11・課外授業の告知
座学、魔法練習、魔法薬学、体術訓練など、入学してからまったりと過ごして半年。
僕は早期に打ち解けてたステファニーとヴェルドと行動することが多い。
ステファニーは子爵家の長女で女として扱われるのがあまり好きではない感じ。
たまに女の子と話してるけど口説いてる様にしか見えない時がある。
ヴェルドは彫金や魔法具を作るのが趣味のようでたまに試作品をくれたりする。
人体実験じゃ無いよ、多分。
魔力を押さえる腕輪とか着けるときに顔が悪い笑顔になってたとか、気のせいだよ多分。
魔力を抑えられるようになって喜んでる僕とは反対に、舌打ちしつつ「これでも平均威力までには封じられないのか……」とかブツブツ言って熱心に何かメモってた目付きが怖かったなんて…、何も見なかった。
僕は何も見なかったんだ。
僕はヴェルドから貰った封魔の腕輪のお陰で大分安定して魔力が使えるようになった。
後は意外にも体術も好成績だった、実家でも習ってたけど転生前はバリバリの剣道部員とサッカー部員の掛け持ちだったからね。
これは日本の神様がこっちに転移した僕に地球の経験等を引き継げる様にしてくれたからなんだ。
地球の神様の加護は主に転移前の記憶、経験、価値観等をスティラで生活する為に保護してくれているらしい?
らしいって言うのは加護が神様の分野で僕にはよく分からないからなんだ。
そして今日、教卓の黒板に大きく書かれた課外授業の書き込みを見て、ステファニーとヴェルドに声をかけたら二つ返事でOKを貰った。
課外授業の書き込みは、グループを組んで仮パーティーを作り、長期休暇明けに学園都市の郊外にある深い森、魔力溜まりじゃない『静の森』という場所で素材探し体験と言うものらしい。
魔力溜まりは魔境と言って、魔力で変質してしまった獣で身体の一部分に魔力の結晶が付いた魔獣が生息していて危ない。
素材も魔力で変質した物があって貴重な分、冒険者の人達の仕事になっている。
課題は森の浅い場所にある回復薬に使えるルナ草、レーンの葉、ヒポッケ草、クグリの実、魔法具素材に使える宿り木の枝、ポルックの蔓などを採取する事。
協調性、素材知識の復習、探査能力、危機管理能力などを学ぶ。
学生が深部に行かないように当日は教員の他に冒険者も警戒に当たるらしい。
クラスの中にはもう決まったグループもあるけど、僕らはまだ3人のままだった。
「どうしよう? 後1人か2人は欲しいよね」
「そうだね、私達でも十分な気もするけど素材を取る時の警戒もあるし、3人じゃ心許ないね」
「あれ、僕達他に友達居たっけ? ひょっとしてクラスで浮いてる?」
「「「………………」」」
何時もステファニーとヴェルドと一緒だからこれといって孤立してるとは思わなかったけど、友達ほかに居ない?
僕は魔法も剣術も使えるから前衛、中衛、後衛どれでもいける。
ステファニーは支援魔法が得意だから中から後衛。
ヴェルドは小柄な身体に不釣り合いなゴツいメイスを持っての前衛一択なんだ。
出来れば後衛で弓の使える子とか欲しいんだけど……。
「生っ白いモヤシが、長耳がなんだ、遠距離からしか攻撃できない腰抜けが、精霊の声が聞こえるのがなんだ? 僕だって精霊種で精霊の声が聞こえるっての………ブツブツ」
何やらヴェルドが闇を吐き出し始めた。
この世界でもエルフとドワーフって仲悪いんだね。
僕達は慌ててクラス中に声をかける事になる。




