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悪役令嬢は物語に支配された世界を、文明で解放する  作者: 南蛇井


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第37話 交通整備

朝。


都市の外。


まだ整備されていない街道。


馬車が進む。


だが――


遅い。


揺れる。


ぬかるみ。


石。


轍。


「うわっ、まただ!」


荷が崩れる。


御者が舌打ち。


時間がかかる。


無駄が多い。


少し離れた場所。


レオナが立っている。


隣にセラ。


そして、数人の担当者。


レオナは地面を見る。


しばらく観察。


一言。


「全部やり直す」


セラがため息。


「やっぱりそうなりますよね」


レオナは気にしない。


「遅い」


それだけで十分な理由。


工事が始まる。


まず――


整地。


凸凹を消す。


傾斜を計算。


水が流れるようにする。


「排水路も作る」


レオナの指示。


雨が降ってもぬかるまない。


常に安定。


次に。


石材。


砕く。


敷き詰める。


圧縮。


固める。


魔導具が動く。


人の力ではない。


均一。


高速。


正確。


セラが驚く。


「こんなに真っ直ぐに……」


道は一直線。


無駄な曲がりがない。


距離を最短にする設計。


さらに。


分岐。


都市へ。


農地へ。


工房へ。


市場へ。


すべてが繋がる。


「迷わない道」


レオナの設計思想。


標識。


簡単な地図。


誰でも理解できる。


夜。


魔導灯が設置される。


街道にも。


暗くならない。


見える。


進める。


「夜でも動ける……」


セラが呟く。


レオナは頷く。


「止まる理由がない」


数日後。


完成。


新しい街道。


同じ馬車。


同じ距離。


走る。


滑らかに。


揺れない。


速い。


御者が目を見開く。


「……なんだこれ」


別物。


まるで違う。


到着。


時間は――


半分以下。


荷を運ぶ商人が叫ぶ。


「もう着いたのか!?」


驚き。


笑い。


信じられない。


都市。


市場。


物が増える。


流れが早い。


滞らない。


農地。


収穫物がすぐ届く。


腐らない。


無駄が減る。


治安隊。


巡回速度が上がる。


異常への対応も早い。


セラが言う。


「全部が速くなってます」


レオナは答える。


「当然」


物流。


人の移動。


すべてに影響する。


「遅いものは排除する」


それが基本。


さらに。


通信装置。


街道沿いに設置。


遠距離でも連絡可能。


事故。


トラブル。


すぐに伝わる。


すぐに対応。


「安全も上がる」


セラの言葉。


レオナは頷く。


「速度と安全は両立する」


設計すればいいだけ。


夕方。


街道を見下ろす丘。


馬車が行き交う。


人が歩く。


止まらない流れ。


以前の荒れた道はもうない。


そこにあるのは――


機能する道。


セラが静かに言う。


「……都市が外に広がってますね」


道は血管。


流れを作る。


都市の外まで。


影響が伸びる。


レオナは短く答える。


「まだ遅い」


セラが振り向く。


「え?」


レオナは街道を見る。


確かに速くなった。


だが。


まだ限界がある。


馬。


人。


物理的制約。


「次は変える」


根本を。


セラが少しだけ苦笑する。


「嫌な予感しかしません」


レオナは否定しない。


「運び方を変える」


その一言。


遠く。


街道を走る馬車。


今は最速。


だが――


それも、すぐに過去になる。


革命は止まらない。


さらに加速する。


レオナが最後に言う。


「次は輸送」


セラが小さく頷く。


「ですよね」


世界の速度が、また変わる。

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