第五十三話 住人が増えましたわー
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ムーロさんと最初の交渉から三日ほどが経ちましたわ。
あの後もムーロさんと醤油の販売や援助の話を詰めに詰めまくりました、とても有意義な話が出来ましたわね。
決まったことは醤油は最初少し高めで売りますのよ。
一リットル一五〇リシェ! たっか!! ですがこれは瓶の量産体制がまだ整っていないことと輸送費を考えての事ですわ。
そしてムーロさんが初期投資に用意していただいたのが、なんと二億リシェ! プラム商会大丈夫なんですの?
ムーロさんいわく醤油だけで二億なら稼げるとの事ですわ。
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さて、ムーロさんのおかげで計画が進んだので魔王領に戻ってきましたわ。
ワタクシ達がまたまた戻ってくると、モルテさんが出迎えてくれます。それとともにこちらでも嬉しいお知らせがありましたわ。
「マウナ様にクナギ殿! そして皆さん、良いお知らせがありますぞ」
「どうしたのですか?」
いつになく興奮気味のモルテさん、顔色もいつもより良い気がしますわね、気がするだけですわよ。
「はい、マウナ様の名のもと呼び掛けたところ、散り散りに逃げていた幾つかの種族がこの魔王領に戻ってきました、そして新たに領に加わりたいという者たちも来ておりますぞ」
「なんと! それは重畳」
「怖いくらいに上手く事が運んでおりますわね」
モルテさんの報告を聞きつつワタクシ達は部屋に案内されます、ワタクシ達は荷物を部屋に置くと会議室の方に移動しました。
ワタクシ達以外にはモルテさん、シェンナ、コリーの厨房組、サティさん、セルカドとバウス爺さんが集まっております。
まずはモルテさんが先ほどの集まってきた者たちの事を報告します
「えー、マウナ様の名のもとに続々と色々な種族が集まってきておりますぞ」
「細かく聞きましょう、モルテ続きをお願いします」
マウナさんが先を促すと、モルテさんは恭しく礼をすると現在魔王領に集まってきた種族と大まかな数を教えてくれます。
「了解しました、まず最初に戻って来てくれたのがケンタウロス達約三〇〇名です、そして続いてギルマン達が一五〇名程」
ギルマンですか確か半魚人のような種族ですわよね、アメリカのとある映画に出てきましたわね、ワタクシの想像と会っているか少し確認しましょう。
「ギルマンと言うのは半魚人でよいのですわよね?」
「ええ、それで合っています」
「話の腰を折ってしまいましたわね失礼」
ワタクシはギルマンの事を確認します、海での戦力は大きいですわね。さて報告の続きを聞きましょう。
「そしてこれはセルカド殿の協力もあっての事ですが、ゴブリンが約千名程移住を希望しております
「だ、大移動ですね」
「徒歩で一〇〇〇名もの行軍でありますか、指揮者はよほど優秀でありますな」
一気に千もの労働力が増えたということですわね。これは色々進めれますわね。
ですがゴブリンとはどの程度の戦力になるのでしょう?
「ただ、それだけではありませんな、問題もあります」
「問題とはなんですの?」
「はい、オーガ達も来ているのですが、味方になってほしければ強さを示せと言っておるのです」
成る程、弱者にはついていけないと言う奴ですわね、魔物らしくていいんじゃないかしら?
こういった輩はワタクシが対処すべきですわね。
「モルテさん、そのオーガの部族はワタクシが相手をいたしましょう」
「よろしいのですか?」
「ええ、よろしくってよ」
「では、よろしくお願いします」
今回はこの四種族が魔王領に来たという事ですわね、良い傾向ですわ。
後で各部族の代表と対面することとなりましたわ。
続けて今度はワタクシが前日までにあった事を報告し、この先どうするかを話し合い今回は解散となりましたわ。
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そして、ワタクシ達は各種族の代表たちと会う事となりましたわ。
「はぁ、お伽話の住人達に会えるとは感動でありますな」
「ケンタウロスなんて滅多に会えるものじゃないのよねぇ」
どうやら、ケンタウロスは珍しい種族のようですわね.
そんな事を話していると向こうから各代表たちがやって参りましたわ。
ギルマンは映画のような半魚人を想像していたのですが……本当に魚に手足が生えてる某パズルゲームのキャラのような種族でしたわ。
そしてケンタウロスの代表は……爽やかそうなイケメンですわね、ゴブリンの方は以前ぶっ飛ばしたヤミゴブリンの色違いのような小学生高学年程度の大きさですわね。
そしてオーガはワイルド系の中々のイケメンですわね身長は思ったほど高くは無いですわね、それでも一九〇センチほどありますわね。
各代表の前にマウナさんが堂々と立っておりますわ、こうしてみると魔王に見えますわね。あ、魔王でしたっけ?
