17・無事帰るまでが授業です
魔方陣に使われていた白銀色の金属はミスリルだった。 昔これを描いた人はそこまでして魔方陣を残したかったのかな?
特殊金属と状態保存の魔法が強くて僕では魔方陣は壊せなかった。
静の森を半壊させるくらい力を全開にしたら壊せるかも知れない、逆に更地に魔方陣だけ残るかも知れない。
魔方陣だけ壊す絶妙な力加減なんてまだ出来ないよ。
代わりに神様がやってくれるそうなんだけど、なんでもそのまま力を使うと災害が起きるとかで僕の身体をろ過紙みたいにして力をちょっとだけ使うらしい。
神様の依り代になって魔方陣を遺跡ごと破壊し、岩の密集地を更地にした後、またも意識がブラックアウトする。
「アディー!」
「大丈夫か、アディー!」
「アディー君、しっかり!」
「アディー君、怪我は無いですか!?」
「頭を打っているかもしれない、動かさないで!」
「見つかったと他の冒険者や先生に報告を!」
「君達はアイザックへの呼び掛けを続けて!」
「「「「はい!」」」」
目が覚めるとステファニーにヴェルド、ナタリーにサーシャ、冒険者の人に先生が僕を囲んで叫んでいた。
「……此処は?」
「「アディー!」」
「「アディー君!」」
「アイザック、意識が戻ったのか! 頭は? 痛いところは無いか!?」
身動ぎしてみても痛みは無いので起き上がる。
辺りを見回すと宿り木を採っていた樹の近くに倒れてたっぽい?
ステファニーとヴェルドは安堵のため息を、ナタリーとサーシャは涙ぐんでる。
「大丈夫みたいです」
神様の声を聞いて魔方陣を壊した気がするけど…夢だったのかな?
「体調に異常は無いか? 君は木から落ちて半日もの間見つからなかったんだ」
「そういえば宿り木を見付けて採ってる時に……」
宿り木を採ってる時に意識がブラックアウトして、気が付いたら一人で森のなかに居た気がする。
アーロを見付けてコルンを採って…。
マジックバッグを確認するとアーロとコルンが入ってた。
夢じゃなかったんだ。
「移動できるようなら動くぞ、浅い場所とはいえ静の森は大型の獣も居るんだ。
日が沈む前に学園に戻るぞ!」
冒険者の人が移動を促す。
「アイザック・ワーグナー、無理な採取はするなと言ってあっただろう?
今回の課外授業では安全第一に出来る範囲での採取が厳命してあったはずだ、君には学園に帰ったら学園長室に行ってもらう。
今回の件で学園長からみっちりと叱って貰うからな。」
えあー、不可抗力です。
神様の仕業なんです。
アフターケア無しですか神様。 都合よく使われてポイ捨てされた気分なんですが……。
でも確かに木の上に登って宿り木を採ろうとしたのは遣りすぎだったかも知れない。
素材が面白いくらいに採れてたから調子に乗り過ぎたのかも。
先生からは学園に戻るまでコッテリ怒られてしまった。 この後学園長からも怒られるんだよね。
無事に学園に戻るまでが授業です。




