第四十一話 一時帰国後召喚!
一次帰還することになった一行がお城に戻ってくる41話更新しました
次の日。
ワタクシ達は熊の干物亭のワタクシ達の泊ってる部屋に集まりましたわ。
「一応、三、四日ほどの予定ですがよろしいですか?」
マウナさんの言葉に全員が頷き確認をします
「一応、昨日ギルドの方へ四日ほど街を出ることは伝えてあります、ブレンダさんの話では試験の結果には一週間ほどかかるそうなので特に問題な無いようです」
「ま、魔王領と言うからに大きな街があるのですよね」
アルティアさんの痛い一言でワタクシとマウナさんは視線を地面に移します。
「あ、ご、ごめんなさい」
「アルティアちゃん、そこで謝っちゃう方が惨めよ」
ベティさんもそれを口に出して言わないでほしいですわね、こうなったら人口数百万の大きな国にしてやりますわよ! 見てなさいな!
「では、気を取り直して転送陣を発動します」
マウナさんが転送陣の核となってる石に魔力を込めると魔法陣が輝きだしました。
「私が最後に行きますので、マナカさんから入ってください」
「分かりましたわ、ではワタクシが先に参ります、皆さまは後からついてきてください」
ワタクシは魔法陣の中に入っていきますわ、すると周りの景色が歪み始めます。
「うぇ……エレベーターで上から下に向かうような、あの一瞬の無重力状態が延々と続く感覚ですわねコレ」
――
――――
さて、光が収まると目の前には石の壁! ワタクシが最初にここに来た時に目にした光景と同じような光景が広がっておりますわ、まだ半年もたっていませんのに随分懐かしく感じますわね。
ここは、召喚の間ですわよね?
「おや? マナカ様」
ワタクシに声をかけてきたのは、青い肌のクールビューティーことサティさんですわね。
箒を持っておりますので掃除のようですわね
「あら、サティさんごきげんよう」
「おはようございます」
「すぐにワタクシとマウナさんの向こうでの仲間がこちらにやってまいりますので、お茶の準備お願いしてもよろしいかしら?」
「かしこまりました、私はまだ掃除の途中ですので他の者に準備させましょう」
そう言ってサティさんは指示をしに部屋を出ていきましたわ。
サティさんが出て少しすると、魔法陣がまた光だしベティさん達がやってきましたわ、最後にマウナさんがやって参りましたわね。
「あらー、雰囲気あるわねぇ」
「ここは召喚の間ですね、魔力を増幅させる設備のある場所です、明日ここで召喚の書を使って召喚しましょう」
「し、召喚……た、楽しみですね」
「――うん」
ワタクシ達が全員そろって少ししたら、サティさんが戻って参りましたわ。
「お帰りなさいませ、マウナ様。そして皆さま、ようこそおいで下さいました」
サティさんはマウナさん達に挨拶をするとお辞儀をしました。
「ただいまお茶の用意をさせておりますので食堂の方へお向かいください」
「サティは何をしてるのです?」
「は、私はここの掃除をしていたところです」
サティさんはそう言って再度頭を下げると掃除に戻っていきました。
「それでは私が食堂まで案内しますね、ついてきてください」
マウナさんの案内でワタクシ達は移動を開始しますわ、相変わらず人の少ないお城ですわね、やはり先立つ物を手に入れねばならないようですわね。
青豆次第では大豆製品が作れます。
この世界に来て分かったことの一つに、この世界調味料が少ないのですわ。青豆が大豆と同じであるならば味噌と醤油が作れます、この二つが作れれば財源確保する自信はありますわね、ムーロさんというパイプも掴んでおりますしね。
「マウナちゃん、このお城人が少なくないかしら?」
「あははは、やはりそう思いますよね」
「――マナカがいるから魔王様の国は安泰!」
「と、当然ですわよ……そのためにワタクシ召喚されたのですもの」
だから国の運営なんてしたことはありませんのよ! まあ、やるしかないのですが。
さて、食堂が見えてきましたわ。
食堂に入ると魔族のメイドさんがお茶を用意してくれていましたわ、モルテさんもおりますわね。
ワタクシ達は席に着いてお茶を頂くことになります、するとモルテさんがこちらにやってきました。
「これはこれは皆さま、よくいらっしゃいました」
モルテさんも久しぶりに感じますわね。
「しかしマウナさま、行き成りの御帰還となると問題でもありましたかな?」
「いえ、ただ久しぶりに様子を見に来たのと用事がありましてね」
「用事ですと?」
そう言うとマウナさんがモルテさんに召喚の書を見せます。
「これは?」
「モルテ、この召喚の書はどのタイプか分かりますか?」
マウナさんから召喚の書を受け取ると、本をまじまじと観察します。
何故か時々うなっております、呪わているということはないでしょうね?
