((12話分の)8話)魔法少女は外を知る! 祈里の実家を邪魔します!!
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魔法使えない少女? ミナこ!
((12話分の)8話)魔法少女は外を知る! 祈里の実家を邪魔します!!
Aパート・ミナこ、祈里の真相に興味35%編
ミナこと祈里、ここまでベタすぎる対局的な関係がよく続いていると、一般的にはそんな遠目な評価をされる関係だろう。 金持ちだがどう見ても魔法が使えないミナこと、貧乏だが由緒正しき小さな魔法を持つ祈里。そんな対局性のある関係は、やはりいつかは互いにその生活環境を覗き知りたくなるもの。
今回はそんな2人の内、ミナこが祈里側の住居に接触した物語となる。
ある日のなんてことはない普通の昼休みの時間。相変わらず今日はセーラー服のミナこはガードマンに用意された豪華な洋食弁当を食べ、祈里は手製の質素なお弁当を食べている時だった。
「だから一昨日の改良型箒による第87回目の長時間飛行は、やはりヘリコプターの動力が備わっていないとVTOL式魔法エンジンをモデルとした箒だけでは重心に限界があって、私は上空からバターをつけられたトーストのように箒と回転しながら落ちざるを得なかったの!! 何故だか分かるっっっ!?」
「ん…ミナこさあ、ここまで腐れ縁だから許してね、努力する方向間違ってない?」
「祈里ちゃんよ!! 質問で返さないっっっっっ!! やはり確実な動力元が無いと魔法は無理なのだというのに!!! ああいった歴史的な魔法はロストテクノロジーでうんたら...」
「ちゃんと聞いて!! ミナこの魔法少女は目標が高すぎるのよ!! まだまだ人は何もないままで空は飛べないし、むしろ古くからまじないや超能力的な研究で飛んだとされる証言が残る資料を元に、考古学風に過去を調査し解明開発にする方がより魔法少女らしくない!?」
ミナこは真顔でしばらく黙る。急な静けさでビビる祈里。
「祈里にも逆に腐れ縁だから聞きたい、よく先ほどの意見のように、大多数がデタラメな過去の歴史の超常現象を信用できるな」
「(ビジュアル的にそれっぽい過去の魔法のビジョンは否定的だったんかーーーー!!??)み、ミナこに言わなかったっけ、私は神社が実家だから、そうゆう過去の信仰とまじないを元に育ってきたってことを…」
するとミナこは急にハッとした表情になり、持っているプリほで祈里の住所を検索し、衛星写真から確認した。
「し、知らなかった…知らなかったぞおおお!!? そんなケチで振る舞いの薄っぺらい祈里の本拠地がそんないわくつきだったとは…」
「いわくじゃなくて、由緒歴史あるよ! まあ伝説とかも残されているしいわくでも間違ってないけど、でもミナこの魔法のビジョンはこんにちのポップで夢を叶えてくれる系のものでしょ?」
「そうだけど興味が出たわ! 是非とも一度お手合わせ願いたい!! そう今日にでも泊まってね!!!」
「えええええええええええええええっっっっっっっっ!!???(しまったあ!? つい興味を注いでしまったあ!! 私のばかあああああああああ!!!)」
「んだよー祈里ちゃんよー、それとも衛星写真の印象のように、やっぱおんぼろなだけってわけえ?~」
「むっっ!!?? 何よもう分かった!! アタシのメンツに懸けていらっしゃいな!! 薪島重工よりも歴史だけは長いんだからっっっ!!!」
こうして、ミナこは祈里の実家の白蛇神社への宿泊を決意し、早速準備をガードへ呼び寄せて学校から直接向かうことを祈里に伝えた。
