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R.J.ノイマイン

 その連絡を受けた彼は不機嫌、そのものであった。

「また教授あいつかっ、また、あのキ○ガイっかっ!、この国唯一の|機械人(マシ−ン・マン)、メカ・フェチの教授プロフェッサー、自分の遺伝情報の全てを機械に保存し、自分自身オリジナルの殺害現場を、これは自殺だとか言って全国中継しやがった、あのナルシストっ。時の国家最高権力者を死の淵から呼び戻し、人権などとか言うふざけたものを手にしやがった、あの糞野郎かっ!!」普段は温厚、実直、勤勉という公僕の鏡のような人物の落雷がその狭苦しい部屋に響き渡った。


彼の言はいささか激しすぎる嫌いがあるが、その言から、R.J.ノイマン=イェイツ、”教授”の名で知られる彼の人為りをうかがい知る事ができる。


 その中でも彼のような一部の古き良き時代の機械乗り達の彼への憎悪は生半可なものではない。


 彼と彼の造ったシステムは彼らの忠実な手足として自身の意志を反映していた機体ものをただの揺りかごへと貶めた。


 古き良き時代、飛行機フライヤーとは彼の手であり足であり自身のもう一つの肉体であった。決して、「マスター、血圧が上がり過ぎです、もうお若く無いんですから気をつけてくださいね」などと、ハートマーク付きで囁くものでは絶対に無い!!


「ドロシー、仕事中は黙っていろと言わなかったか」

「ドリィって、愛情込めて呼んでくれなきゃ、イ・ヤ」などと、コミュニケーターから立体映像を投影し拗ねるような小賢しい真似をするような存在モノでは絶対に無い!!

「…ドリィ、私が悪かった」無言の圧力を込めてそこに立ち続ける亜麻色の乙女に根負けしたのは彼のほうだった。そうやって髭面の大男がうら若き乙女の立体映像にそうやって謝罪する様子さまは痛ましささえ覚える。


 その姿こそが、教授プロフェッサーと彼女達、自動機関オートワーカーが創り出した現実なのだった。

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