モルテさんが召喚の書をマウナさんに手渡しました。
「なかなか珍しい召喚の書を手に入れましたな」
モルテさんが珍しいというのなら、希少な召喚の書なのでしょうね。
「それでどう珍しいのです?」
マウナさんが尋ねますとモルテさんが話し出します
「この召喚の書はハズレも出ますが、運が良いと異世界の道具など、人以外の物も呼び出すことが可能なのですよ」
「ハズレがあるのですか?」
「はい、ローポーション等が出ますな」
「なんと……」
ハズレ枠……嫌な響きですわね
「モルテ、とりあえず明日この書で召喚を試みてみます」
「かしこまりました」
明日召喚することにしたようですわねするとベティさん達は暢気に
「あら、明日召喚ですってよ」
「た、楽しみですね」
「――たのしみ」
と、楽しみにしておりますわね。
さて、ワタクシもモルテさんにセルカドと青豆の事を聞かねばなりませんわね。
「モルテさん」
「なんでしょう?」
「セルカド達はこちらに無事つきました?」
「はい、そして畑を頼まれたと言って、オーク達を連れて城の周りに青豆の畑を作っておりますぞ、青豆はそろそろ収穫時ですからな」
「いえ、セルカドにも言いましたが、青いうちに収穫はしないでほしいのですわ」
「それでは茶色くなり硬くなってしまいますぞ」
「ええ、それでいいのですわ」
他の方々も不思議そうにしておりますわね。
「どういうことですかな?」
「青豆はワタクシのいた世界の大豆と言う豆によくにておりますのよ」
「へぇ、ダイズねぇ、青豆は基本的に煮込んでスープにするしかないわね。青豆がダイズと似てるとなるとどうなるの?」
ベティさんが疑問を口にしてきましたが、どうやら他の方も気になるようですわね。
「大豆製品が作れますわ、大豆は栄養価がとても高い優れた食材ですの。そして街で生活してみて分かりましたがこの世界には大豆製品が無いのです」
アルティアさんがワタクシの言いたいことに気付いたようですわね。
「あ、ま、まさか……そ、そのダイズから作れる、し品を魔王領の特産品に、す、するんですね」
「ご名答ですわ」
「特に醤油と味噌はバカ売れ間違いなしですわよ、ワタクシ大豆製品は大好きですので味噌も醤油も自作して作るほどですのよ」
また変な単語に皆さまは首をかしげておりますわね、まあ大豆を知らないなら醤油も味噌も知らないですわよね。
「ああ、マナカさん、そのためのムーロさんですか!」
「その通りですわよ、味噌と醤油を使った料理を食べればその価値が分かるはずですわ」
まずは皆さまにも大豆製品を知ってもらった方がいいですわね。
「モルテさん茶色になった青豆はあります?」
「去年収穫したモノがありますぞ、茶色くなってしまった物は使えないので家畜の餌にしておりますからな、倉庫に残ってるはずですぞ」
「うふふ、十分ですわね……ん?」
何か忘れていますわね……醤油を作るにも味噌を作るにも必要な、おぉ!