「皆、よく戻ってきてくれました。そしてゴブリンの代表の方、我が領へようこそ。私達はアナタ方を歓迎します」
「ま、マウナさんこうやって見ると、ま、魔王のようですね」
アルティアさん失礼なこと言いますわね、まあ、ワタクシも同意見ですけど。
「アルティアちゃんマウナちゃんはれっきとした魔王(?)なのよ、失礼なこと言っちゃだめよ」
「ベティ殿、魔王の後に変なニュアンスが含まれておりませんか?」
アルティアさんに注意するベティさんも大概失礼ですわね。
さて、ベティさん達は無視してマウナさん達を見ておりますとケンタウロスの代表がマウナさんに挨拶をしておりますわね。
「マウナ様、お久しぶりでございます。再びお会いでき嬉しく思います」
「ええ、ブライアンもよく戻ってくれました、再びこの国のために力を貸してくださいね」
「は、お任せください」
ケンタウロスのブライアン……ん? ナリタげふんげふん! 気にしないでおきましょう。
次はギルマンの代表の方ですわね。
「おお、マウナ様久しいのぉ」
「ボー殿も息災なようで」
「ちゃっちゃっちゃ、まっこと久方ぶりじゃ、大きゅうなったがか」
……どこかで聞いたことのあるような無いような……そんな言葉使いですわねぇ
「マナカ殿、あれはどう聞いても九州方面でよく聞く言葉でありますな」
「ワタクシもそう思っておりますが実は所々違うのですわよきっと」
「気にしない方が良いでありますな」
「ええ、そうですわね」
いつの間にかボーと呼ばれたギルマンとの挨拶も終わっておりますわね、そしてゴブリンの代表も挨拶をします。
「魔王様、お初にお目にカカレテ光栄デス、我々ハこの国のタメに尽力する所存デアリマス」
「これから魔王領は大きく動き出します、その時はあなた方の力が必要になるはずです、その時はよろしく頼みます」
「アリガタキお言葉」
マウナさんの魔王モード割と板についておりますわね、流石にこういったことには慣れている様子ですわね、しかしゴブリンが一番突っ込みどころが少ないとは思いませんでしたわ。
「――ワタシも立派な奴隷になる!」
「いや、それは別に立派にならなくてもよろしいのよ」
ナルリアちゃんが突拍子の無いことを言ってる間にゴブリン達の挨拶も終わったようですわね。
するとオーガの代表はマウナさんの前に仁王立ちしておりますわね。
身長差約四〇センチ、オーガの代表はマウナさんを見下ろすと。
「マウナ様、ようやく復興に立ち上がったそうですね?」
「ええ、カーチスあなた方には心配をおかけしました」
マウナさんはオーガの代表に謝罪をしますがオーガの代表カーチスと言いましたわね。カーチスはマウナさんの言葉を遮ります。
「おっと、まだ俺たちは魔王領に協力するとは言ってないぜ」
「なるほど、そうでしたね」
カーチスは腕を組み威圧的な目でマウナさんを見ております、どうやらワタクシの出番のようですわね。
ワタクシがマウナさんとカーチスの間に割って入っていくとカーチスはワタクシを睨みつけますわ。
「なんだ女、俺に何か用か?」
「ごきげんよう、ワタクシはマナカ・クナギと申しますわ」
ワタクシはカーチスに挨拶をしマウナさんの方を見て頷くと、ワタクシは少し横にずれますわ。
そしてマウナさんがカーチスに再び話しかけます。
「カーチス、アナタ方オーガは私の力を見たいのでしょう?」
「ああ、その通りだ。我ら魔物は強い物に従う、我らオーガは特にその傾向が強い。それが証明されるのなら俺たちは喜んで再びマウナ様に仕えることを誓おう」
強き者が弱き者を従えるそれが魔物の掟のような物ですわね。実にシンプルで分かりやすい掟ですわね。
「わかりました、では明日にでもそちらの代表とマナカさんと闘っていただきます」
「ん? マウナ様が闘うのではないのか?」
まあ、そうなりますわよねぇ。だって先ほど『私の力が』て言ってますものねー。
「ワタクシはマウナさんの剣、ワタクシの力はマウナさんの力でもありますのよ? それともワタクシのような小娘が怖いのですか?」
安い挑発ですが彼等のような力が絶対の方々にはとても有効ですのよ? 案の定カーチスの青筋立ててプルプルしてますもの。
「バカにするな! 我々誇り高きオーガが臆する者か! 相手が誰であろうが問題は無い」
「うふふ、それは良かったですわ」
「――マナカ本当にこういう事が上手い、凄い!」
「ええ、マナカ殿は相手をよく見ております」
ええ、もっとお褒めになって結構ですわよ!!
「では明日、マナカさんとそちらの代表が決闘をして決めるという事でよろしいですね?」
「ああ、かまわねぇよ」
マウナさんは少し笑うと。
「彼女に勝てたなら私に勝ったと同じ扱いでかまいません、なんなら魔王の座も譲りましょうか?」
カーチスもマウナさんの言葉にニヤリと笑うと。
「その言葉、信じていいのだな? そちらが勝てば我々は絶対の忠誠を誓う事を約束しよう」
こうして、ワタクシとオーガの勝負が決定しましたわ。
楽しくなってまいりましたわねぇ。
次回は明日夜更新予定
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