こんでしょんれっど1&2
『そう、これこそが飛行機というものだ、これこそがまさに機械というものだ。この鋼の躍動、機能を追求した故の精悍なる外観、そして機械が機械たる所以ともいえるべきマスタースレイブシステム』上機嫌で大空を闊歩する大佐の思考に、無遠慮に女性の声が割り込んで来る。「教授が開発したシステムを我が社が独自で解析し、”絡みつく意図”と”曲率変換機関”の使用が可能です」
「それだけで十全だ。奴は確かに変人だが、事、技術的な事に関する限り、奴の天才性を認めないわけにはいかない」
「では、これより作戦名”眠れる羊作戦”を開始します」「十分だ。これで教授に一矢報いることができる。世界の敵相手に不足なし」
『そう、これこそが飛行機というものだ、これこそがまさに機械というものだ。この鋼の躍動、機能を追求した故の精悍なる外観、そして機械が機械たる所以ともいえるべきマスタースレイブシステム』上機嫌で大空を闊歩する大佐の思考に、無遠慮に女性の声が割り込んで来る。「教授が開発したシステムを我が社が独自で解析し、”絡みつく意図”と”曲率変換機関”の使用が可能です」
「それだけで十全だ。奴は確かに変人だが、事、技術的な事に関する限り、奴の天才性を認めないわけにはいかない」
「では、これより作戦名”眠れる羊作戦”を開始します」「十分だ。これで教授に一矢報いることができる。世界の敵相手に不足なし」
2
「どういう事ですか、これは」
目の前には、前代未聞だの、衝撃の事実だの、世紀の大事件だの、おおよそ読むものを好奇心で埋め尽くすような文字が躍っていた。
これぞまさしく、でっちあげ、虚偽報告も華々しく。いつ、どこで撮影されたものか、彼と彼女が仲睦まじく、というような場面のみを強調した写真がそこかしこに載っていた。
まさに現代の機気械々、フィアナ嬢の熱々のコメントとか、これが機械と人間との理想的な未来像だのという、まさに見るの者の好奇心を無駄に刺激するような飾り付けのなされた文字が大々と躍っていた。
「何といわれても、我々の目指す理想像だよ、いささか誇張すぎるきらいがないではないが、広告効果としては、中々だとは思うがね」己が理想に殉じ損ねた男は、彼に背を向けたままでなんの衒いもなくそう言い放ってくれた。
「そこに正式な書類がある。以前にも言った通り、私には経営者としての責任があるのだよ」