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少し残念なお嬢様の異世界英雄譚  作者: 雛山
終章 勇者進行編
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第九十五話 空を自由に飛びたいな! はい、そら無理だ。

あれ? 投稿ミスのようです周遅れ申し訳ない

 何事もなく三日目を迎えることになりました、チヨルカンの動きがなかったためこちらもそれなりに準備はできました。


 本日はワタクシ秘密裏にネタで作らせていた試作型決戦兵装である『体操服とブルマに芋ジャージ上』という装備を装着しておりますわ。

 ワタクシの世界では下着みたいで恥ずかしいとかで消えたようですが、ワタクシほどのパーフェクトボディだとブルマなんて履いてても恥ずかしいなんてことはありませんわね。


 スチールスパイダーと呼ばれるモンスターの鋼糸を練りこんだ生地を開発、その生地で作った体操服とブルマは普通のナイフ程度では切ることができない丈夫さ、そこらの鎧より軽くて丈夫になりましたわね。

 ジャージ上も、タウィージャと呼ばれる蛾のモンスターの幼虫が出す糸を使った生地に、ミスリル鉱石を細く糸状にしたものを織り交ぜ、対魔法防御力を上げた品ですわ、AMJですわね。

 この装備を量産して女性用の防具として販売することにしましょう、ビキニアーマーよりは恥ずかしくないと思いますわよ、なにより動きやすいですもの。


「まだ、動きがありませんね」

「ええ、それがかえって不気味ですわね」


 ワタクシは腕を組みマウナさんの言葉に返事をしました。


「ところでマナカさんのその服なんです?」

「秘密裏に開発していた決戦兵装ですわ!」

「そ、そうですか」


 ブルマはダメだったかしら?

 ワタクシがそう思ったところ動きがあったようですわね。


「魔王様! 糸電話にて知らせが。どうやらチヨルカンに動きがあったようです」


 うん、糸電話なのですが。糸電話って名前はそのまますぎてやはりダサいですわね……


「詳しく報告を!」

「は!」


 兵士は電話に魔力を込め、今敵の状況を聞いております。

 少しすると兵士の報告が入ります。


「投石器のようなものを用意して居るとのこと、そして巨大なモンスター……ドラゴンがいるようです」

「投石器……まさか、それで人を飛ばすんですの? 人間砲弾とかアホですの?」


 まさか、そんな漫画みたいなこと考えてる奴がいるなんて、驚きですわね。


「ドラゴンも気になりますね」

「ファンタジーと言えばドラゴン、まさかここで出てきますか」


 兵士が慌てておりますわね、どうやら相手が仕掛けてくるのでしょうか?


「敵軍進撃開始! しかもドラゴンで兵士を移動させるもの!」

「中尉の言う通りですわね」

「はい、弓隊での迎撃をしましょう」


 マウナさんの提案にワタクシが頷こうとしたところ、兵士が追加の報告をします。


「弓では無理です! ドラゴンは……クドゥ・ヴァン! 疾風竜クドゥ・ヴァンとのことです!」


 なーんか凄そうなの出てきましたわね……なんですの工藤蛮、違ったクドゥ・ヴァンって。

 ワタクシがそう思ってると、マウナさんも静かに佇んでいたサティさんも目を見開きます。


「クドゥ・ヴァンですか?」

「しかし、クドゥヴァンであるものの様子がおかしく……まさか……」


 兵士が言いよどみます。


「どうしました?」

「どうやら、クドゥ・ヴァンのゾンビ。疾風竜のドラゴンゾンビだそうです!」

「勇者はクドゥ・ヴァンを倒して使役しているということですか!」


 兵士の報告で声を荒げたマウナさん、そこにモルテさんが会話に入ってきました。


「マウナ様、どうやら敵には相当な力を持ったネクロマンサーがいるようですな」

「そうですね、しかも疾風竜のドラゴンゾンビを作れるとなると、そのネクロマンサーはおそらく魔王クラスの実力を持ってるということです」

「ええ、私が知る限りそのレベルのネクロマンサーとなると、私を除けば我が師である『カステリオ』くらいのものでしょう」

「敵軍進軍開始! クドゥ・ヴァンを先頭にワイバーン隊も進軍!」


 皆様の反応からしてクドゥ・ヴァンは、どうやら厄介な存在なようですわね。


「クドゥ・ヴァンってなんですの?」

「簡単に説明すると、この世界に十匹しかいない十大古龍と呼ばれる普通のドラゴンの上位種です」

「なんですのそれ? 要するに強いドラゴンって事ですわね」

「そういうことです」


 チヨルカンって小国ですわよね? なんでそんなに戦力あるんですの? まあ、その準備があるから大国に喧嘩売れるのでしょうけど。


「やはり、航空戦力を投入してきたでありますか」

「しかも、とんでもない戦力ねぇ」

「ク、クドゥ・ヴァンなんて、は、初めて見ました」


 地元民でも珍しい……それはそうでしょうね。

 しかし、あのサイズとなると相当数運べそうですわね。


「――ん、あれは普通の弓じゃ倒せない」

「そうでありますな、せめて高射砲でもあれば」

「あったら楽ですわねー」


 さて、クドゥ・ヴァンをどうにかしないと兵士をばんばん送られてしまいますわね。

 どうやって倒すかを話し合ってると後ろから声がしましたわ。


「マウナさま、第三段階までの封印の限定解除を許可くださいますか?」


 サティさんがなんか意味深なこと言っておりますわね。


「許可いただければ、私目がクドゥ・ヴァンを倒してきます」

「第三は流石に許可できません、許可できても第二までです」

「第二では倒せない可能性がございます」

「しかし第三はサティの身体が持たない場合があります、ですので許可できません」

「……わかりました」


 サティさんって何なんですの?

 ワタクシはモルテさんを捕まえて尋ねます。


「サティさんって凄いんですの?」

「ええ、もともとはこの辺を荒らしていた上位悪魔なのです。しかし、当時のサティは力の使い方が下手でして、その大きな魔力を暴走させ自爆しそうになったところを先々代の魔王様が助けたというわけなのです」

「はー、そうだったんですのね」


 ワタクシがモルテさんの話を聞いてた間にサティさんが出撃することになっておりましたわね。


「第一段階解除!」


 サティさんがそう言いますと、サティさんの背中に大きな蝙蝠の羽のような形の羽が生えております、瞳は金色に光を放ち魔力が膨れ上がるのがワタクシにもわかりました。


「では、マウナ様行ってまいります。吉報をご期待ください」


 サティさんはバサっと翼を広げると魔王城から飛び出していきました。

次もすぐに更新します

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