少女(アリス)達2
「全弾発射!!」女の全身から針鼠のように出現した銃火器が火を噴く。
「ちょっとあぶないじゃない!! 一号、ダーリンに当たったらどうする気だったのよ!!」
「そいううヘマをあなたがするわけじゃない、ほうら、そう言いながらあなたが展開しているのはなにかな〜? 二号」
翻した彼女の淡いブルーのドレスが高磁場のエネルギーフィールドを展開する。秀幸と二人の全身を包むその蒼い色の光のカーテンを見て、一号が笑う。
「最強の盾、あなたと違ってお淑やかなのよ、わたし、だいたいなに、その胸、そのお尻、こっそり私よりサイズアップしてるでしょう、私の目はごまかせないんだからね!!」言いつつあっちの方が好みなのかしらと、少し不安気に自分の手元に置いた男の視線の行く先を見る。
「それは、もちろん貴女との差別化に決まっているでしょう、とりあえずそんな事言ってられないくらいに破壊尽くしてアゲルわ」それはもう自分の姉妹に向ける視線かと思えるほどに朗らかな殺意を向けて彼女は笑う
「「ダーリン、こっちに」」そうして、混乱の中にいる男にかけられるその声は、同時に二人から、微笑みの強制力を持って
「ちょ、ちょっとまて、なんで二人!? それにどちらもフィアナだろう、な、なんでこうなる!?」悲鳴じみた男のその声は、混乱をあらわにしていた。
「「そうよ、でも今は双子に近い関係かな、どっちかってーと一号、二号な感じ」」器用に争いながら、微笑みだけは男に向ける。
「「と、いうわけで、さぁ、決めて、私と彼女、どっちを選ぶの!! あなたの願いを力に変えて、その想いを私は貫き通すわ、マイ ダーリン」」
「え、選べと言われても、どっちもフィアナじゃないか」
「ちっちっちっ、ちゃんと感じていたでしょう 私たちを二人と、ささいな違和感を 鋼鉄の機関車と、このユニットとの違いを、…決められないっていうなら」二人は鏡のように艶然と微笑み
「「そうね、やはり壊し合いましょうか、勝った方が全てを手にする。」」
「「単純でいいわね。私達、それ採用」」
笑顔で二人の女性は覚悟を決める。