妖精の国(フェアリーランド)
「七人の小人、稼働率30%ダウン、マルチメディアファクトリーによる修復を開始します」言っている間にも、一つの有機体と化したドロシー達の猛攻が彼らを襲う。
「秀行、私をまだ信じてる?」返答は一瞬、力強い頷きとともに、「ならば奇跡は起こるわ、それもこれもあれもこれも予定通り」
「ドロシー、私は、今この瞬間のお前との時間を手放したくは無いのだよ、本当は、君がずっと私の側に居たあの妖精だと気づいた瞬間から、たぶんそれは憧憬を超えた恋だった、だが、だからこそ私はお前達の存在を望まないのだよ、ドロシー、この世界からの消滅さえ私は願っている」
「わかっているわ、|私の可愛い坊や(My Sweet)、でも叶えてあげるわ、貴方がそれを望むというのなら、私のいない未来を望むというのであれば、そう、叶えてあげるわ、古きよき時代に戻りたいというのであれば、寂しいけれどそれをあなたが望むというのであれば、そのかわりもう未練を残さないで、私に、そして貴方自身に、ならばわたしは叶えてあげるそれが私の望み」
二つの、いいや二つと成る四つの想いが交錯する。
「魔女達の狂宴、中破! マルチメディアファクトリーによる自動修復、損害、損害!」
「フィアナ、二番から四番のコンテナ放棄、同時に爆破、メインを一番コンテナに、蛇の顎から逃れるぞ」
「無茶言ってくれるわね、OK,My Darling!!」
「Master、二番機から三番機に損害、軽微、でも、これで黄金の蛇はつぶされたわ」
五機の飛行機の編隊の成す黄金の蛇に絡みつかれたまま、鋼鉄の機関車は新たなるステージに突入する。
そこは世界の最果てそして世界の中心、そこで彼女達は再び邂逅する。