第3話 1−8
[よく帰ってきた。見事なチームワークだったぞ][海軍は?どうなりました?]司が聞く。[大丈夫だ。撤退している。見るかい?ライブ中継だ]三人はモニターを見た。
[全世界の皆様。ご覧ください。海軍のセキュリティーが作動しました。全て中国沖から撤退しています。ひとまず危機は去りました。後は陸軍のみとなりまし………][変えたんだ。俺達。皆の力で。世界を!]司はガッツポーズをした。[不思議なものね。私達が脱会した軍事セキュリティーがこんな波紋があるなんて][これが現実なんだろ?全てコンピューター化してるんだから。この世界は。ネット社会が現代に反映する。良いことなのかは知らないがな][そうだな。まあ休め。陸軍は出方を見よう。お疲れさん][それより師匠は?コウさんは?][知っているのか?あの救援に来た者を][エエ。僕にネットハッカーの全てを教えた師匠なんです][そうか。今は知らないがまた会えるだろう][………そうなんですか…………]
総理大臣が走ってきた。[電話だ。司君ご指名で][ありがとうございます………モシモシ][………私だ。コウ・ウエルズだ。皆、そこに居るか?][師匠!居ますとも!][無事なら良い。私は今、香港にいる。サイバークロウのアジトに。長電話は探知される危険がある。手短に話すぞ。我が弟子よ。私は今、奴等に締め出された者を束ねている。君らの活躍に称賛の言葉も無い。こちらも動揺してるさ。パニックに乗じて謀反を興す。今が好機だ。世話になったな。中国の借りは我々が還す。必ずだ。信じていてくれ。また会えると良いな。我が弟子 南条 司よ。ではサラバだ…………プーップーップーッ][ガチャン…………師匠………生きていたんだ!]ミホが肩を叩く。[良かったじゃない?会えて。一瞬でも話せたんでしょ][ウン………良かった][反乱軍か。責任感の強い人だな。良い師匠じゃないか。ナア、司君][エエ。ありがとうございます。ピートさん!][…………で、彼はどうすると?][混乱に乗じて謀反を興すと。我々の責任だと][………総理。そろそろ良いんじゃないですかね?話しても]スモーキーガンナーが施す。[ウオッホン。マアーその〜………なんだ。正式に認可する。君らの活躍を見てな。考えていた日本政府の構想を話そうとな。今、世界はネット社会の脅威にさらされている。そこでだ、ネット社会中心に戦う部隊があっても悪く無いなと。戦う公務員。ステラ部隊を立ち上げる。君らさえ良ければ第1号だ。この部隊が世界の規準になる。必ずな][ヘッ?公務員?俺が][驚く事でも無かろう。司君。モニターを見たろ?君の仕事の結果では無いかね?][私は構わないわよ。楽しそうじゃない。勿論、募集はするんでしょ?イケメンは私が教えるわ][外人も大丈夫なんですか?その部隊って。いずれ故郷のブラジルでもそんな動きがあるでしょう。ちょうど良い。断る理由も無いしな]二人は司を見て顎で合図をする。[ハッカーよりは楽しめそうだ。僕は辞めるつもりだった。今までの犯罪歴を帳消しにしてくれた借りがあるんだ。借りを返すまで辞められない。僕もやるさ][ウム。スモーキーガンナー。二言は無いな。これより先、ステラ部隊の仕事とする。ネット犯罪撲滅の為に][構いませんよ。チームオッサンよりかは][ウム。早速だが明日から仕事を依頼したい。依頼者は総理大臣だ。中国の陸軍セキュリティーを奪回せよ。手段は問わない。報酬は君達の命だ。お願い出来るか?]三人は頷く。
こうしてステラ部隊は産声を挙げた。極秘任務の中で一筋の希望を求めて。
第3話 その1 完結
次回 第3話 その2 戻らぬ時の間