Ki.AI.system
Ki.A.I.System、これが世界を劇的に変えたSystemの名前である。
自動機関は自身を変革する機械だ。自動機関は状況に応じて自らを改変しそして進化する、そのバリエーションは無限に近い。そしてその核となる仕組みがKick.Aura.Interface.System.
それが自動機関が自動機関たるゆえんだ。それは機械と人間との間にある特殊な感情的な地場を感知、増幅し現実に固定するシステム。端的に言ってしまうならば、気合いと根性でたいがいの事はなんとかしてしまうというシステムだ。それが、それこそが私達が自動機関を手放せなくなった理由だ。
開発者の名前は”教授”の名で知られるR.J.ノイマン、この国で唯一、人権を認められた機械化人間だ。そう自動機関は願望を実現させた機械なのだ。
自動機関の運転士をコーディネーターと総称する。自動機関の躍進とKi.A.I.systemの搭載によって高速機動物体の事故、即、死亡事故となる事は減少したが、そこにあらたなる問題が発生した。Ki.A.I.Systemの最大の問題、運転士と自動機関の相性が合わなくてはその機能がまったく働かないという事である。その事実が判明した時はすでに遅く、自動機関は公共の交通機関のシステムとして重要な位置を占めてしまっていた。そして結局のところ、運転士は自動機関のご機嫌をとらなくてはならなくなった。それが現状である。しかしそれでもそれを上回る利益の為に彼らは彼女たちを使うしか選択肢がないのだ。