表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠の約束 永遠の旅 -とわのやくそく とわのたび-  作者: 風翔 響
第1部:エレメンタニア
1/109

????

 永遠えいえん。それは生を受けた全ての人が一度は願う物。

その願いは人によって様々。自分にとっては大きい事でも他人にとっては小さい事かもしれない。また、その逆の可能性もあるかもしれない。


 例えば不老不死。一見、誰もが一度は夢見る他愛のない願いだがこれは生き物にとっての難題だ。

 一般的にこれを願った人は老化の恐れ、それに連なる死の恐れから来る永遠の願いだろう。しかしその願いを否定する者はこう言うだろう。「そんな事は絶対にあり得ない。生命いのちあるものは必ず死ぬ」と。

 現実からすればその通りだ。どのような人も。いや、人でなくても生き物と呼ばれる存在ならば必ず知る事だ。

 何故?それは他者の死という光景を見て来たからだ。そしてそれを本能でいずれ自分も同じ事になると確信しているからだ。そうでなければ未来に繋げるためなどと大層な理由を付けて雄と雌による

生殖行為をし、子供を残すなんて行為は絶対に行わないからだ。

 大層な理由。この部分を聞いて怒った人は「冒涜だ」と言うかもしれない。だが真実だ。人では無い生き物に関しては解らないが、人でならそれが証明出来る。

 では、それは何だ?

        人の言葉で言うのであれば、それは[存在]だ。


 これは人が最も期待と恐怖を抱く事象。そして不老不死を願う人の真の理由だ。

 死ぬと言う事は1つの事象でしか無い。死人の魂が天国や地獄に行く、もしくは転生するなどと言う教えから生まれた事が実際に行われているかもどうかも死ぬまで解らない。転生などと言う未来に繋がるものがあるなら死など、そして存在など一生を懸けてまで気にする程の事でも無い。死後に自身がどうなるか解らない。解らないからこそ死は怖いのだ。

 なら、何故人は存在に拘るのか。

 

          結論から言ってしまえばただの[欲]だ。


 人の誕生から現在まであらゆる存在が様々な形で残されている。道具、壁画、文字、建造物、伝承、書物など。それらから読み取れる過去の人物達やその行い。歴史と称して扱われたそれら全ては

「自分は此処に居た」という存在証明の数々だ。それらが、過去の遺産があったからこそ、今の自分が居ると過去から感じる事が出来る。子供の頃ではそんな事は微塵も考えなかったはずだ。しかし過

去を一度でも知ってしまうと子供でも無意識にこう思ってしまう。「自分の存在価値は?」と。

 将来。夢。未来。言葉は違えど根の意味は同じ。自分が今ここにいる理由を、道を探し始める。その道は成功や失敗。問題。挫折。様々な試練と言う壁を乗り越えた先にあると道を歩き切った者は言うだろう。そしてその道を探せなかった者は「きっと誰かが自分の存在に気付いてくれる」と希望的観測をしながら誰にも見つからない場所で待ち続ける。道を見つけた者達から見ればそれは人ですら無い、と。存在を否定される存在になる。

 つまりはそうはなりたくないと。過去に。歴史に。自分の存在を証明出来るモノが欲しい。ただそれだけのために人という生き物は「それが生きると言う事だ」と。その欲を悟られたくが無いために抗い、それ誇る様に言い伝えていくのだ。それが人という存在だと。



 だが、もしも。

 

 人としての存在を奪われた者が居たとしたら。


 その者の存在奪ったのが人だとしたら。



 

          あなたは何かしたい事があるの?


 


 もしも。その者に願いが、欲が微かにもあったとしたら。




          俺は・・・永遠を手に入れたい。




 その者は、きっとそう願うだろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