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少し残念なお嬢様の異世界英雄譚  作者: 雛山
第二章 冒険者で行こう
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第一四話 念願の防具《ぶき》を手に入れたぞ!

第十四話公開します


お嬢様ついに装備を入手します


感想など頂けると作者喜ぶと思います

 

 翌日

 

 ワタクシとマウナさんはギルドに向かいましたわ、するとベティさんとアルティアさんはすでに来ていました。

 

「皆さまごきげんよう」

「お、おはようございます」

 

 やはり朝の挨拶は大切ですわね。ワタクシ達の挨拶にアルティアさんとベティさんも挨拶を返してくれますわ、相変わらずベティさんはクネクネしながら挨拶してきますが……

 ブレンダさんにムーロさんが来てるか聞きますと奥の部屋にすでにいるとのことです、ワタクシ達は昨日使わせていただいた部屋に向かいますわ。

 

「ムーロさんごきげんよう、待たせてしまいましたか?」

「いや、私も少し前に来たので大丈夫です」

「よかったですわ、それでは予定の事決めましょう」

 

 ワタクシ達はムーロさんと予定の事や使うルートの事などを話し合いましたわ。

 

 

 ここで話し合ったことを簡単にまとめておきますわね

 

 まず、ワタクシ達駆け出しパーティーがムーロさんを御者として雇った形で偽装するとの事です、そうなると移動は馬車になりますわね。

 次にルートですが、基本的には舗装された道を使うようにしますが途中で一カ所だけ森を抜けるルートを使うとの事ですわ、森を抜けた先にある村で一度休憩を取り万全を期すためだそうですわ。

 

 出発は二日後になりましたわ、これは馬車を用意するのにそれだけの時間がかかるとの事でしたわ、なのでワタクシ達もその間に準備を済ませることにいたしました。

 こうして簡単にではありますがムーロさんとの打ち合わせを終えましたわ。

 あとはついでに前金の五万リシェを受け取りました。

 

「それでは皆さん、私はさっそく馬車の手配などがありますのでこれで失礼させて頂きます、では二日後にギルドで会いましょう」

 

 そう言ってムーロさんはギルドを出ていきました、ワタクシ達もギルドのカフェの方に場所を移動しますわ。カフェで今度はプーモーという牛のような動物から搾ったミルクを人数分頼み今日のこれからの事を話します。

 

「皆さん今日はこれから準備をすると思いますけど、消耗品の買い出しだけでいいですかね?」

「わ、私は。しばらく孤児院を空けることになるので、その準備をしておきたいと思います。そ、装備等は今ので十分ですから」

「私はバックラーの調子を見てもらうくらいかしらねん」

 

 アルティアさんは別行動ですわね、ベティさんは盾のチェックをするという事ですわね。

 さて、ワタクシ思う所がありますのよね、ワタクシだけ武器が無いのです、素手! いつも素手! 武器戦闘センスが無いので仕方ないのですけど格闘用の武器が欲しいのですわ。よって本日、武器を購入しに行きたいと思いますのよ。

 

「ワタクシ武器屋に行きたいですわ」

 

 ワタクシの突然の発言にお二人は目で訴えますわね「お前武器いらんやろが」と。

 

「マナカちゃん武器って何を持つのよ、マナカちゃんの戦闘スタイルだと格闘用の武器でしょうけど爪なんて装備したら逆に戦闘の幅が狭くなるわよ?」

「そうですよ、マナカさんの格闘スタイルって見てますと、打つ、極める、投げる、じゃないですか爪なんて装備したら打つしかできなくなりますよ」

「マ、マナカさんって武器を持ってないんですか?」

 

 武器を持つことを全否定されてしまいましたわ……そもそも極めると投げるなんてしてるファンタジーの主人公がいますか! ……あ、それがワタクシですわね、むしろ打つすら少ないでしょうね。

 アルティアさんはワタクシが武器を持ってないことに驚いていましたわ。

 

「ならばアパッチ・リボルバーとかどうですの?」

「なんですかその武器? マナカさんの世界の武器ですか」

 

 ワタクシの世界でもマニアックな武器でしたわね……

 

「何ならマナカちゃんは指が自由に動かせるガントレットや籠手なんてどうかしら? 武器ではないけどこれなら相手の攻撃を受け流せるし打撃力もあがらないかしら?」

 

 籠手系ですか、パンチや一部の攻撃の威力は上がりますわね武器を持つこと前提の防具ですから指も自由に動きますわね、ふむ。いいんじゃないかしら?

