16・遺跡
時々木の上で獣をやり過ごし、道なき道を歩いて半日、広範囲に大きな岩が重なりあっている木々の開けた場所に来た。
チリチリした感じは岩と岩の隙間から来ている。
パッと見た感じ僕でギリギリ通れるって所かな?
「中に入れって事なのかな?」
チキンな僕は光魔法のライトを奥に放ち、手元に一個浮かせながら慎重に岩の隙間に入る。
外側は岩が積み重なっている風にしか見えなかったが、中はソコソコの広さがあり、人の手が入っている感じがする。
奥に傾斜があり、螺旋状に緩やかな下り坂になってた。
崩落が怖かったが意外としっかりした通路を下っていくと広い広場に出る。
「ライト」
別に「ライト」と声に出して言っても意味はないんだけど一回言ってみたかったんだよね。
ライトを多数作って奥に行くように念じる、すると何もない広場に見えた床に白銀色の金属で描かれた魔方陣がある事が分かった。
「魔方陣? なんか魔方陣って見るとお爺ちゃんになっちゃった嫌な記憶思い出すなぁ~」
≪………………………ぃ子よ、≫
≪聞こえますか 元異世界の迷い子よ、アイザック・ワーグナー≫
この多重音声は神様?
「ひょっとしてこのチリチリした感じは神様ですか?」
≪そうです、アイザック・ワーグナー。
この魔方陣は貴方がスティラに転移した時の物、作動できないようにはしてありますが、このままにしておくと発見した者が再び作動させる事があるかもしれないのです。
そこで貴方が遺跡の近くに来たので僅かながら干渉させていただきました。
貴方にこの魔方陣を破壊して欲しいのです≫
おーう、正にさっき思い出したお爺ちゃんになっちゃった原因の魔方陣ですか?
まさかのまさか。
「あの時の魔方陣がこんな近くにあったなんて…」
まさか神様はそれを分かっててワーグナー家に転生させたのだろうか?
≪違います、貴方がワーグナー家に生まれて学園都市に来たのも、魔方陣の近くに来たのも偶然です≫
おーう、心の声を読まれたよ、ってかここでも偶然か…。
偶然巻き込まれるの多いな僕。