「(じいちゃんに魔法的なものは隠すように連絡しないと…)」
「ん? どうした祈里ちゃんよ? 私により協力と理解が得られるのだから、そう心配するで無いよ。紹介してくれるだけでもいいから」
「(そうやすやすと言わないでええええ!!!)」
祈里の心配の影響か、午後の授業はあっという間に過ぎ去っていき、そして放課後が訪れてしまうと、ミナこにいそいそとガード達が訪れたかと思うと、長方形の長さ2.5メートル・横1メートルはある大きなボックス型のピンク色リュックが届けられた。
「…ミナこ、これはいわゆる…」
「魔法少女用お泊りセットだっ!!! ズバリ!! 本来は登山用だが、応用でね!! これを今から担いで祈里の実家に行ってやるんだから」
「なんとまあ…庶民のお泊り感覚を楽しむためえ?…」
そして祈里とミナこは学校を後にし、祈里は普段と変わらない持ち物に対し、ミナこは背丈以上のボックスリュックを平然と担ぐ重々しい二宮金次郎像状態で学校から徒歩25分の祈里の白蛇神社へ移動していく。
(てくてくてく…どしゃどしゃどしゃ…)
「そ、そのボックスリュックには何が入ってんの? 食事はうちのあるし、服や衣装保管場所ぐらい貸してあげるのに…」
「これ、8割型変身セットだから。私単独だけでもすぐ襲いかかる様々な障害のためにね」
「あの魔法少女装備で一番でっかい、ジェットパ…いや、ペガサスウィングも入ってんの?」
「それがこの登山用魔法少女セットの弱点でな…代わり収納の、軽量パラグライダー形ではやはり不安なのだ…」
「(絶対境内では使わないでよね…マッチ一本でも全滅しそうな家屋と境内なんだから…)」
そうこうしているうちに白蛇神社の入り口前階段と鳥居にたどり着く。
度重なる地震の影響と老朽化で土に埋もれつつある石階段と、古びて塗装が剥げてかけている白い鳥居が場違いなミナこを帰ってくれと言わんばかりの威圧感でお出迎えした。
「…衛星写真のままではないか…やはりロストテクノロジーだな」
「そうは言わせないわよ!! 私だってある意味、伝統的な魔法少女であることを後で見せてあげるんだから!!」
「!? 祈里今なんと…」
そんな二人だが、実は後ろには祈里を陰ながら応援するようになった、実質ストーカーのビッグブラザー達が潜んでおり、今はその内の3人の男共が定期偵察していた。
「ぎぇええええええええええええ!!!??? ミナこがいるではないかああああああああ!!!」
「あいつめ…携帯用核兵器でも積んでいるかのような荷物をしょって、この聖域に何をしに来たんだ…!?」
「我々は今日の『早乙女祈里ちゃん・裏親衛隊』当番だ。このミナこ侵入は非常事態であるっ!! 今日は夜も防衛するぞ!! くれぐれもストーカーとしてしょっぴかれぬよう3人で動くぞ!!!」
ミナこと祈里は神社境内のすぐ側にある祈里と祖父・慈庵が住む住居に入る。
するとミナこのデカ長い魔法少女セットが低めの入り口にガアン!! と頭をぶつけてしまい、その音で慈庵がやって来た。
「おお!! 薪島ミナこさんかね!! ようこそようこそ!!! おはいんなさい。いやあテレビよりもずいぶん可愛いですなあ」
「ほほお。一目見て名前が言えるとは流石高年齢者の知名度調査でもテレビの影響で高いわけだ!!」
「もうクドい返答しないの!! あーあもお、入り口天井にぶつけちゃって…」
「それはごめんなさいだ。背筋を45度で入れば…」
(ひゅっ、すすす…ガオンッ!!)