 

「ベティさん! その案でいきましょう、武器じゃありませんが殴る分には有効な武器にもなりますわね」

 

 こうしてワタクシ達はアルティアさんと別れて武器防具屋に向かいますわ。

 

 何気に武器防具屋に来るのって初めてですわね、マウナさんもワタクシも武器って必要ありませんでしたしね。ワタクシ達は武器防具屋の扉を開けて店に入っていきますわ。

 

「へい、らっしゃい。うちは武器も防具も活きが良いぜ」

 

 武器防具の活きが良いとか意味不明の事を言いながら店主が出迎えてくれました、がっしりとした体躯の背の低い髭親父ドワーフと言うヤツですわね。

 

「ハロー、親父さん元気してた?」

「お? ベノワ、お前復帰したって本当だったんだな」

「そうなのよ、面白い子を見つけちゃってね」

 

 ドワーフ親父とベティさんは顔なじみのようですわね、ベティさんついでに盾の調子を見てもらうよう頼んでますわね、ワタクシは取り合えず防具コーナーを見に行きますわ。何故かマウナさんは大剣を見ていますわね何故でしょう?

 

 ワタクシもさっそく籠手類の置いてあるコーナーで品を見定めますわ。

 重装備用のガントレットはダメですわね重すぎてパンチのスピードを殺してしまいますわ。日本の侍が付けてるような籠手も有りますわね、日本人の歴史マニアでも転生して流行らせたのかしらね? ミトン型は指が自由に動かせませんわね、よって論外。

 

 マウナさんの方を見ると杖ではなくウォーハンマーと呼ばれる大きなハンマーを見ていますわね、だから何で重い武器ばかりみてるのでしょう?

 

 ワタクシが真剣に籠手類を見てるとドワーフの親父さんがワタクシに話しかけてきましたわ。

 

「お嬢ちゃんは鎧も着てないのに籠手や手甲ばかり真剣に見てるな、何か探してるのかい?」

 

 ワタクシは武器屋の親父の方を見ますわ、専門家に聞いてみるのも悪くはありませんわね?

 

「ええ、ワタクシの武器はこの拳でしてね。指が自由に動かせて打撃力の上がるような装備が欲しいのですわ、何か良い装備はありますでしょうか?」

 

 ドワーフの親父さんはワタクシの容姿と体格を見て驚いたように言いますわ。

 

「お嬢ちゃん、そんな別嬪さんで華奢な体してて素手で戦うのかい? 見た目より力があるんだな。イメージ的には魔法やレイピア辺りのイメージなんだがなぁ、人は見かけによらねぇもんだな」

「ふふ、ワタクシ自慢じゃありませんが武器を扱うのがとても下手なんですのよ、別嬪なのは認めますわ」

「武器を扱うのが下手なのは自慢にはならねぇな……まあ、素手の攻撃力を挙げたくて籠手か、確かに有りかもしれねぇなぁ」

 

 ドワーフの親父さんが少し考えると、ポンと手を打って何かを思いついたような顔をしてますわね。

 

「お嬢ちゃんちょっと待ってな試作品でいいのがあるんだよ」

 

 そういうとドワーフの親父さんは店の奥に引っ込んでいきましたわ、マウナさんは今度は何故か戦斧を見ていましたわ重い武器が好きなのでしょうか? そしてしばらくすると武器屋の親父さんが戻ってきましたわ。

 

