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少し残念なお嬢様の異世界英雄譚  作者: 雛山
終章 勇者進行編
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第七十二話 虎狩りだーその2

ザルバまた登場!

やったね!

 

「フリーズ!」


 倉庫に入るなりワタクシは叫びます。五人はワタクシのほうを向くと驚いた顔をした後、急いで階段を下りだしますわね。

 止まるバカなんていませんわよねー、ザルバ一味の一人が煙玉を投げました。

 実に煙くて困りますわね……風魔法が使えないのが悔やまれますわね。


 ワタクシ達もザルバ達を追いますわよ。

 下水の隠し通路は明るく探すには問題なさそうですわね、と言いますか一方通行ですわねぇ……

 ワタクシとナルリアちゃんの速度ならば追いつくことは可能でしょう。


「……あいつ等遅いですわね。もう追いつきましたわよ」

「――撃つ?」


 ナルリアちゃんがクロスボウを構えて尋ねます。


「そうですわねぇ、足でも撃ちましょう」

「――了解!」


 ナルリアちゃんが素早く、後ろを走る男の太ももを狙い引き金を引きます。


「うぎゃ!」


 撃たれた男は足を押さえながら、転がりまわっておりますわね……痛そうですわね。

 そしてナルリアちゃんは躊躇うことなく、次々と撃ち抜いていきます。


「ぎゃあ!」

「ぐわ!」

「うわらべぷるっひゃー!!」


 あっさり四名が転がることになります、ためらうことなく撃ち抜くナルリアちゃん、おそるべしですわ。あと、最後のヤツ叫び声おかしいですわね!


「くそ! どこまでも俺たちの邪魔をする」


 ザルバがこちらを向きましたわ、まったく相変わらずザコっぽい顔ですわね。


「なーにが、どこまでも俺たちですのよ! 街はとんでもない事になってますのよ」

「うるせー! コイツを売ったら遊んで暮らせるんだよ!」

「知らねぇですわよ、そんな事」


 ワタクシとザルバが対峙しますわ、その間にナルリアちゃんが転がってる四名を気絶させております。


「クソ! ここでテメーらを倒して逃げ切ってやる」


 は? コイツ何言ってるのかしら? ワタクシにワンパンでのされるようなザコが何ほざいてやがるのかしら?


「……夢を語るのはおよしなさいな」


 ザルバは卵を置くと剣を構えましたわ、前に使ってたクリシュマルドと違い、豪華な装飾のついたレイピアを構えます。


「前と同じだと思うなよ、今回はこの魔法武器があるからな」

「……はぁ、ナルリアちゃんも覚えておきなさい」

「――ん? なに?」


 武器変えただけで一気に強くなったら、誰も苦労はしないですわね。


「ナルリアちゃん、武器を変えただけで劇的に強くなることは無いんですのよ。武器変えただけで調子に乗らない方がよいですわよ?」

「――わかったー」

「ザルバのようなバカにはなってはダメですわよ」

「――わかったー!」


 ナルリアちゃんは元気よく返事をすると、クロスボウをザルバに向けて構えます。


「な、テメェら二対一とか卑怯だろ」

「知ったこっちゃねぇですわよ!」


 何で小悪党に卑怯とか、いわれにゃならないんですの?


「ナルリアちゃん! ザルバが逃げようとした場合は頭にぶち込んでやってくださいまし」

「――了解」


 ザルバのバカは逃げる隙を伺ってるようですわね。


「ち! 狙撃手がいるのは面倒だな」

「さあ、かかってらっしゃいな。逃げない限りはワタクシだけで相手してあげますわよ」

「はぁ、仕方ねぇ。相手するしかねぇのかッ!」


 そう言いつつ、ワタクシに突きを繰り出してきます。

 首を少し捻り避けますわよ。


「……はぁ、変わってませんわね。その程度じゃワタクシには当たりませんわよ?」

「くそ!」


 ザルバはやたらめったらにレイピアを振り回しております、が。

 レイピアが軽く触れただけの箱が粉々に砕けております……当たったらヤバイんじゃないんですの?


「そら! 威力はスゲーぞこいつは!」


 ザルバが得意の三段突きを繰り出します、ワタクシの顔を狙った突きを避けると。

 ブーンといった振動音がしますわね。


「面倒な武器ですわねぇ、それ振動しておりますわね」

「そういう武器なんだよ!」

「まあ、当たらなければどうという事は無いと、赤いのが言っておりましたからね。当たらなければ問題ありませんわよ!」


 ワタクシは突きをかわし、伸ばした腕を掴み一本背負いで投げ飛ばします。


「ストーンウォール!」


 ザルバを投げた先に壁を出し叩きつけます、叩きつけ張り付いたところザルバのボディに正拳突きを入れます。


「ぐおあー!」

「――おお、マナカエグイ!」

「うーん、エグイの入りましたわねぇ。しかし武器が強力でも所詮はザルバですわね」


 エグイ一発を受けたザルバは気絶しておりますわね。

 ワタクシとナルリアちゃんは灰色の虎(グレイタイガー)のメンバーを一カ所に集め、ロープで縛ります。


「ナルリアちゃん、この先に行って先ほどの兵士の方々を呼んでもらえるかしら? ワタクシはここでこいつらを見張っていますわ」

「――わかった、行ってくる」


 ナルリアちゃんは元気よく両手を広げて走っていきますわ、ア〇レちゃんじゃないんですのよ?

 ナルリアちゃんを見送った後、ザルバに平手打ちをして起こします。


「いってーな」

「お目覚めですわね?」


 ザルバは自分の状況を確認すると渋い表情をします。

 さて、尋問といきますわよ。


「最初に言っておきますわよ。ワタクシの質問に素直に答えてくださいましね、そうでないと酷いことになりますわよ? うちの相方のマウナさんはアレで魔王ですので」

「!?」

「どんな呪いや拷問を知ってるか、ワタクシにもわかりませんのよ。ワタクシの質問に素直に答えるなら、さっさと終わらせて罪を償うだけで済みますわよ」

「ばーか、こうなっちまったら俺たちはお終いだよ。街がこんなになって紅蓮孔雀に手を出したんだからな、俺たちは仲良く奴隷堕ちだよ」


 まあ、死刑にならないだけマシ……と、言いたいところですが死刑の方がマシな気がしますわね。


「ならば素直に話すか、拷問を受けながら話すか? どちらがよろしいかしら?」

「なーにが、拷問だテメー等にそんな事が出来るわけねぇ」

「そうですか、残念ですわね」


 ワタクシはあっさりと引き上げ、ナルリアちゃん達が来るのを待ちました。

 ザルバは不安そうな顔をしてワタクシを見ております。

 少しすると、ナルリアちゃんと兵士がやってきましたわ。


「ナルリアちゃんご苦労様ですわ」

「――お待たせ!」


 ワタクシはナルリアちゃんの頭をなでます、そして兵士の方々に声を掛けますわ。


「犯人の灰色の虎は全員其処に転がしてありますので、連行はお願いしますわね。あと卵は絶対に割らないでくださいましよ、割れたら紅孔雀と戦争ですわよ」

「ああ、了解してるよ。おら、ついてこい」


 兵士達がザルバ達をつついて連れていきます。

 取り合えず、こちらはこれで片付きましたわね。


次回は11/2更新予定

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