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少し残念なお嬢様の異世界英雄譚  作者: 雛山
終章 勇者進行編
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第八十八話 劉岳暫迎撃戦

新年最初の更新!

はい、今年もよろしくお願いします

「報告します! ベノワ殿が敵の指揮官の一人イ・ソンジンを撃破捕縛しました!」


 ダークエルフの諜報員の一人が、ワタクシたちのいる城の作戦指令室に報告に参りました。

 吉報ですわね、幸先の良いスタートだと言えますわね、油断はできませんけど。

 そしてこの報告に部屋の中が騒めく。


「流石、ベティさんです」


 マウナさんは嬉しそうな顔をしておりますわね。

 星三の転生者はギフトはそこまで強力なものを持つものは少ないとは言いますが、それでも相当な強さを持つものが多いと聞きます、それを倒すベティさんはこの世界の住人でも規格外なのでしょうね。


 そして、ワタクシはといいますと……

 ワタクシやマウナさんの指示で味方や敵が倒れていくのを見ていますと、気分が悪くなっていきますわね。

 つい最近までJKだったワタクシが戦争やってるんですものね、個人でのバトルならもう慣れましたが、戦争これは無理ですわ。

 人を一人殺せば人殺しだが、数千人殺せば英雄であるとはよく言ったものですわね。

 マトモな人間のすることじゃありませんわね、確かにこれを遂行できる人間は英雄になれる人間か何かが麻痺した人間だけですわね。

 しかし、現状甘えてもいられませんわね、なれる努力をするとしましょう。


「……うぅ」

「マナカさん顔色悪いですよ」

「……えぇ、さすがのワタクシも戦争は初めての経験ですので。ちょっと気分が悪いだけですわ」

「少し休んでいてください」

「そうさせていただきますわね、少し席を外させていただきますわ」


 情けない話ですわね、他人に戦わせて自分はこの体たらく。

 そしてワタクシは少しだけ自室に戻ってきましたわ。


「全く、ワタクシともあろう者が。やはり小説の中の主人公は主人公たるメンタルの強さということですわね、元の世界では優秀だなんだと言われておりましたが。ここにきてこのようでは優秀とは言えませんわね」


 ワタクシは少し横になるとそう呟きました。


「ですが、頼られてここにいるのも確かですものね。そこには応えねば久那伎の名が廃りますわね」


 なるべく早く復活せねばなりませんわね、ですが少しだけ休ませていただきますわ……


 ――

 ――――


 ガクザンを追い森の方に向かう我々でありますが……このゴーレム少し足が遅いためか他のエルフ部隊に置いてかれそうでドキドキものでありますな!


「中尉どうしますか?」


 森の入り口に到達するとエルフの一人が自分に聞いてきました。


「まずは相手を発見したら、様子と進路の確認。そして可能ならこの地点への誘導をしたいと思います」


 自分は森付近の地図を出しエルフ、ダークエルフの混成部隊に指示を出すことにしました。


「この森にある泉の場所ですね」

「そうであります、以前の調査でこの付近にはキノコの群生地も多く自分の能力を最大限に生かせるはず」

「確かにここなら木の上からなら見晴らしも悪くないですね」


 ここは泉を中心に少し開けており、ガクザンたちの部隊が展開しやすい広さとなっています。

 ですが少し離れた所はやはり森であり木の上からなら泉の辺りの確認はしやすいので奇襲にはもってこいの場所であります。


「報告」

「お願いするであります」


 簡単に指示を出していたところ先遣隊で向かったダークエルフの人が合流。


「ガクザン率いるチヨルカン部隊は東側から森に入り、そのまま最短ルートで抜けるべく前進中」

「そうなると北側に回り込み襲撃をかけ、南の目的地になる泉へと追いやるのが良いのでしょうか?」


 それでは無視されて進むことを選択する可能性がありますな……


「北よりは二手に分かれ正面からと北西からの二か所から攻め立てるほうが良いかでありましょうな」

「戦力を分散させるということですか?」

「そうであります。殲滅戦であるなら危険ですが襲撃して追い込むのが目的でありますから分けても大丈夫かと」


 正面からやりあうのであれば分散は下策でしょうが、追い込むなら二手からの弓による襲撃が効果的だと思いますな。


「ナルリア殿、ガクザンは自分とナルリア殿で止めることになると思います」

「――問題ない、マナカの敵はワタシが倒す!」


 ふんすふんすと鼻息を鳴らし気合を入れるナルリア殿、マナカ殿曰く彼女は天才とのことでありましたな、キノコの身では戦えないので自分はサポート役になりますが。ここで何としてもガクザンの部隊は止めたいところでありますな。


「ではエルフ隊は北西から我々とダークエルフ隊は正面側に回り込み挟撃という形で行きます、準備して速やかに行動開始」

「「は!」」


 さて、敵は星四そこだけ見れば相手の方が格上でありますが、戦いはそれだけではないということを自分は戦争でよく知っているのであります。

 我々は南から北の方角に向かって進軍、ガクザン達のルートの正面へ出る場所へと移動を開始、エルフ隊も木をつたいガクザン隊の目的のルートの北西へあたる位置へと移動を開始しました。


「さあ、祖国のために必ず勝利するであります!」

「――おー!」


 エルフ、ダークエルフの混成部隊はやる気十分でありますな!

 それでは作戦開始であります!!


次回は1/10の予定

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