次馬に紛れてたステファニーが肩を竦めて苦笑いを浮かべながら近付いてきた。
「トーリィは外見がああだからな、儚げで庇護欲がかられるんだろうな」
「相手にもなりませんでしたわね、アディー君」
「本当、情けなかったわ、あのケインとかいう人」
ナタリーとサーシャもステファニーの後からついてきてケインをボロクソに言う。
「僕が言うのも可笑しいけど、辛辣だね2人とも…」
「「だって…」」
ナタリーとサーシャがハモり、アイコンタクトでどちらが先に言うか決めたようだ。
ナタリーから口を開く。
「私でしたら決闘する前に直に告白して欲しいもの」
「私もだね! 了承も得ないで勝手に賭けられて決闘なんかで決められたらたまったもんじゃないわ」
「「その上あんな負け方なんて、なんて情けない!」」
課外授業のグループ合わせで知り合った女の子2人は、最近慣れてきたのかズバズバものを言うようになった。
ってか、女の子怖いなー。
あれ? ヴェルドが居ない、ヴェルド何処?
おっと、ステファニーの後ろに居て気付かなかった。
「アディーがトリスティを好きだなんて知らなかった」
「違うから!」
検討違いも酷い、君の所為だから…、気付いてヴェルド。
「ケインは、僕がトリスティさんからヴェルド宛に手紙を預かったのを勘違いして決闘を申し込んできたんだよ」
「??」
ああ、これは理解してないな。
「本当ならヴェルドが決闘の相手だったって事!」
女の子2人とステファニーの視線がヴェルドに向いて3人とも頷く。
ヴェルドはクリっとした目を瞬いて首を傾げている。 天然かっ!
「あー、なんか一気に疲れた。 早く夕食を食べて風呂に入りたい」
「課題出てたよ、やった?」
「やりました?」
「やったー?」
「やったかい?」
「あー、それもあったか!」
「明日提出らしいですよ」
「正直もう布団に入って眠りたい、精神的に疲れたよ」
模擬刀をかたして談笑しながら寄宿舎に向かう。
ドキドキイベントはもう一杯なんで平和な学園生活に戻るんだー!




