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恐怖探究  作者: 篠田堅
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メール

投稿者:T.Hさん

 メールを良くする人は迷惑メールが送られる可能性が高いと言われています。

 回線上に飛び散ったメールの情報はいつどこにと他人の手に知らぬ間に渡っていることが良くあります。

 皆さんはメール対策はバッチリ行っている方ですか? 情報の大切さを良く理解していますか?

 もしも面白半分に返信をするととんでもない事が起きてしまうかもしれません。


――――――――――


 ある日、僕の携帯に見知らぬメールアドレスからのメールが届いた。

 こういうのは大概、何かの勧誘や悪戯メールというのが決まっているんだけど、受信箱から見てみると送り主のメールアドレスと送った日だけが表記されていて本文には何も書いてはいない。

 初めは無視していたんだけど、同じメールが何度も僕の携帯に送られてきた。

 これにはさすがにうっとおしいと感じた僕はそのメールを受け付け拒否に設定し、これで大丈夫だと一度安堵した。でもメールは止まらなかった。何度も受け付け拒否をしてもメールは必ず僕の携帯へと送られてきた。

 ここまでやられては僕も黙ってはいられない。意を決して僕はそのメールに返信をすることにした。

 内容は「今、お前のメールを警察に調べてもらってるから首を洗って待っていろ」とだ。

 メールアドレスを変えないでいるのは手間をかけたくないとする僕の我儘的理由だけど、こういう犯罪まがいな行為をしているこのメールの主にとっては効果的だと思った。


 メールを送り終えるとしばらくして返信が届いた。

 メールを開いて見ると写真が添付されており、僕はそれを開いて見た。

 写真はなんと僕の家の門を写していたモノだった。どういうことだかワケが分からなかった。

 慌てて部屋の窓を開けて家の門を見てみたけど誰もいない。

 犯人がこの近くにいるとわかると僕はパニックを起こしかけたが、なんとか踏みとどまった。


 またメールが来る。写真付きのだ。

 恐る恐る開いて見てみると家の玄関の中を写していた。顔が青ざめた。

 またしてもメールが来る。やっぱり写真付き。

 慌てて開いて見るとリビングを写していた。体が震え始めた。

 またまたメール……自分の部屋へと続く階段を写していた。部屋のドアを抑えて警察を呼ぼうとする。

 ダイヤルする途中、やっぱりメールが入った。構わず警察へ電話してみるが、圏外の状態だった。


 ならどうして“メールは送られてくるんだ”!


 唖然とする中、メールが入った。自分の部屋のドアを写していた。

 もう泣きたい。最後の砦としてドアを開かないように強く塞ぐ。


 それからしばらく時間が経った。

 なにも来ない。誰もいる気配は感じない。


 けど部屋から出る気は微塵もない。

 心を落ち着かせようと深呼吸をし、ジッと耐えていく。



―――メールが届いた。



 恐怖心で崩壊した情緒はたまらず自分の携帯を真っ二つにへし折った。



「ぐえええええええええええええええええっ!」



 部屋の外から鈍い悲鳴が聞こえた。

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