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恐怖探究  作者: 篠田堅
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指差す方向

投稿者:大学生Nさん

 俺は夏に友人のRと旅行へ行く計画をした。

 場所は有名なテーマパークでもあるHランドという場所で、俺とRは高速道路に乗って向かう途中に休憩所(サービスエリア)へと立ち寄った。

 次は運転するのは自分の番だと二人の間で取り決めてから一時間後、結構広い休憩所(サービスエリア)を俺は一人でぶらぶらと自由に行動していた。

 最初は食事処で昼食を済まし、その後は土産屋を適当に回っていたんだけど俺の目に入るようなモノは大してなく、外でタバコを吸って時間を潰すことに決めた。

 駐車場の方にあるベンチに座りつつ、目の前の吸い殻入れに灰を叩き落としながらジッとしていた。

 遠くには高速道路を走る数えるのが億劫になるくらいな数の車が走り抜けていくのを眺めつつ。


 何分経ったかわからない。しだいに車の動きが鈍くなっており、徐々に渋滞を発生させている事に気付いた。

 激しく動くために見えなかった車の内部が様々な種類にして見えるくらいに微動だしない停止気味だ。

 俺は「……これだと車線に入れるのが面倒になるな」と気を落としていた。

 休憩時間以内にこの渋滞が解ければ万々歳だが、そううまくはいかないと俺は淡い期待を抱きながらベンチでタバコを吸い続けていた。


 気を許せば項垂れるほどの熱気、さすがにこの季節で外に何もせずに長時間いるのはきついと感じ始めた俺は唐突にベンチから立ち上がり、クーラーの効いている土産屋の方へと戻ることにする時だった。

 視界の隅に何かが映った。これに気付いた俺は映った何かがある後ろへと振り向いてみた。

 小さな子供だった。いつの間にか俺の後ろにジッと立っていた。

 親御さんがいない所を見るからに、迷子かな? と考えた俺はその子に「どうかしたのかい?」と優しい口調で話しかけてみた。

 けど、子供は何も喋らずにじっと俺の事を見つめていた。

 知らない人に話しかけてビックリしてるのかと勘違いした俺は手短に子供がどうしているのか聞いた。

「君のお母さんは?」

 親御さんを探さない事には話が進まないと考えた俺は手っ取り早くする質問で聞いた。

 そうすると、子供はゆっくりと手を上げて人差し指を指した。俺に向けて……。

 俺は後ろを振り返った。すると、土産屋方面から何人か人がこの駐車場へと来ているのが見えた。

 きっとあの中にこの子の母親がいるのかもしれないと悟った俺はその子に「どれがお母さん?」と聞こうと視線を戻した。


 子供は変わらず指を俺に向けて指していた。

 ひょっとして俺をからかっているのか? と考えたが子供は無表情で指を指している。

 とても冗談や悪ふざけをしているような雰囲気には見えなかった。

「どこかもっと詳しく言ってくれないかな?」

 だけど子供という手前、強く言ったりするのは出来ない俺は優しく子供が指差しているであろう母の居場所を聞いてみた。

 すると、子供は手を下げてゆっくりと口を開いてこう言った。


「お母さん、おじさんの事……気に入ったって……」


 これを最後に子供は振り返って向こうへと走っていった。

 しばらく走っていたが、その先にいた男性の足に勢いよく掴まった。

 男性は苦笑いしつつ、その子と何か話しながらどこかへと去っていった。


 その光景は父と子の仲慎ましいモノ……。


 そこに“母親”の姿はどこにも存在しない……。



 この後、俺とRは無事にテーマパークへと辿り着き、楽しい一時を過ごせた。

 全てが終わった直後の事だが、妙に“体がだるかった”のは遊び過ぎによるモノだと信じたい。

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