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恐怖探究  作者: 篠田堅
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内臓(もつ)様呪(まじな)い

投稿者:K.N

 現代の都市伝説は今なお新しく生まれてくるモノが多種多様に存在している。

 その中でも私がお気に入りとしているモノに『内臓(もつ)様呪(まじな)い』という話がある。


 内臓(もつ)様とは名の通り、人間のハラワタつまり内臓に関連した怪異を持つ正体不明の存在だ。幽霊なのか異形の者なのか未だ誰にもハッキリとした情報はないらしい。

 簡単に説明すると話はこんなものだ……。


 四月一日の日だけに現れる存在であり、望む者には願った臓器を一つだけ一生健康でいさせてくれる御呪いをかけてくれるそうだ。

 だが(まじな)いをかけてもらうには以下の手順を取らなくてはならない。


 1:人形を用意し、中の綿を腹を刃物で切ってすべて取り除く(絶対に腹の部分から切り開かなくてはいけない)。

 2:中に自分が一生健康であることを望む臓器を豚か牛の内臓(もつ)を代用してその中へと入れる。

 3:次にこれをした者が自分だと証明できるように自分の髪と爪と名前を書いた紙を一緒に詰め込み、赤糸で縫いつける。

 4:人形の準備が済んだら今度はいよいよ内臓(モツ)様にこれを渡す儀式へと入る。深夜の午前1時から2時(四月一日の深夜)の間に利き目を閉じながら片目のまま川がある場所へと行く。

 5:着いたらこう呪文を三回唱える。


『お喰らいください、お喰らいください、内臓(もつ)様お捧げします』


 6:唱え終わったら思いっきり人形を川へと投げ入れ、来た時と逆に利き目の方を開けて片目のまま決して振り返らず家へと2時までに帰る(川はあの世へと繋がっているため、流れた先で内臓(もつ)様は人形を受け取ると言われる)。

 7:電気を消したまま部屋へと入って布団を深くかぶり、絶対にうつ伏せの状態で眠りにつくこと。布団にもぐったら寝るまで決して部屋の中を見回さない事。

 8:朝を迎えれば儀式は全て終了です。


 これで手順は全て終了となります。

 ただ、これらの内一つでも間違えると逆に呪われます。

 特に危ないのは儀式を終えて指定した時間が過ぎても外にいる事と最後に部屋の中を見回す事です。

 前者は術を仕掛けた者を内蔵(モツ)様は追いかけようとしてくる時間が丑の刻(深夜午前2時)からだそうです。後者は吟味をしに術者の元へとやって来るのですが、内臓(モツ)様は決して見られてはならない掟があるからだそうです。

 もしこれを破ると儀式を行った者は捕まって身体の臓器をズタズタに千切り取られるか、あの世へと連れていかれます。


 健康好きな人間にはこの御呪いは魅力的でしょう……。

 試してみますか? 私は決してお勧めしませんけどね?

 なんせリスクとギフトが釣りに合いませんもの。

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