表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少し残念なお嬢様の異世界英雄譚  作者: 雛山
第四章 魔王領再建準備編
59/116

第五十五話 住処だ住処

住処がない!

そんな55話更新

 


 カーチスは約束を守るためマウナさんの前に片膝をつき宣言しましたわ。


「マウナ様! 我が無礼をお許しください。我らオーガは約束通りにマウナ様の力になることを誓います」


 マウナさんは優し気な表情でカーチスに語り掛けます


「ええ、良く戻ってきてくれました。まだ私は魔王としては未熟なのでアナタ方の力に頼らせていただきます」


 カーチスは首を垂れ


「あり難きお言葉」


 ただ短くそう告げました。

 カーチスの宣言が終わり少ししたところにモルテさんがやって参りましたわね。

 モルテさんはマウナさんとカーチスの姿を捉えると。


「おお、無事に事は運んだようですな」

「ええ、マナカさんが約束通りカーチスをの勝負に勝ってくれましたから」


 モルテさんがワタクシの所へやって参りますとうやうやしくお辞儀をいたしました。


「ありがとうございます、流石はクナギ殿ですなカーチスはわが国でも上位の実力者でしたからな」

「ふふ、当然ですわよ。ちょっと膝が笑ってる程度で大したことはありませんわ」


 ワタクシ超余裕ですのよ。


「膝が笑ってるってギリギリじゃないのよ」

「ふむ、ようするに際どかったという事ですな」

「ギ、ギリギリだったんですね」

「――シュッシュ」


 外野ども黙ってらっしゃいな、ワタクシは三人を睨みますわ。

 ナルリアちゃんだけが何故かヒットマンスタイルでシャドウボクシングしておりました、どこで覚えたのでしょう?


 さて、カーチス達オーガの件はこれで片付きましたから今すぐ解決すべき問題は無いと思いますが、新たな問題が出てきましたわね……

 仕事の割り振りと新たな住人の住処ですわね。


「マウナさんも皆様もよろしいかしら?」

「なんでしょう?」


 ワタクシが場にいる皆様に声をかけると一斉に視線がワタクシに集まりますわね。あぁ、何とも言えない感覚ですわねぇ。

 アホな事を考えていないと本題ですわね。


「さて、まずは皆さまに割り振るお仕事と住む場所を考えねばなりませんわね」

「そ、そうですね。で、でも最初は皆で住む場所を造るのが、ゆ、優先じゃないでしょか?」

「――ワタシは馬小屋でも慣れてるから屋根があればそれでいい」


 よくねーよですわ。

 そしてアルティアさんの言葉、これ重要ですのよね。


「アルティアさんの言うことが最も優先すべき案件だと思いますわね」

「マナカさんそうすると我が魔王領には建築に詳しい者が少なすぎます」

「あの村の事覚えております?」

「あの村ですか?」


 マウナさん忘れておりますわね……ワタクシ悲しいですわ


「あぁ、マナカちゃんあの村での交渉はこの時のタメだったのねぇ」

「あ、あぁ。盾任務の村ですね」

「――おぉ、あの話か」

「お二方、おそらく思ってる通りですわ、あのナルリアちゃんはいなかったでしょう」


 お二方は気付いたようですわね、マウナさんもアルティアさんの盾任務で思い出したようですわね

 そう、こういった事態を見越して大工の村に恩を売っておいたのですわよ。まあ結果恩を売る事が出来たということですわね……

 ワタクシ達の会話にモルテさんが割り込んでまいりましたわ。


「クナギ殿達はこの者たちの住処についての回答を持っているようですな、教えていただけますかな?