「うぼごおっっ!?」
今度はミナこの背負っている荷物が正面に伸びたため、玄関にいる慈庵の腹部を直撃した。
「じいちゃん!? もうミナこ!! その荷物のせいよ!! 軒下にでも置いといて!!! 後ついでにじいちゃんを横に寝かせるのを手伝って!!」
「しょうがないなあ。まあ1泊庶民感覚だし、たまには普段を忘れてもいいか」
そしてリビングにミナこが案内され、しばらく待っていると祈里が巫女服に着替えてやって来た。
地味な普段ミナこが見かけるセーラーや普段着と違い、巫女服の祈里は輝いて見え、あれほど厳重に対ミナこに封印しようとした魔法と思わしき神具も『神楽咲かぐらざき』という小型の杖に魔除けのひも状の紙が複数ついた神具を一つだけ用意した気合の入れようだった。
「…ど、どう!? こ、これが本来のここでのアタシの正装なの」
「…なんと神々しい…これがロストテクノロジーの本家本元のひとつか…」
「失ってないっつうの!! 私らの神道系が扱っているのは眼に見えないものなの!! 祈ることを中心とした鎮霊が基本なのよ」
「…ぷ、それで魔法少女とお名乗りかぁ!?」
「むむう…言うと思った、私は私でこれでいいの!(折角、態々一つだけ神具の持ってきたっていうのに…)」
「ははは、動力と具体性が足りない魔法名称など…」
だがその時、神楽咲の先ひもが風もないのに急に反応し、一斉に境内の外に向けて引っ張り上がった。
「はっ!? え、今!?」
「お!? 祈里なんだこれは? 中に扇風機でも入って祈り中に涼しむためでも?」
「(外に何か邪悪な存在でもいるっているの?)う、ん、ま、まあこれはダウジングマシンみたいなもんで、時々察知することがある呪具なのよ!! ハハ…」
「なんだただの金属探知を魔力探知と名乗っているだけか、やはりその程度…」
「つ、次は本殿を案内してあげるから、参考にしなさいよ!!」
だが探知能力は本物だった。儀式以外取り出すことはないので、久々に出したことで、外に隠れているビッグブラザー3人衆を察知し警告したのだった。
外の境内端から室内に隠したマイクロカメラを元に確認している3人は驚きを見せる。
「あの儀式用の先のひらひらがこっちを…これって…俺達のカメラの方向正面を向いているぞ!?」
「おいマジかよ!? マジで本当の魔力的なものを祈里ちゃんは持ってんのかよ!!」
「こ、これは大変なことを知ってしまったあ…」
「ひとまず、今日は祈里ちゃんをお守りするための行動だが、下手すると余計に我々が危険であることが分かった! なら作戦追加だ、祈里といるミナこの手がかりを盗もう」
「どう何を盗むつもりなんだよ? あ、さっきの軒下に置いてたような、魔法道具(笑)を我々が盗み調査することで…」
「にっくきミナこの技術を我々が流用可能と言うわけでありますか!…」
3人は相談しながらしばらく監視していると、祈里はみなこを引き連れて神社の本殿へ案内しに外を出たため、すかさず3人も参拝客のふりをして後をつけた。
本殿もまた小さく、例えると住宅街によくある小さな一軒家程度のサイズで、形もよくある神社の形であった。だが内部を見ると、所々に蛇を祀った置物や古めかしい装飾、更に奥の神棚に見えるのは、大きな動物の頭蓋骨と思われる骨のようなお着物が飾られていた。
「カビくっさ!! っておお!? これは珍しい、祈里の神社は恐竜を祀ってるのか!!!」
「よく参拝者からも言われるけど、これは大蛇、それもヤマタノオロチって説もあるのよ。更にウチのその辺に飾ってある家紋にはウロボロスに似た紋章が昔からずっと続いているのも影響があると思う。まあたまたまかもしれないし、意外と島国山奥だけど、外国と繋がってたかも知れないし…」
「ウロボロスはイコール、永久機関か…そうか、ひょっとすると、祈里は無限動力こと、この蛇紋章に象徴される魔法動力を研究していたか関わりがあったのでは無いか!? いやあったはずだ!!」
「はっっ!? た、ただ地元の神様として祭っただけかも知れないから、ごめん、さっきの私の妄想ってことで!!」
「ふーん…やはりその程度かい…」