「麹菌がありませんわ! しかも今からだと時間もかかってしまいますわ」
「コウジキン? それはなんですか?」
大問題ですわ!お米を入手する必要がありますわね、しかも麹菌を造るには少なくとも半年以上かかりますわね……どころか種麹もありませんわー。
「く、考えが甘かったですわ……策を考えねばいけませんわ」
「どうやら、クナギさまの言っておられたミソとショウユを作るに材料が足りないようですな、コウジキンというヤツがたりないのですな」
ですが豆腐なら作れますわね、アレならばニガリを作るだけで行けますわね、ニガリなら海水から作れますわ、幸いここは海に近いのも特徴ですわね。
「だ、大丈夫ですわ。まだ豆腐や豆乳は作れますわよ」
ワタクシはモルテさんに海水を使ったニガリの作り方を説明します。
「わかりました、海水を煮込むなどしてニガリというのを作ればよいのですな」
「ええ、お願いできます? ニガリがあれば豆腐は作れます。そうですわね、豆乳から作って豆腐も豆乳から作ることといたしましょう」
こうしてワタクシはメモを書きつつモルテさんに豆乳の作り方を指示しますわ。
「やってみないと分かりませんな、メイドを二人ほどその作業に回しましょう」
「お願いしますわ」
ワタクシがモルテさんにお願いしますとモルテさんは早速メイドを呼びます。
「おーい、シェンナ! コリー! おぬしらに仕事じゃ」
シェンナと呼ばれた緑色した髪の長い小柄ですが巨乳で耳の尖った可愛らしいメイドさんと。
コリーと呼ばれた茶髪を短く切った少し背の高い均等の取れたプロポーションのヅカ系っぽいメイドさんがやってきましたわね。
この魔王領のメイドさんはどの方も容姿レベルが高いですわね。
二人がモルテさんの所まで来るとモルテさんは説明を始めます。
「お前たちは料理が得意じゃったな、クナギ様の世界にある料理を作るのをお主等に任せる、これがレシピじゃまずは豆乳とやらを作るそうじゃ頑張ってくれ」
「わかりました」
「シェンナにお任せください」
レシピを渡された二人はマウナさんやワタクシ達にお辞儀をすると食堂を出ていきましたわ。
「――マナカの喋ってることは難しいね、アルティアわかる?」
「わ、わたしにもさっぱりです」
二人がそんな話をしておりました、大豆製品がないのだから仕方ないですわね。
さて、色々始めるにも人が欲しいですわね。
「マウナさん、モルテさん人材の確保は出来ますでしょうか?」
「人材ですか?」
「ええ、そろそろ国の再建の準備も進めていきたいのですわ」
ワタクシの言葉に周りの人々がゴクリと喉を鳴らしましたわ。
「クナギさま、そうすると冒険者は終わりですかな?」
「いいえ、しばらくはまだ続けますわ、まだまだ外部の協力者が欲しいいですからね」
「では、どうされるおつもりで?」
「ある程度の街の拡大やインフラ整備等をしたいのですわ、ですから体力自慢や手先の器用な方々が欲しいですわね」
「なるほど、ではエルフやオーガ、ノーム辺りに呼び掛けてみますかな、マウナ様が再建に立ち上がったとなれば戻ってくる魔族や獣人亜人も多い事でしょう」
しかしインフラ整備って言葉通じたのかしら?
この後は皆さんはお城見学をしてから、付近の寂しい村を見て回り一日を終えることになりましたわ。
――
――――
そして次の日。
ワタクシ達は召喚の間に集まっております。
この召喚の間は部屋の四隅に魔力を増幅する宝玉が飾ってあるそうなのです、この増幅装置が無いと魔王ことマウナさんでも一人での召喚は厳しいのだとか、普通は魔導士が五人がかりで尚補助の魔道具を使って召喚するそうですわね、これを無視して適当に召喚して暴走したのがサルジーンの『召喚の書暴走事件』だそうですわね
「それでは召喚を開始しますね」
マウナさんの言葉にワタクシ達は頷きます、それを確認したマウナさんも頷き召喚の書を手に取り。
そして部屋の中央の魔法陣の前に行くと召喚の書に魔力を込めだしましたわ。
すると何もない空間に文字が浮かび上がっており魔法陣が淡い光を放ちます。
「面白いわねぇ、詠唱するのじゃないのねぇ」
「は、はい。召喚の呪文が文字として、う、浮かび上がっていくんですね」
『我が呼びかけに応じよ 異界よりこの世界の意思に選ばれし勇者よ 我が求めに応じよ なれを求める声に応じよ』そんな感じの意味の言葉ですわね、ふふ、ワタクシ既にそれくらいのこの世界の文字なら読めるのですのよ、ええ勉強しましたものね!
文字が消え暫くすると光がいったん収まった後に強烈な光の柱が登っていきました
その柱も収まった所に現れたのは――
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