表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/38

サンダーバード

「どうでしたか、彼女は?」開口一番、そう言って扉の前で彼を出迎えた赤毛の女性は、先日、役員達の前で報告を続けていた女性オペレーターだった。


男は無造作にデータディスクを彼女に押しつけるように渡すと、どっかと自身のプライベート・ルームのソファに沈み込む。


「扉を開けるぐらいの紳士さは、持ち合わせてほしいものですわね、大佐」扉の内側で女が呆れたように苦笑する。


「紳士さを要求するにはいささか淑女さが足りない気がするがね、ミス・レイン」彼女の方に一瞥もくれず、吐き捨てるように男はそう言った。


「そこを大目に見るのが紳士の度量といったものでしょう、大佐」言われた女の方は悪びれもせずにロックされた扉を開けたカードキーを指先で弄びながら言う。


「あいにく、優しさとかそういったものは枯渇気味でね、…記録を見ればわかる。まぁ、奴が記録を改竄ねつぞうしていなければの話しだがな」


「どこに行かれるのですか、大佐」いいざま、彼女の側を通り抜けようとする男を呼び止める。


「君達の居ないところであれば、どこでも、と言ってもここは君達の檻の中だがね」


Drothy9かのじょは、戦闘後のチェック中。このプライベート・ルームを出たところで、いつものように彼女に追いかけ回されることはありません。しばらくの間、あなたの自由は保障されますわ。そう、毛嫌いしないでいただきたい。今回はあなたにとって良い話しを持ってきました」


「解雇通知かね、それはめでたい、しかし自身の右手で左手を殴るような戦闘に結果を期待しすぎるのはいかがなものかな」


諦めたように、彼女は一つのファイルを彼に差し出す。


「…これは?」受け取った大佐は初め興味なさそうにそれを一瞥し、確かめるように見、そして驚愕あおどろきの声を上げる


雷鳳サンダー・バード、今現在では喪失技術ロスト・テクノロジーと呼ばれる技術の粋を集めて作られた逸品です」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