すると入れ替わりのように3人が本殿も前で賽銭を入れてお祈りをするフリをしながら、出てくる2人の様子を伺っているところとすれ違い、祈里は挨拶をした。
「いつもお参りありがとうございます! 商売繁盛とは縁もゆかりも無い神ですが、これからも大切にしてくださいね」
「あ、ああああいやどうもですう、祈里様…」
「私の名前を知ってる? 教えたことないのに…」
「なんだこのどん臭そうな男共は? まるでビッグブラザー共だな!! 私は今人間として休暇を過ごしている魔法少女の薪島ミナこだ。商売なら薪島に祈る方が実を結ぶぞ」
「こらなんてこと言うのミナこ!! し、失礼しましたっっっ!!! ごゆっくりーーー!!!」
「(危ない危ない…身元調査が早乙女祈里様にバレるところだった…そしてクソ幼女ミナこめ…今に見てろよ…)」
2人が祈里の住居の方に戻るのを確認すると、3人はより潜伏が可能そうな本殿より更に奥の林へ向かった。
「2人とも、あの本殿の奥に鎮座していた骨、あれは本当に恐竜のものですぞ」
「んなこたあどうでもいい!! それが祈里ちゃんの美貌と何の関係があるっっっ!?」
「夜になってからが本番ですな…。ここの林とけもの道の奥にあるほら穴が丁度良いでしょう…」
そして夜。夕食は祈里が急遽買い出した食材で特製の水炊き鍋料理を料理し、起き上がった慈庵も含めた3人分を用意してリビングにて夕食を振舞った。
鍋が珍しいのか奇異な様子で伺うミナこは、いただきますの挨拶後に、いきなりハシ片方で鍋内の具をまとめて突き刺し上げた。
「うわっ!? きたない取り方しないでよっっっ!!」
「フォンデュじゃないのか。全くそっちこそ伝統かどうかは知らんが、野蛮な食べ方よ」
「はっはっは!! 豪快だなミナこちゃんは!! やはり世界中で報道されるほどじゃから、帰国子女なのかい?」
「魔法少女に国境はありません!! おじいちゃん!!!」
「そうゆう意味で言ってんじゃないのよ!!!」
そしてテレビをつけニュースを見ると、ミナこの父が薪島重工の遠洋漁業部門設立のニュースが報道されており、アイスランドでインタビューを受けているが、そのほとんどが娘ミナこへのテレビ電話nようなコメントだった。
「よろこべミナこー!! これで海産物にも魔法が取り込める夢が実現できるぞーーー!!!」
「さっすがパパ!! そんけーしちゃうっっっ!!!」
「(なんだろう、このミナこのお父さんもここに居るかのような違和感は…)」
それから1時間後、祈里はお風呂に入ろうとするが、ミナこも一緒に入りたがるため、狭い五右衛門風呂ながらも仕方なく一緒に入った。
それを嬉し半分悔し半分で、風呂場に仕込んだカメラ越しに確認をする、ほら穴内の3人達。
「お、祈里の体ってやっぱまだまだ未熟だな」
「いやだもうっ!! んな判断するな! 私より同い年でもずっとちっこいくせして!!」
「うひょおおお!!! ミナこと湯けむりがクソ邪魔でありますが、けむりで見えなくとも、もしやミナこが祈里ちゃんを実況してくれるのでは…」
「やだ何!? ミナこの体って触ったけど、むっちゃ硬っ!!! よく見ると血管とボコボコ筋肉筋が握ると見え隠れだらけじゃない!? うわー本当に少女の体あ!? あんた鍛えすぎよ!!」
「なら特別に一発芸魔法をしてやろう、太腿から下の筋を見てみろ。ふんっっっっ!!!」
(ムキキッッッッ!!!)
「縮小した相撲取りの足」
「ギャハハハハハハハハハハハッハハ!!!!!!超面白い〜!!!」
「おいウケすぎだよ祈里〜。いくら私の筋肉には推定男性ボディビルダー5人分凝縮の筋肉があるからって…」
「ギャアアアアアアアアア!!!??? そんな実況聞きたくないですぞーーーー!!!」
「おえええええっっっっ……」
「こ、こら吐くな!! 臭ったらどうするつもりだよお前っ!?」
ほら穴で隠れる3人がそう慌てふためいていると、奥に祀られているあの祈里がたまに所持している鳴の物のペンダントが反応を始めた。
(ハヤクフケ…)
(? …おい、誰か他にいるのか!?)
(ハヤクフケ!!!!!!!!)
