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恐怖探究  作者: 篠田堅
10/44

ネットオークション

投稿者:旅行会社員:Wさん

 ネットオークションというのはいろんな物が売りに出されています。

 欲しい物のためなら金を惜しまないという欲求によって想像以上に金額が吊り上がることも珍しくはありません。

 ですが買う側も大概ですが、売る側も度肝を抜くような品を出すことがあるのです。


 事故現場から盗んだ遺留品、自分の髪の毛(丸刈り分)、血で描いた絵画、とある神社の大杉に打ちつけられていた藁人形と五寸釘、ストーカーからの手紙、彼女の家の鍵……etc


 何を思って出したのか? 愉快を求めるため? 一発当ててみようと考えたため? 無料で手放したくはなかったため?


 幾度考えてもその意図はまったく理解は出来る筈もないでしょう。

 そんな出品物を落札しようとする者が現れるのもまた同じ。

 ネットオークションは便利な反面、こうした闇を抱えているのもまた事実。

 詐欺だとかの範疇を超えた世界が密かに眠っているのです。


 終いには自分の残りの人生をオークションに出してみた人間もいるらしいです。しかも結果は落札可。

 警察や法律によってその件はうむやむになったそうですが、時にはこうして通してしまう可能性もなくはないのです。


 だが、時には役に立つ場合もありえなくはありません。

 ヨーロッパのとある地方にて一人の十二歳の子供が行方不明になった事件です。

 子供の両親は捜索願を出し、息子の無事を祈り続けましたが、一向に見つかる様子はありません。

 呼びかけるのにも限界がある。そう感じた父親はある作戦を思いついたのです。

 なんとネットオークションを使って息子をヨーロッパ全体で探すというとんでも作戦だったのです。

 出品依頼は「息子の安否」。有力な情報か息子本人を出品してくれた人間に提示金額を支払うという一見馬鹿げた内容でしたが、これが意外と効果を発揮したのです。

 珍しい出品依頼に飛びついたネットオークションの住人がこぞってそれに関しての情報を出品し始めたのです。もちろん、冷やかし目的な人間が大半でしたが数日、正確性を重視して情報を探していくと、なんと見つかったのです。


 息子は家出をしていたのです。見つかったのは電車に乗る直前、あのネットオークションをたまたま知っていた人が駅員に連絡し、家へと連れ帰ったのだ。

 親切にもその人は正直に警察へと連絡して連れて来てくれたのでネットオークションとしての『落札』は成立しませんでした。

 ですが息子の両親はその人に深い感謝をして謝礼金として2000(当時日本円にして約30万円)ユーロを送ったそうです。

 ちなみに、ネットオークションでの出品者の中で最高掲示額は11200(当時日本円にして約160万円)ユーロだったそうです。その情報が確かだったのかは今だ定かではありませんが……。


 もちろん、こんなことは稀です。

 ネットオークションをするときは十分な注意を払ってから行うよう心がけてください。

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