「コイツだコイツ、メイルリザードの皮を加工した皮の籠手なんだがな、手の甲の部分と手首辺りにだけ加工した皮を使って手首の動きと指は自由に動くようにしてある軽装備の籠手なんだよ。指の第一関節部分にも皮を薄く延ばして加工した素材で覆ってるから打撃力も上がると思うんだ」

 

 オープンフィンガーグローブみたいなモノですわね、悪くはないかもしれませんわね。

 

「少し試してもよろしいかしら?」

「ああ、構わんよ。お城の女性兵士用に作ってる奴も有るからサイズはそっちでいけるだろ。試作バリエーションも何個か有るから持ってこよう」

 

 ドワーフの親父さんが幾つか試作の籠手を持って来たので、ワタクシ達は店の裏手にある武器を試す場所に移動しましたわ。

 ここでも何故かウッドゴーレムと言う名の木人がいますわね、この世界は訓練イコール木人ですの?

 

 取り敢えず幾つか試しましょう、まずサイズが合わないやつは除外ですわね。

 そして、サイズが合うのは三つ有りましたわ。

 

「まずはこの軍手に皮を縫い付けてあるやつからいきましょう」

 

 ワタクシは軍手籠手を装備して構えますわ。

 つけ心地は悪くありませんわね。

 

「では、いきますわよ」

 

 ワタクシはおもいっきり木人の顔の部分めがけて得意の右ストレートを決めますわ、バシーンっと良い音がしましたわね。

 ドワーフ親父が目見開いて見てますわ。

 

「なんじゃあのパンチはえらい勢いがあるなぁ」

「凄いでしょ、マナカちゃんの武器があの拳の意味がわかるでしょ」

 

 良い音がしたのは良いのですが……耐久力に問題が有るようですわね一発で籠手がオシャカですわ。

 

「あら? 親父さん、ごめんあそばせ一発で壊れてしまいましたわ」

 

 壊してしまったら謝りますわよ。

 

「ああ、そいつは構わんよ、素材をケチって作った試作品だしな、しかしお嬢さんの今のに耐えるとなると、そこに黒塗りのヤツがあるだろ」

 

 ワタクシは黒塗りの籠手を手に取りますわ、なかなかデザインもカッコいいですわね。

 

「ちと値は張るがソイツなら行けると思うぜ」

 

 ワタクシの隣で何故かマウナさんもゲートボールに使うスティックのような武器を持っていますわね。

 

「マウナさん、それ買いますの?」

 

 マウナさんは何故かもじもじしながら「はい」と答えましたわ。

 

 さて気を取り直して黒塗りの籠手を装備しますわ、良い感じのフィット感ですわ。

 

「では、いきますわよ!」

 

 ワタクシは先程と同じように右のストレートを木人の顔に打ち込みました、風船を割ったような音と共に木人が吹き飛びましたわ。

 これは、とても良い物ですわね。

 

「あらーん、マナカちゃん凄く良い感じじゃないの音が違ったわよ」

「す、凄いです! カッコいいですよマナカさん」

 

 よくってよよくってよ、これで決まりですわね。

 

「すげぇな、ウッドゴーレムがあんなに吹っ飛ぶなんて」

「親父さん、ワタクシこれにしますわ試作品だそうですが幾らで譲って頂けます?」

 

 ドワーフ親父は少し考えてから値段の提示をしましたわ。

 

「試作の段階だからな素材の値段だけでいいぜ。三五〇〇リシェってとこだな」

「わかりましたわ、マウナさんお金くださいまし」

「すいません、このハンマーは幾らですか?」

 

 やはりそれ買うのですわね……

 

「一五〇〇なんだが、籠手とセットで四五〇〇でいいぞ」

 

 謎スティックとセットでお安くなりましたわね、マウナさんがお金を払っていますわ、ベティさんの盾も受け取って店を後にしようとしたところ。

 

「お嬢ちゃんソイツの使い心地や気付いた点があればまた教えてくれ」

「わかりましたわ」

「じゃあな、毎度あり」

 

 こうして装備を整えてから消耗品も買って宿に戻りましたわ。

 

 

 

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