 当然ですわ。モルテさん達の協力も必要なのですからね。


「ここの住人が建築のなんたるかを学べば良いのですわ。ワタクシ達にはそれを師事してくれる人たちに宛があるということですのよ」

「なるほど、確かにそうですな」

「この国で馬車は用意できます?」


 ワタクシがモルテさんに尋ねますと、モルテさんは少し考えてから


「御者がおりませんが馬車だけなら三台ほどは用意できますな」

「三台ですか、問題はありませんわね」

「一台はバウスに御者を頼みましょう」


 ああ、バウスさんなら護衛としても問題ありませんわね。


「一台はお姉さんが御者するわよー」

「ベティさん、そう言えば御者出来ましたわね」

「あ、あと一台の御者は誰が、や、やります?」


 ワタクシ流石に馬車の御者は無理ですわよ、基本が魔物の国ですので馬車自体も少ないのですのよね、そうなると当然御者がおりませんのよね。

 そうすると意外な所から声が聞こえてまいりますわ


「馬車の御者でありますか、自分がやりましょうか?」


 なんと米田中尉が御者を買って出たのですが……キノコボディじゃ御者なんて無理じゃないですの?


「中尉、お言葉は嬉しいのですが……そのお身体では無理ではありませんこと?」

「は! これは盲点でありますな」

「キノコジョークではありませんのね?」

「面目ありません、いまだにこの身体になれておらぬゆえ」


 まあ、そう簡単に慣れるわけないですわよね菌類ボディなんて。


「さて、米田中尉が無理となると他におりませんかしら?」


 するとナルリアちゃんが手を挙げて主張しておりますわね……え? 御者できるの? マジで?

 ナルリアちゃんの挙手が高速になっていきますわね……一秒間に一〇〇挙手出来たら必殺技になりますわね。


「――ふんふんふん! ワタシが御者する。チヨルカンで習ったから大丈夫だよ」

「ナイスチヨルカン! この事だけは褒めてあげますわ!」


 意外な所からの援護射撃ですわね、これで大工の皆様を運ぶ算段はつきましたわね、まだ、交渉しておりませんけどねー。


「マウナさんはどうされます? ワタクシは大工の方々の交渉に向かうつもりですわ」

「あ、私もお供しますよ。」


 こうして次の目的が決定しましたわね、大工の村へ再び向かうことになりましたわ。


「モルテさん、カーチスも丁度良いですわね」

「なんですかな?」

「どうした大将」


 ワタクシ大将になっておりますわね、まあいいのですが。


「お二方に頼みたいことがありますわ」

「なんですかな」

「大将やマウナ様のためになるんなら任せてくれ」

「ええ、あなた方の家を造るための木材を集めてほしいのですわ、かなりの数が必要になるでしょうね」


 木材や釘とにかく家を造るに必要な材料集めですわね


「木材だけでなく家づくりに必要な道具を沢山揃えてほしいのですわ」

「木材か……ならモルテさん、あの森から取ってくるのはどうだろう? あそこに生えてる木なら強度は高いし成長速度も速いから、多少乱獲しても半年もありゃ元に戻ると思うんだ」


 カーチスがモルテさんに木を取ってくる場所の提案をしてるようですね。


「おお、城から南東の森じゃな」

「ああ、あそこなら城からも遠くは無いしな」


 なんかベストな場所があるようですわね。木材はカーチス達に任せましょう。

 大工道具とかどうしましょうね? 鍛冶師も欲しいですわね、コルリスの武器屋に相談してみましょう。


「マナカさん、大工道具はどうしましょう?」

「製造と言いたいですがまずは買うとしましょう」

「では、道具の買いだしはサティとサーレに任せましょう、サティなら人間に変身も出来ますので問題無いでしょう、サーレも角さえ隠せば問題ないでしょう」


 割とポンポンと担当が決まっていきますわね。


「お金はムーロさんの援助していただいたお金を使ってくださいまし、二〇万リシェもあればかなり揃うと思うのですが」

「その辺りもお任せください」


 モルテさんは元人間ですし大丈夫でしょう。


「では、木材はカーチス達オーガに道具はモルテ達に任せますのでお願いします」


 マウナさんがそう言うとモルテさんとカーチスは頭を下げ

「「仰せのままに」」とハモっておりましたわ。


 ではワタクシ達も村へ行く準備をするとしましょう。

次回は8/17予定です

感想レビューお待ちしてます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