「ぎゃあああああああああああああアアアアアアアアアアアアア!!!???!!!???」
慌てて逃げ出す3人。そしてペンダントからは更に声が続いていた。
(何時ものようにほら穴に封印され、人が来たから祈里が再所持かと思えば、見ず知らずの男共が野宿していたとは…ったく匂いは伝わるのだよ!!)
(だが、祈里を観察していたのだろう? そして外部からは機械音が微かに聞こえる。と言うことはそれを取りにまた戻ってくるから、その際にミナこを暗殺するよう幻想なりを見せ送れば従ってくれるはずだ…)
(碁官、そこへ見える幻想を送り込めるか…?)
Bパート・ミナこ、祈里の実家の真相に興味激震編
そして夜の11時。ミナこは祈里の部屋は小さいので、代わりに祈里と一緒に応接間に布団を敷いて寝ることにした。
2人ともパジャマだが、ミナこは登山用魔法少女セットにあるけど取りに戻るのめんどいと、祈里のお古を着て寝ることにしている。
「祈里にミナこちゃんよ、ワシはまだ出会い頭の鐘叩きのような棒の一撃に体が重いから、ワシも今日は見回りをよして寝ることにするよ。祈里、くれぐれも用心するのじゃぞ」
「分かってるよじいちゃん、ミナこは普通に過ごしてるだけだったわ。お休みなさい」
「なんだ床に寝るなど。実に四足歩行の生物な気分だ」
「さっきの筋肉で何とかしてくださいよーだ」
「うるさいぞ、お前は風呂場で見たブヨブヨの体でクッションになるだろうが…」
「標準体型よ!! アンタは何から何まで庶民離れしすぎなのよ!! もー休みっっっ!!!」
一方で一旦外に飛び出したビッグブラザー3人は、盗聴機器をほら穴に忘れたので、どう戻って取り戻すのか付近の林に潜んで対策を練っていた。
「あれは生き霊ではありませぬか!?」
「こんな由緒正しい所だ。間違いないな。うーん参った、ミナこ盗難へ代わりに向かうとしては、置いてきた機械の方がよほど高価で祈里様のボイス入りと貴重だぞ…」
「いやお待ちを、ここはあのミナこの軒下に置いていた魔法道具(笑)とやらに、秘策活用できそうな手段が現地支給出来るのではなかろうか? 強いフラッシュとか…」
3人の内の1人の提案は大当たりだった。
あっさり軒下で入手できたミナこの登山用・魔法少女セットを3人がかりで苦労して林まで担ぎ、留め具を外すと、中には一見何時もの魔法少女コスチュームが入っているかと思えば、よく見るとコスチューム全身に電灯が着いていた。
「だ、誰が着るんだよ、この我々の敵の女装を…」
「どうやら着てスイッチを入れないと使えないようですなあ…」
「わ、私がここは着て見せましょうぞ…」
一人が大の大人にも係わらず、着ようとするとコスチュームはあっさり特製繊維で元の3倍近くは余裕で伸びたことで、着ることが出来たが、服の内部にあると予想していたスイッチがどこにも無かった。
「おい…よく奥見たらミナこのカツラが入ってんぞ…。あ、どうやら被らないと電灯が作動しない仕組みのようだ」
「どんな登山用魔法少女だよ!? 救助にあって発見されるまでもコスプレは維持しろってか!?」
仕方なく被ると、全身に付いた電灯が強く光り、林内でなければ早乙女の住居に眩しさで見つかりそうな程の明るさだった。
(ピカアアアアアアアアアアアアアアンンンン)
「お、後ミナこの普段持っている消防斧のステッキもあるぞ。念の為持ってろよ。ひょっとすると不審者かも知れんぞ」
「よ、ようし承知いたした。う、うわあ…こんな格好の僕の方がよっぽど不審者なんだな…」
(お、今足音と光るシルエットが見えるぞ! あ、あれは…)
鳴の物のペンダント越しにほら穴でを覗いている謎の存在達は、ミナこのカツラとにしては明らかに身長の高いシルエットが向かっていることに気づいた。
(にしてはどうも大柄ではないだろうか?…)
(バカ!! ミナこのことだ!! 科学の化身なのだから、身長やガタイぐらい容易に変えられるに決まってるだろうが!!!)
