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俺の幼馴染はちょっと変わった優等生  作者: ケイト


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13/25

師匠の為に


 翌日。

俺は学校でセイメイと駄弁っていた。

彼は前回、ミファに命を救われた事を感謝しつつも、自分の無力さに落胆し、ライフさんに修行をつけてもらっていたそうだ。


「母さんあのキツイ見た目通りキツイ修行しかしねぇんだよ」

 

「ライフさんの修行かぁ……どんなのだろ」

 

「魔術師が魔術無しでどうやって戦うんだって言いたくなる修行」

 

「んだよそれ」

 

セイメイはライフさんって師匠がいる。

自分がどう強くなるべきなのか、何を学ぶべきなのかを導くこれ以上ない優秀な人が身近にいる。

あの人が俺の師匠ならどれだけ心強いか想像出来るが、それはセイメイが許さないだろう。

 

「それで母さんがさ……」

 

こいつライフさんの話多いんだよなぁ……否定はするけど多分心の中じゃ絶対マザコンなセイメイが俺を拒否するのは至極当然かつ確定した未来だ。

俺は俺で……師匠を見つけるべきなのかな。

 

退屈な数学と歴史の授業が終わり、セイメイは修行があると笑顔で帰り、ミファは。

 

「特売があるから行ってきます! あの戦場から必ず特売卵と野菜を勝ち取ってきますからね!」

 

と、言って買い物に行ってしまった。

相談出来る人が誰も居ない。

普段ならこのまま家に帰ってミファに言われた通り魔力を魔術に変換するスピードと効率を上げる為の練習をするが、今日は……。

 

「おや、ナーパム君、提出すべき課題は無かったと記憶していますが、どうしましたか?」

 

職員控室に向かい、先生に相談する事にした。

普段先生と授業以外で話す事なんて殆ど無いが、師匠なんて簡単には見つからない人を探すんだ、この人なら心当たりがあるかもしれない!

あと、もう相談出来る人がいない。

 

「実は俺、魔術師として成長したいんです」

 

「ほう、ナーパム君からそのような前向きな発言があるとは……教師として、先生は先生で良かったと心から感動しています」

 

涙まで流して大げさだな……いや確かに落ちこぼれだけどさ、その対応はどうなんだ?

 

「でも一人じゃ成長するにも、何をすればいいか分からないんです。ルサンチマン先輩やミファみたいに独学で強くなれる才能も無いですし……師匠が欲しいんです!」


先生は腕を組んだ。

まっすぐに俺を見ていて、茶化す態度も、ふざける態度も一切見せない。

 

「つまり、ナーパム君を教える魔術師の知り合いは居ないか。そういう事ですか?」

 

「はい!」


「確かに特別魔術科で教えるのは魔術の発動速度と変換効率の最大化がメインですからね、実戦慣れは出来るでしょうが、強くなる事に沿ったカリキュラムではありません……わかりました、探してみましょう」

 

「ありがとうございます!」

 

相談してみるもんだな!

いやー、これで俺にも師匠が出来る。

灼熱の魔術師が煉獄の魔術師、いや獄炎の魔術師になる日が来る!

 

「ですが、条件があります」

 

「へ?」

 

先生は人差し指を立て、その指を歴史と数学の教科書に向ける。

すごく、ものすごーく嫌な予感がする。

そしてこういうときの予感ってのは、大抵当たる。

 

「ナーパム君が本気なら、態度で示して下さい」

 

「……な、何点取ればいいですか?」

 

横にした人差し指をまた縦に戻す先生。

そして、その指は上を指したまま動く気配が無い。

まて、まってくれ。

つまり……その……それって!

 

「満点ですか?」

 

先生はニッコリと笑い、頷いた。

取れるわけが無い。

無理だ、ミファでも満点とか殆ど取ってないのに……。


違う。

俺はミファに認められたい、守られてばかりじゃなくて、守る側になるんだ。

だから、やるしかない。

 

「わかりました! やってやりますよ!」

 

帰って数学だ、いや歴史か?

寝る前に歴史をすると寝ている間に覚えられるって噂を効いた事あるし、順番は……。


「期待していますよ、ナーパム君」


 

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