(で、ではわたくしめが幻想を転送します…)
(よろしい、そしてミナこに我々の存在と警告を流すのだ!!!)
一方で、ゆっくりビビりながら探知機械を探している男は斧を構えながら明るくても下をキョロキョロしてると、突如煙が立ち上がり、シルエットが浮かび上がってきた。
(待て!! 薪島ミナこ!!!!!)
「…わ、何君は!? すっげえ可愛いでごじゃりますぞおおおおおお!!!!!」
煙に写っている姿は男から見るとすごい美少女だったらしく、男はむしろ接近した。
(な、なんだミナこ? 随分巧妙な変装だな。男の女装という変身をして、心理精神的に驚かすつもりだな…ならこれで魔法を思いしれっっっっっっっ!!!)
すると急にシルエットは、悪魔のような禍々しい魔物に変貌し、男は驚愕した。
(フッ、ガオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッ)
「う……うわぐぎゃわあああああああああああああああああああああんんんんんんんんん!!!!!!」
(ブンバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンンンンンッッッッッ!!!!!)
(パリンッ)
「…あれ、突然変わった化け物が消えた…。あ」
男が下を見ると、あの鳴の物が男の持ち出したミナこのタクミステッキによって、真っ二つに叩き壊されていた。
「ぼ、僕が思わず恐怖抵抗して消防斧で切り倒しちゃったようですな…。お、見つけた!! ご無事だ!! 盗聴親機械は無事ですぞおおおおお!!! も、もうこんな服装なぞいらないでありますううううう!!!」
男は急いでミナこの装備を全てその場に脱ぐと、急いで機械だけ担ぎ持って、仲間の元へ戻って行った。
「でかしたぞ!!! 今回は残念ながら特に風呂場では湯けむりで完全に崇められず、大半が吐き気を催す会話だったが、これは我々親衛隊の中では貴重な財産となるだろう」
「当然、ミナこの会話はカット。お前、どうやらミナこのセットは置いてきたようだが…まあいい」
「それにしてもさっきの美少女はなんだったんだろうぞ…」
こうして、祈里親衛隊の3人は神社を後にした。
翌日、朝食を食べた後に祈里とミナこは学校の準備をして、白蛇神社を後に学校へ向かう。
「ミナこ? 登山用魔法少女はどうしたのよ?」
「(あ、でももう神社から5分も歩いてしまって、めんどいし、置き土産にしてやろう)あ、あれは後でガードに引き取ってもらいに行ってもらうつもり。それとも祈里にあげようか?」
「私には巫女服がありますからっ!!」
そして祈里は学校が終わって帰宅後、慈庵に呼び出されてほら穴に向かうと、割られた鳴の物、そしてミナこの服装が無残に散らばっていた。
「…祈里、この始末、まんまとしてやられたようじゃな…」
「う、うそよ!? 嘘でしょ!? ミナこが知っててこんなことをするわけ…でも確かに登山用魔法少女装備が、一泊泊まるだけなのに必要と言って、こんな派手に散らかされて、おまけにな、鳴の物が叩き割られるなんて…」
「祈里、過ぎ去ったこと、そして親友の結果を怒るつもりはない。じゃが、この鳴の物はじゃな、裏歴史と呼ばれる世界中のごく僅かな魔法能力者達に配当された特別な能力強化と伝達用の呪物。それをこうも絶交のように叩き割られ使えなくなると、奴らから裏切り者として、命を狙われるということは覚えておけ…」
「わ、私が割ったワケじゃない…どうしてミナこが知って執行したんだろう…まさか私を助けるために!?」
「薪島が裏歴史やワシらを偵察して、現代社会に魔法浸透を目指すミナこちゃんが祈里だけは救いたいと思ったか、はたまた裏社会側のワシらへの警告執行なのかは知らん。
とにかく、今後はミナこちゃんや薪島であっても警戒することじゃ!!」
「はい…」
こうして、壮絶なミナこの祈里宅へのお泊り会は幕を閉じた!!
がんばれ祈里!! どうして神楽咲の警告には無関心だったのだ!?
魔法使えない少女?ミナこ! 第八話・完
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